すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

一緒に考えよう!

先日じゃんぷに来ているJ君と学校で発表する文章を考えました。

学年での行事の中で発表する係になったようです。しかしJ君は意欲はあるものの不安も強い様子です。「先生一緒に考えて~」とお願いをしてくれました。

学年全員の前で発表する文章なので,J君はとても緊張しています。「どんなことを話すか。」と中心のテーマを書き,それをマインドマップにして内容を整理していきました。文章が出来上がっていく内にJ君からもどんどんアイデアが出,「ここはこんな言い方したい。」「ここでこれを言いたい。」と前向きになっていく姿が見えました。

学校生活の中での不安は子どもによって様々です。中には「教室で発表すること,間違えることが不安」という子ももちろんいます。

学習に対しての不安,そして今回のような発表といった行事に対しての不安に対して向き合い,子どもが少しでも安心できるようなことがじゃんぷでも出来ればいいな,と感じています。

坊主めくりで大盛り上がり!!

先週のじゃんぷでは休憩時間,坊主めくりが盛り上がりました。「坊主めくりって何?」と聞く子も多く,そういった子は知っている子から教えてもらったりロールプレイをしながらルールを覚えてから遊びました。

じゃんぷでは低学年から高学年まで入り混じって遊ぶので,簡単なルールで遊んでいます。3年生のK君が「俺知ってるで!」と少し複雑なルールも教えてくれました。

「初めて遊ぶ子とか1年生の子もいるし簡単なルールでもいい?」と聞くと「全然いいで!」とあっさり承諾してくれました。同法人の「育ちの広場すてっぷ」でも,遊びの時はこういったコミュニケーションや交渉の練習の場面が出てきます。

下の画像に載せている通りのルールで遊びましたが,(というか筆者自身このルールしか知りません。)視覚的にわかりやすいということと,単純なルールなこともあり,どの年齢の子も盛り上がって遊びました。

普段学習を頑張っている子ども達が,ほっこりしながらも友達と遊んでいる姿が見れた場面でした。

読み支援のステップ

読み書きを苦手としている子どもを支援する時,少しずつステップを踏み,その子が苦手としている部分を細かく把握するようにしています。読み書きを苦手としている子どもでも,出来るところと出来ないところがあります。そこを把握し,効果的なトレーニングをするようにしています。

ひらがなが正確に読めなかったり,読み間違いがあったりする場合にはまず「正確に」読める練習が必要です。それも見て瞬時にわかることが必要です。(読み支援と語彙 : 05/13)でも書きましたが,「ねこ」を音のまとまりとして読めるのか,文字を拾って「ね」「こ」と読むのかということです。ただ,前回も書いたように読み書きが苦手な子どもの場合知っている語彙が少ないこともあります。その時は言葉と意味を絵とマッチングさせる等をして語彙の支援から入る必要があります。

文字をまとまりとして読めれば,「ねこ」という文字を見ると猫の姿や鳴き声が瞬時にイメージできるようになります。2文字の言葉が読めるようになったら3文字,4文字…と徐々に増やしていきます。

この後文章の読みに繋がっていきますが,まずひらがなを正確に読むことが最も重要です。ただ子どもはどうしても疲れが溜まります。疲れさせないようタイミングを見計らいながら支援に取り組んでいます。

(出典、引用:「ディスレクシア発達性読み書き障害トレーニング・ブック 著 平岩幹男 発行 合同出版 2018)

「いっしょゲームせん?」

 小学生のA君と中学生のB君は、休憩時間に話すことはほとんどありません。ですが共通の趣味がありました。それは「マイクラ」です。どこかで2人が関わり合える機会を作れないかな、と職員で話し合っていました。

 先日、A君とB君を含めた3人の子どもと職員で、黒ひげ危機一髪とジェンガをして遊びました。3人とも楽しく遊べていた様子で、振り返りでもそれぞれ「楽しかった。」と言っていました。そこで職員はこの機会を逃すまいと、A君に話しかけました。職員がA君に「もしB君からゲームしようって誘われたらどうする?」と聞くとA君は「してみたい。」と答えました。「じゃあA君がB君と一緒ゲームしたいと思った時に自分から誘えるように誘う練習してみようか?何っていう?」と職員が聞くと、A君は「B君、いっしょにゲームせん?」と職員に伝えました。職員は「上手に言えたね。したくなった時に、B君にそう言ってみたらいいと思うよ。」と返しました。

 

 すてっぷではいろいろな活動や設定遊びをしていますが、休憩時間にも子ども同士でコミュニケーションを取れる機会があります。コミュニケーションをとるのが苦手な子でもその機会を逃さないように、職員はいろいろと働きかけています。例えば、子どもたち同士をお互いに認識させることです。外でパスサッカーをする時はパス先の相手の名前を呼ぶルールを入れたり、振り返りをする時はどの友だちと一緒に活動したか名前を想起させたり、顔写真カードを用意しておいて話をすすめたりしています。

