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「なぜ勉強できないの?」 学校を追われたアフガン少女たち

「なぜ勉強できないの?」 学校を追われたアフガン少女たち

2021年10月26日【カブールAFP=時事】

アフガニスタンのアメナさん(16)は、通っていた女子高校が今年5月、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の爆弾攻撃を受け、同級生数十人の死を目の当たりにした。それでも教育を受け続ける覚悟だった。

ところが、中等教育を受けているほとんどの女子と同様、アメナさんは今、授業からまったく締め出されている。アフガニスタンで政権を奪還したイスラム主義組織「タリバン」は9月に学校再開を命じたが、女子生徒は除外された。

「勉強したいし、友達に会いたいし、明るい未来がほしいです。でも今はそれができません」。首都カブール西部にある自宅でアメナさんはAFPに語った。「最悪の状況です。タリバンが来てから、とても悲しいし、怒っています」

国連児童基金(ユニセフ)の幹部が15日に語ったところによると、タリバン暫定政権の教育相は同機関に対し、すべての女子生徒が中等教育を受けられるようにする枠組みを近く発表すると述べたという。だが今のところ首都カブールを含むアフガン全土で、女子生徒の大部分は授業を受けられていない。

一方、小学校はすべての子どもに対して再開した。また私立大学には女子も通うことができるが、服装や行動について厳しい制限が課せられている。

■「希望がない」
アメナさんはジャーナリストになることを夢見ていたが、今では「アフガニスタンに希望はない」という。

家ではきょうだいに勉強を助けてもらっている。学校襲撃で心に傷を負った妹はカウンセリングを受けている。アメナさんは時折、このカウンセラーからも勉強を教わっている。
「兄弟が本を家に持ってくるので、それを読んでいます」と語る。「それから、いつもニュースを見ています」

なぜ男子だけが勉強することができて、女子には許されないのか、理解できないとアメナさんは訴える。「社会の半分は女子で、残りの半分が男子。なんの違いもありません」
「なぜ私たちは勉強できないのでしょうか? 私たちは社会の一員じゃないのでしょうか? なぜ男子だけに将来があるのでしょうか?」

■消えた夢
米軍主導の多国籍軍が旧タリバン政権を追放したのは、2001年。それから何年もたって生まれたザイナブさん(仮名、12)は、タリバンの5年におよぶ圧政の記憶もなく、学校通いを楽しんでいた。それも復権したタリバンの命令が出るまでだった。

先月、男子だけが学校に戻る様子を窓から見てがく然とし、「恐ろしい気持ち」になったという。「毎日、どんどん悪くなっています」とザイナブさん。身の安全のために本名は伏せて取材に応じた。

姉のマラレーさん(仮名、16)は涙ながらに「絶望と恐怖」を感じていると明かした。今は掃除や皿洗い、洗濯など家事を手伝って過ごしている。母親の前では涙をみせないようにしている。「母はたくさんのプレッシャーを背負っていますから」と説明した。

マラレーさんは女性の権利を向上させ、彼女の権利を奪う男性たちを説き伏せることを夢見ていた。「学校、そして大学に行くのは私の権利です」とマラレーさん。「私の夢や計画はすべて、消えてしまいました」

【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕

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アフガニスタンの女子への差別は、以前(タリバンは女性の権利守るのか、アフガンに渦巻く疑心暗鬼: 08/19)でも書きました。タリバントップの約束と違うのは、タリバンが嘘をついているというよりも、その程度の統率力しかないということでしょう。ややこしいのは、アメリカが撤退したことでISも息を吹き返し、首都でのテロを繰り返してタリバン政権の脆弱さをあぶりだすのに一役買っており、それが更に政権トップの求心力を失わせるという悪循環に陥っているということです。

2001年以前のアフガンの多くの女子はマラレーさんのように考える事は少なかったかもしれません。しかし、今は20年間続いた男女同権の蓄積があります。今更、男女同権の思想をなかったことにするのは不可能です。もちろん、体制批判についての表現や思想信条の自由については、中国共産党政権によって弾圧が続いていますし、ロシアでは暗殺の恐怖を感じながら報道の自由を守ろうとしているノーベル平和賞のドミトリー・ムラトフ氏らの戦いもあります。

それでも、どんなに弾圧されても、必ず自由は勝利すると歴史は教えています。自由主義社会はアフガンの行方をずっと見ています。がんばれアフガン女子!