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息子が強度行動障害、在宅で介助「もう無理」 入所先見つからず

息子が強度行動障害、在宅で介助「もう無理」 入所先見つからず・・・疲弊する両親

2021年10月21日 【福井新聞】

自傷行為や暴れるといった「強度行動障害」のある人は、全国に少なくとも2万5千人いると言われる。重度になると常に介助が必要だが、施設側は人手不足に加え、他の利用者や職員の安全確保の面で入所を断らざるを得ないケースもある。入所先が見つからず、在宅で息子の見守りを続ける福井県福井市の夫婦は「24時間気が休まらず、普通の生活も困難になってきた。家で支えるのはもう無理」と悲鳴を上げる。

50代の夫婦の次男(23)は2歳で広汎性発達障害(自閉症)と診断された。特別支援学校小学部6年の頃から強度行動障害の兆候が現れ始めたが、在学中は比較的安定していた。高等部を卒業後、建物から飛び降りたり、電卓を投げつけたりする重度の症状が見られるようになった。家の部屋の窓ガラスを割ってしまうため、アルミ板に交換した。

次男は、障害者総合支援法に基づく支援の度合いが最も重い「6」。現在は週1回のショートステイと週4回の通所で、二つの施設を利用している。夜間は訪問ヘルパーが介助に当たる。夫婦は「環境の変化に敏感なので、1日の生活リズムが決まっているのが理想」と、施設への入所を切望している。

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福井県によると、夜間も排せつや食事を介助する指定障害者支援施設は県内に26カ所ある。昨年9月時点で、このうち17カ所に強度行動障害のある人が計408人入所しているが、次男のような重度の人数までは把握していないという。

知的障害者ら40人が入所する勝山市の障害者支援施設「九頭竜ワークショップいずみの郷」は一昨年、重度の男性1人を初めて受け入れた。3、4人で交代しながらマンツーマンで24時間介助する。担当職員は「行為の理由が分からない時もあり、意思疎通が難しい」と話す。

同施設は常に満員状態だ。男性と同時期に入所を希望した強度行動障害の女性もいたが、日中の通所で対応している。担当者は「重度の人をもっと受け入れようとすると、設備を整えなければならない。お金も人もまだまだ必要」と苦しい胸の内を明かす。

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国や自治体は「入所施設から地域へ」とうたい、生活介護や自立訓練などの福祉支援サービスを活用し、障害者の地域生活移行を推進している。それは、夫婦には遠い世界に見える。

「自分たちが死んだら、息子はどうなるのか。行政には現実を知ってもらいたい」。介護疲れから夫は十数年間、心療内科に通う。今年5月に症状が悪化し現在は休職中だ。「息子が喜んで、安心して暮らせる場所が社会にあってほしい」と願っている。

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動画を見ているだけでは、修羅場の時の様子はわからないです。でも、表出のコミュニケーションは弱い感じがします。成人にしては人との距離が近いですが、豹変して暴れだすことを気にされているのでしょう。そして、この家族はSOSを出しているのですから、入所施設が必要です。「入所施設から地域へ」というのはノーマラーゼーション社会には必要なことですが、家族の犠牲の上に成り立つものではありません。

しかし、国の政策は入所施設を経営するより通所施設を経営したほうが利用料がたくさんとれるように変わってきています。その結果、本当に必要な人が利用できず、入所する必要のない人が入所している傾向がさらに強まっているような気がします。行動障害が激しくなったり両親が老いて養育ができない理由で入所施設を待つ家族は全国でどれくらいおられるのでしょうか。

誰かのせいにしてもしかたがありませんが、23年間、早期療育から学校教育、児童通所事業、障害児医療と公的にかかわってきた結果でもあるわけですから、家族だけに責任を負わすのは筋違いだと思います。以前にも書きましたが、「入所施設の職員は、学校に足を向けて寝たらいけない。施設職員の仕事があるのは学校のおかげ」と皮肉を言った強度行動障害施設の施設長の言葉を忘れてはいけないのです。

行動障害があるのは家族の責任ではありません。ノーマライゼーション施策が、本人が成人しているのに親と暮らす事は不自然だというならわかります。ノーマライゼーションと言うなら独立させて、24時間の支援が保障されなければなりません。それが実現しないうちは、家族が望むなら入所施設で支援されるのが当たり前だと思います。自分たちの息子だからと自分に言い聞かせている様子を見ると、どこが世界第3位のGDP国なのかと情けなくなります。