すてっぷ・じゃんぷ日記

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【映画】ゆうやけ子どもクラブ!

東京都小平市にあるゆうやけ子どもクラブは、今から40年以上前の1978年に、放課後や夏休みに子どもの活動場所が欲しいという親の切実な願いで誕生しました。全国でも放課後活動の草分け的な存在です。ゆうやけでは、小学生から高校生までの子どもたちが共に放課後を過ごします。知的障害、発達障害、自閉症など、障害はさまざまですが、遊びや生活を通して、子どもたちと活動を続けてきました。

カメラは、クラブに通う子どもたちに寄り添います。自分の気持ちをうまく表現できない子ども、積み木に夢中になって子どもたちの輪になかなか入ることができない子、音に敏感すぎる子どもが、ずっと給湯室にこもっている姿等を追い続けます。スタッフは子どもたちを全身で受け止めます。カメラは、そんな彼らが時間をかけてゆっくりと変っていく姿を追いかけます。子どもたちにとって大切なことは何か。映画は、ゆうやけ子どもクラブでの子どもたちの時間を描き、問いかけます。残念ながら京都での公開は今週土曜までの1週間、武漢肺炎のリスクを押して鑑賞に行く方は少ないと思います。

ゆうやけ子どもクラブと同じように乙訓では1983年から障害児学童保育運動が起こりました。支援学校の子どもだけが学童保育所に入れない問題が、母親の急逝を契機にした父親の子育てと就労問題として顕在化したのです。しかし、不公平だと告発するだけではその子どもは救われません。また、たとえ学童保育に入れても小学校6年生までです。自立の速度が遅い子どもの放課後や学校休業中の問題は解決しません。今問題を抱えた親子と一緒に民間で実際の保育を立ち上げるしかないという教員と親の働きかけに、心ある学生たちが共感して始まったのが乙訓の障害児学童保育運動なのです。

長岡京市のわっしょいクラブ、向日市のガンバクラブ、大山崎町の友達の輪という3つの障害児学童保育運動が放デイが法制化されるまで30年程続きました。放デイに発展的解消をした乙訓の運動とは違い、長期休業中だけでなく毎日の放課後の活動にも取り組んでいたゆうやけはNPO法人に発展し、専従職員を擁したことから放デイに持続的に発展していきました。ホームページなどから感じられる雰囲気も実践も昭和のままの懐かしい感じがします。見に行きたいけど、ちょっと勇気がいります。
★京都シネマ 3月7日(土)~3/13(金) 11時55分〜

基地遊び その後

基地作りについては「基地 02/20」で紹介したところですが、戦力を増加してまだまだ続いています。最初はE君・O君二人で、崖の斜面に二つの小さな穴ぼこを見つけて「これはイケテル」ということになり、せっせと枝やら石やら集めてきていました。それを見ていたP君も、普段は共同作業などは言われたらやる程度の子どもですが、崖の上から通りかかるスタッフに「あそこに基地がある」といちいち教えてくれます。今ではQ君とRさんも加わって来る日も来る日も5人で築城に励んでいます。

そこへ、S君がやってきて「基地って穴ぼこ二つあいているだけやん」と、何が面白いのか分からないという風に眺めていました。でも、せっせと枝やら石を運んでいるみんなを見て少しうらやましくなってきたようで、ススキの枯れ草と小枝を持っていて「これ使ってくれ」と差し出したのです。棟梁役のE君が「はーぁ?これ何に使うんや?」と一蹴。S君は、取りつく島もない様子にすごすごとその場を離れました。

要するに築城メンバーは基地(山城)遊びのイメージを共有しているのです。今日は城門、明日は城壁と自分たちで共有し発展していくイメージを「穴ぼこ二つ」「小枝」「石ころ」「枯草」に見立てを重ねて楽しんでいるのです。S君が「これを騎馬の飼葉と厩舎の鍬に」と言えば仲間になれたのかもしれません。でも、相手の考えていることが読みにくいU君には、ただ周囲のモノを備蓄している風にしか見えなかったという事です。それにしても彼ら彼女らはいつまで続ける気なのでしょうか。面白いのでずっとウォッチングを続けることにします。

 

調理活動と食の記憶

発達障害の子どもは味の好き嫌いが激しく、家庭でも、食べてくれるならと同じものを作りがちになります。調理は放デイの定番プログラムですが、この子どもたちは作るけど食べないことが良くあります。筆者などは、味もわからず作るだけってどうよと思ってしまうのですが、慣れるとそんなものだと子どもは思っているみたいです。

昨日もN君が、焼きそばの名前が思い浮かばずに「黒いやつ(麺)のことか?」と言ったのには驚きました。子どもと言えばソース味、ソース味と言えば焼きそばたこ焼きお好み焼きと相場は決まっており、いずれも放デイの料理プログラム御三家です。年間、ソース系は月に2回以上は作りますから年間20回を越えます。日によって来る子は違っても、まんべんなく体験できるようにプログラムを組みますから、最低5回は経験しているはずです。しかし、「黒いやつ」と焼きそばの名前が出てきません。何回作っても食べないと名前は記憶にも残らないということが発覚しました。

家にいたらイライラする

3月から臨時休業といってもまだ3日しかたっていないのに、「イライラする~」と言って事業所にくる子もいます。M君などは先週インフルエンザで1週間も家にいにいて、やっと学校に行けると胸をなでおろしていたら、新型コロナウィル拡大防止の臨時休校です。まさに、踏んだり蹴ったりとはこのことです。「家にいてもママがいるからビデオゲームも自由にできないし、がみがみ言われるし、好きな本も学校の図書室に借りにいけないし、ストレスたまりすぎで病気になるわー」だそうです。

そういえば公立の図書館も感染防止策で軒並み臨時休業だそうです。びわ湖ホール開催の1億6千万の経費の掛かったオペラも無観客演奏。高校野球も無観客試合。ノーリスクを求め始めると転がる雪玉のように不安が不安を生み出します。M君の怒りには「おっしゃる通り、お察し申し上げます」と応えるしかありません。