 また、「こうしたら上手くいく」という見通しを持たせています。今回のケースで言うと、A君とB君は同じゲームをして楽しんだ経験が出来ました。そこで休憩時間のマイクラでもお願いしたら一緒に遊べるかもしれない、と前向きに考えられるようにします。そして職員相手に事前に伝えることで見通しが持て、抵抗が少なくなったり自信が持てたりするようにシミュレーションをしてみました。

 

 「千里の道も一歩から。」A君とB君が一緒にゲームできる日はまだ遠いかもしれませんが、毎日の休憩時間にその機会があります。その機会を逃さないよう、自分でつかめるように、職員も働きかけていきます。

読み支援と語彙

じゃんぷに行っている読み支援の一つとして「単語を音のまとまりとして読むトレーニング」に取り組んでいる子がいます。

これは例えば「ねこ」を「ね」と「こ」ではなく,「ねこ」と音のまとまりで読む練習です。

一般的には「ねこ」という文字を見た時に「ねこ」という音のまとまりとして読み,ねこの姿を思い浮かべます。それは「ねこ」を知っているからですね。音のまとまりとして読むためにはその単語を知っている,つまり語彙に入っていることが必要になります。

読み書きが苦手な子どもは読むことに対して疲弊し,どんどん文章を読まなくなります。その分語彙が少なくなってしまうことが多くあります。そして音読等,学校での学習に苦手感を持つことがあります。

いきなり文章…ではなく,まずは単音,そして2文字,3文字とスモールステップで読みの練習をし,そして語彙の意味も教えるようにしています。語彙の意味を教える中にもステップがありますが,それはまた後日…

(出典、引用:「ディスレクシア発達性読み書き障害トレーニング・ブック 著 平岩幹男 発行 合同出版 2018)

物語文の読み支援

じゃんぷの個別指導の時間,国語の教科書の物語文の読み支援に取り組んでいます。

場面ごとのカードと,挿絵のカードに分け,文にあった挿絵をマッチングさせたり,その後に物語の順に並べる,といったことに取り組んでいます。

物語文を正確に読み取るには場面を読み取ることが大切です。場面とは

・時間の変化

・場所の変化

・人物の変化

上記の3つから見分けることが出来ます。そういった言葉に線を引いたり,パソコンで文字を太くしたり等,注目がしやすいように読みます。読むことが苦手な子もいるので場合によっては大人が読むこともあります。

物語文は話の流れを正確に読み取ることが必要です。子ども達が学校で「この話分かるよ!」と思いながら学習できるように支援をすることも大切にしています。もちろんすべての子どもに合う…というわけではありませんが,読み支援の一環として紹介をします。

「好き」と「苦手」のバランス

じゃんぷに来ている中学生のG君は書くことに対して強い苦手意識を持っています。読みができるので大人はあまり気づかないのですが,実は読みの速度も書く速度も遅かったりします。これを流暢性と言います。文字を音に変えたり,音を文字に変えたりする速度のことを言います。

彼は聴覚法に取り組んでおり,今はローマ字の聴覚法に挑戦しています。初めは五十音表の中からひらがなを探すことすら難しかった彼が今はパソコンで検索する時にローマ字入力を平然としています。(キーボードの位置をまだ覚えれていないので時間はかかっていますが大きな進歩です。)

動機となったのはやはり自分の興味です。自分の好きなことを調べるためにパソコンではキーボード入力をしないといけない。じゃんぷでは周りに宿題に取り組んでいる友達もいるので音声入力をするわけにはいかない。そのためローマ字入力を頑張って出来るようになりました。

書くことについても彼の好きな分野のクロスワードを提供しています。大人でも知らないような歴史の知識を持っている子です。積極的に取り組んでいます。しかしたくさんさせすぎると嫌気が差してくるかもしれません。「好き」と「苦手」のバランスは考えながら支援をしています。

漢字の組み立て

じゃんぷでは漢字の読み書き支援として,「遊び活用型読み書き支援プログラム」というものを使っています。

主に「漢字の組み立て」を使っています。学校では漢字の形から偏と旁(つくり),書き順等覚えることがたくさんあります。学年が上がるにつれて覚える漢字の量が増え,形も複雑になっていきます。

「漢字が書ける」ということは部分的に分けていくと,

 

・「形」がわかる。

・「読み方」がわかる。

・漢字の「意味」がわかる。

 

といったことに分けることができます。更に細かくすると書き順等も出てきます。つまり,様々な脳の機能を使って漢字を覚え,書くことが出来るようになります。

読み書きが苦手な子どもたちにとってそういったことに脳のエネルギーを多く使います。そこにドリルでの反復練習等,さらに力を使うことが出てくると脳がヘトヘトになってしまいます。

