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危険な「放課後デイ」送迎サービス…障害児へのわいせつ行為横行
危険な「放課後デイ」送迎サービス・・・障害児へのわいせつ行為横行
2021/11/04 【読売新聞】
障害のある子供が利用する「放課後等デイサービス(放課後デイ)」で職員による子供へのわいせつ行為が相次いでおり、車での送迎中にわいせつ行為に及ぶ手口が横行していることがわかった。自力での通所が難しい障害児に欠かせない送迎サービスが、悪用されている形だ。
動画も撮影
読売新聞の全国調査では、放課後デイで2016~20年度に少なくとも職員25人が、39人の子供にわいせつ行為をした疑いのあることが明らかになっている。
「男の勤務態度は真面目だった。まさかそのような意図があったとは……」。9月上旬、取材に応じた関東地方の放課後デイ代表の男性(74)は、苦い表情で口を開いた。
数年前、男性が代表を務める施設で、40歳代の職員の男が知的障害のある女児らにわいせつな行為などをしたとして、強制わいせつ容疑などで逮捕された。
男は面接時、「子供に関する福祉の仕事をしたい」と熱意を語った。障害児施設での勤務経験もあり、人手不足から採用を決めた。だが、男は女児にばかり近づこうとし、子供と接しない業務へと配置換えをした。
ある日、男は送迎車に添乗員として勝手に乗り込み、運転席の後ろで女児の下半身に触れ、動画を撮影。帰宅した女児が両親に伝え、発覚した。男は、別の女児3人にもわいせつ行為をしていたとして、強制わいせつなどの罪で懲役7年の判決を受けた。代表の男性は「被害者には大変申し訳ない。二度と起きないよう徹底したい」と謝罪した。
犯行1年半
送迎サービスでは、同様の事案が各地で起きている。
静岡県内では19~20年、放課後デイに勤務していた元保育士の30歳代の男が、送迎中に知的障害などのある少女3人にわいせつな行為をし、その様子を動画で撮影。男は約1年半犯行を重ね、静岡地裁沼津支部は今年6月、男に懲役12年の判決を言い渡した。
19年にも、石川県内の放課後デイの職員の男が送迎中の車内で、当時7~11歳の障害がある女児6人にわいせつな行為を繰り返した。金沢地裁は昨年7月、「被害を訴えることが困難な女児の特性につけ込み、職員という立場を悪用した」などと指摘し、懲役7年の判決を言い渡した。
厚生労働省障害福祉課障害児・発達障害者支援室は「送迎中のわいせつ行為という手口は把握していなかった。あってはならず、遺憾だ。事業所には、わいせつ行為など虐待防止の職員への周知徹底を求めている」としている。
放課後デイ事業者でつくる「全国放課後連」の真崎 尭司たかし 事務局次長は「子供は被害を訴えにくく、障害があればなおさらだ。利用できる施設も限られ、泣き寝入りしているケースもあるだろう。放課後デイは、低賃金や新規参入しやすいといった構造的な問題もある。行政にはこうした問題の解決や新たな研修制度など対策を進めてほしい」と話している。
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利用者を顧客だと思っていないからできるのでしょう。見てやっている、世話をしてやっている、教えてやっている、教育や福祉の仕事で陥りがちな感覚です。子どもを顧客だと考えることは、公立だろうが民間だろうが同じです。「させてもらっている」というサービス感覚は子どもと接する職員に教えなければ身につくものではないです。「わいせつ事件」は職員全体にそうした感覚が薄い職場に多いのではないかと思います。
低賃金で人手不足とか利用施設が少ないとか、そういう問題ではないと思います。賃金も待遇も福祉職より良いにも関わらず、教員のわいせつ事件も後を絶たないのですから待遇の問題ではないと思います。わいせつ事件も虐待事件も職場規律の弱いところに多いように感じます。規律と言うと職場の管理が強くて働きにくいのではと勘違いする人がいますが、顧客である子どもに対してリスペクトするように職員教育がされていれば、子どもや保護者への向かい方は自ずと変わってきます。
子どもを大事にするというのは当たり前の事ですが、職場規律がないところは、子どもを大事にしない言動を抑止することができません。送迎の密室性の問題のように記事は書きますが、大事なことは事業者の顧客・子どもへの姿勢の問題だと思います。研修保障や賃金アップは大事な課題ですが、別の問題だと思います。