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放課後デイ11事業所で過大請求
放課後デイ11事業所で過大請求=定員超過、6年で1億円―検査院
2021/10/18 【時事通信】
障害を持つ児童生徒が通う「放課後等デイサービス」などのうち、6道県と2政令市の11事業所が、定員を超過して受け入れたにもかかわらず、給付費を過大請求していたことが18日、会計検査院の調査で分かった。過大請求額は6年間で1億円を超え、検査院は厚生労働省に是正を求めた。
放課後デイや就学前の子どもを対象とした児童発達支援を行う事業者に対し、厚労省は定員を超過した場合、市町村に請求する給付費を70%に減額するよう求めている。過度な受け入れを未然に防ぐのが目的で、国の負担は2分の1。
利用者の多い474事業所を検査院が調べたところ、8事業者が運営する11事業所が、減額せずに請求し、総額は2014~19年度で計1億1589万円に上ることが判明した。事業者側が減額制度を知らなかったり、誤って理解したりしていたという。検査院は厚労省に対し、過大請求分を返還させた上で、減額制度を周知徹底するよう求めた。
厚労省によると、ニーズの高まりを受け、放課後デイや児童発達支援の事業所は年々増加している。一方で、給付費の不正請求などを理由に指定取り消しの行政処分を受けるケースもある。
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この記事を読めば、また放デイの不正があり、感染症対策の不正請求と同じように税金を食い物にする事業所への怒りが湧いてくると思います。ただ、厚労省関係のたくさんある会計検査の中で、放デイが狙い撃ちされている感もします。この間、不正の目立つ放デイ事業者に対して一罰百戒の効果を狙ったのではないかとも思えます。
例えば、すてっぷの例で考えると、定員が10名ですから15名を超えるとその日の全員の利用料を3割で減算請求、または、過去3か月の利用者の1日平均が13人を超えても当月は3割減の請求となります。これを過去6年間、行政指導で是正を求める事もなく事業所だけに責任を擦り付けるのは無理があるように思います。おそらく、地域に事業所が少なく、やむを得ず定員を超えて利用させたという事例もあるのではないかと推測します。つまり、あくまで善意で定員越えについて市町行政の暗黙の了解事例もあると思うのです。
ちなみに、新型コロナ禍の厚労省の通達には休校などのイレギュラーがあって、保護者負担を減らすために、定員を超えた利用者を受入れざるを得ない場合は減算しなくてもいいという通達が出ています。すてっぷの利用者の学校でも少なくない学校が感染予防で休校になったりして、保護者が休まざるを得ない状況が続きました。この月曜日は先の土曜日の運動会の学校代休という事もあり15名を超えて利用者を預かっています。普段なら振替をお断りするのですが、感染休校が続き予防のために放デイを利用できなかった利用者支援と保護者負担を和らげるための配慮です。
今回は、通達があるので請求は認められると思います。このように、利用者超過の原因は様々な地域や家庭の状況があり、市町行政がそれを知らないわけがないので、霞が関の机上の理屈だけで不正があったとリークしたのだろうなと想像します。会計検査は5つの観点で検査します。正確性や合規性だけでなく有効性や効率性も考えて総合的に判断してほしいと思います。地域の事を正確に把握して行政を適正かつ柔軟にコントロールする政治家を選ぶことが大事だと思います。