すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

情報を整理して文を書こう!

じゃんぷに通っている子ども達の中に,「感想文って苦手やなぁ。」とつぶやく子が多数います。

読み書きを苦手としている子ども達は本を読む習慣が少なくなり,必然的に「文章」に触れる機会が少なくなります。「アニメは好きだけど漫画は読まない。」という子も中にはいます。

学校では校外学習等行事の後に感想を書く機会がありますが,そういった子ども達にとって憂鬱な時間になるようです。子ども達の意見をまとめていくと「何を書いたらいいかわからない。」「どうやって書いたらいいかわからない。」「文を書き始められない」等々…

じゃんぷでは子ども達と行事の感想を聞きながらマインドマップで表したり,時系列ごとに並べ,情報を整理しています。そして書くことが苦手な子の場合は状況に応じて,文を一緒に書いたりなぞりにしたりタイピングにしたりと様々な方法を使っています。

情報を整理することで「あ,わかった!書けるわ,先生見てて!」と言ってくれた子もいます。子どもは道筋を示すことで出来るようになることがあります。

子どものつぶやき

じゃんぷに来ている中学生のM君が「テスト嫌やなぁ…勉強嫌やなぁ…」とつぶやいていました。

M君は中学1年生で,今回が初めての定期テストです。一見「勉強するのが嫌」という風に聞こえますが,職員は「不安があるのかな。」という見方をしました。

個別指導の時間,学習の前に一緒にテスト範囲を確認し,その中身を確認しました。するとM君は安心したからか学習に集中して取り組むことが出来ました。(一緒に考えよう! : 05/18)でも書きましたが,子ども達は日常生活の中で不安を抱えていることが多いです。そういった不安を子ども達の小さなつぶやきから拾い,少しでも解消できるような支援をしていくよう心掛けています。

飲み干す一杯

 エースコックさんから販売されている「飲み干す一杯」シリーズのラーメンをご存じですか? いろいろな味があり、ご当地ラーメンシリーズも揃えたラインナップで、食べるだけで小旅行に行った気分になります。最近の筆者のお気に入りです。

 支援学校高等部のK君はジュース大好き。いっきに飲みたいのですが、まだ嚥下の練習中。いっぱい飲もうとするとこぼしてしまいます。以前は哺乳瓶マグで飲んでいたのですが、今はミニサイズのペットボトルで練習しています。コップよりも飲み口が狭いので飲むときにこぼれにくく、飲みやすいので練習にはうってつけ。二口ほど飲めるくらいの量から始めました。飲み干した後に職員がまた同じ量を入れておかわりにしています。ちなみに、このおかわりが好機とばかりに、絵カードを使って要求の練習にも取り組んでいます。これまで当ブログでも取り上げているPECS(絵カード交換式コミュニケーションシステム)です。くわしくは過去記事をご覧ください。

 さて最近は小学生たちといっしょに公園に行くことの多かった筆者ですが、先日久しぶりにK君のおやつの様子を見ることができました。そこで筆者はミニボトルに注がれたジュースの量を見て、「少し多いんじゃないかな?」とオドロキ。見た感じ五口くらいの量でした。けれど、K君はジュースをこぼすことはありませんでした。二口飲んだ後、飲むのを一呼吸おいて止め、その間、ミニボトルを少し傾けこぼれないようにしていました。そして、K君は自分の目元にミニボトルを持ってきて、中をのぞきこみまた飲み始めます。二口、三口ほどで飲み干して、絵カードを職員に渡しておかわりを要求をしました。その後も、同じくらいの量を注がれていましたが、同じように、二口で一度止める→ボトルの位置を調整→中身を確認→飲み干す→絵カードでおかわりを要求という流れを繰り返して、こぼさないように飲むことができていました。数か月前は二口くらいの量でもこぼしていたのに…、と驚くと同時に感動しました。

 繰り返しの毎日の生活のなかで少しずつ変化や成長を見れるというのは、とても嬉しいことですね。一杯分まで飲み干せる日がいつか来ますように。

 

避難訓練

先日,じゃんぷでR4年度初めての避難訓練を行いました。今回は地震を想定しました。

子ども達には事前に写真,絵カードで避難場所や机の下に隠れるといった行動を示しました。しっかりと示された通りに行動し,避難場所である「老人福祉センター桜の径」まで避難することが出来ました。

桜の径までの避難が終わり,職員から少しだけ災害の経験の話をしました。「大雨が降った時今みんなが立っている道は浸水して腰につかるくらいやってんで。」と話すと「え~,どうやって帰ったん!?」と興味津々な様子です。

「東北の地震の時はテレビが全部それのニュースになるくらい大きな出来事やったんよ。」「阪神の時は京都も揺れてな…」と続く話に対して子ども達が聞き入っていました。

防災訓練は真剣に取り組まないといけないですが,リアリティーを出しすぎて子どものトラウマになってもいけません。職員で振り返りをした時,避難訓練前には「防災週間」等を作り,少し災害についての話をする,といった時間を設けてもよいかもしれないという話が出ました。

「学びの広場じゃんぷ」から「老人福祉センター桜の径」まで約5分で避難できました。

見本になります。

じゃんぷに来ている3年生のL君が自立学習の時間,集中して宿題に取り組んでいます。

L君は宿題に対して苦手感を持っています。「しんどいな~」と言いながらも頑張って取り組んでいました。

今年度からL君が来ている日に年下の友達が来るようになり,同じ場所で自立学習をするようにしました。

「L君には見本になってほしくてね。自立の時間はこんな風に動いて,勉強始めるっていうのを見せてほしいんよ。」と説明しました。L君には自立の時間の学習の始め方の見本になってもらいたかったので,勉強中に休憩を挟んだり,気持ちを切り替える行動は取っても大丈夫,と伝えました。

するとしっかりスケジュール通りに行動し,宿題も集中して取り組みました。「無理してないかな?」と思い,「国語終わったら休憩してもいいよ。」と伝えていますが「いや,大丈夫!」と返事が来ます。

「めっちゃ集中してるやん!」と聞くとニヤニヤと笑うだけで理由は話してくれないのですが,やはり年上としてのプライドがあったのでしょう。

「年下の子の見本になる」というのは子どものやる気に火をつけるようです。でも疲れた時は「疲れた」って言っていいんだよ~!