じゃんぷで使っているソフトでは,漢字を偏と旁(つくり)を中心に3~4個のパーツに分け,書き順に沿って組み立てていくものです。

これを使って大まかな書き順を知り,漢字と読みの一致の練習をしています。

これを使って「この漢字はもうわかるで!」「この漢字を書けるようになったで!」と話してくれる子どももいます。じゃんぷではスモールステップを踏んで,少しずつ子どもたちの学習支援を進めています。

ノートの変化

じゃんぷに通う子ども達も新学年になって1ヶ月が経ちました。少しずつ新しい環境に慣れてきた様子も伺えます。

先日個別学習の時間の中,3年生のF君が「ノートが書きにくい…」と話してくれました。上手く話せない様子でしたが,「なんだか書きにくい。」といった感じです。

3年生になると理科や社会等教科が増え,ノートは主に方眼罫5mm(10mm実線入)の物を使います。今まで使っていたノートと比べるとマス目が小さくなり,1ページの書く量も増えていきます。

書くことが苦手な子どもにとってはそういった変化は案外しんどいものです。これまで以上に「書くこと」にエネルギーを使ってしまうのです。

F君に「ノートのマス目小さくなったからかもね。」と言うと「あ,それやわ!」と納得したようでした。この時は文章を拡大したものを見ながら書く,という方法を使いました。

さて,GWが明けた月曜日です。新しい環境には慣れてきたかな?子どもたちの話が楽しみです。

わり算支援

じゃんぷでは3年生になった子どもたちにわり算の支援をしています。どの子も「算数はちょっと…」と苦手意識を持っていますが,一概に苦手なところが同じではありません。苦手な部分も子どもによって違います。

計算そのものが苦手な子,単純な計算は出来るけど文章題が苦手な子,図形が苦手な子…とそれぞれ違います。

個別学習の時間では宿題の文章題やわり算の計算の仕方について支援をしています。主に数図ブロックを使ったり図を作ったりして視覚的に子どもがわかるような教え方をしています。個別学習の時間,算数だけを取り組むわけではないので短い時間で子どもが自分で「出来た!」と思えるよう,ブロックの操作や図を使いながら支援をしています。また,「コグトレ」の「まとめる」プリント等を使い,数の処理についての支援にも取り組んでいます。(「コグトレ」についてはまた後日ブログで紹介しようと考えています。)

自立学習の時間は子どもが自分で取り組んでいます。その中でわからないところは質問をしたり九九表を見ながら逆算して取り組む子もいます。

算数が苦手な原因は子どもによって様々です。数的処理の把握が苦手だったり算数ではなく文章の読みが苦手で文章題が苦手だったり…それぞれの苦手に合わせて支援をするよう心掛けています。

山に行きたい!

 ある日のお迎え前の時間に、K君のお母さんから電話がありました。「K君が雷が怖いのですてっぷに行くのを渋っている。」というのです。確かに西のほうを見ると雲がかかっており、夕方からくもりの予報になっています。お母さんが本人に直接伝えさせたいとのことで、職員が電話でK君と話すことにしました。「K君、今日は公園でフリスビーして遊ぶ予定なんだけど来ない? 雷が怖いなら、室内遊びでもいいよ。」と職員が伝えると、意外な答えが返ってきました。

 「山に行きたい。」

 K君とは別グループの活動に山登りがあったので、「山登りに一緒に参加する?」と聞くと、K君は「うん。早くすてっぷに行きたくなってきた。」と答えました。

 その後、K君が来所してきました。来ることを渋っていたような様子は全く無く、ニコニコしていました。職員が「今日は頂上まで行く予定だよ。結構歩くけど大丈夫?」と聞くと、「頂上まで行くと何があるの?」との質問。「頂上から見える景色はきれいだよ。」と伝えると、「そうなんだ。見たい!」と言って、わくわくしている様子でした。山登りに行くと、天気予報の予想よりも早く雲が広がってきて雨も降ってきました。頂上までは行くことができませんでしたが、友達や職員といっしょに楽しそうに下山。その日の振り返りでは、「楽しかった。」と満足している様子でした。

 活動をするにあたって、見通しを持たせることや決まったルーティンがあると、子ども自身が抵抗なく参加できたり不安を解消できると筆者は考えています。いつもなら来所してから個人スケジュールやホワイトボードで視覚的に見通しを持ってもらっていますが、今回は来所前のこと。雷が苦手なK君は西の空の雲を見て、足取りも重かったのでしょう。「すてっぷでは、今日何をするんだろう?」という気持ちも重なって、不安だったと思います。今回は電話で職員とコミュニケーションが取れ、気持ちを受け止めてもらい、見通しを持てたことで来所することが出来ました。

 すてっぷでは、本人の思いや希望を受け止めてやり取りすることで、納得して前向きに活動に向かえるようにしたいと思っています。山登りに行きたい気持ちを受け止めてもらうことでKくんの心が晴れたようで、「今度は頂上まで行く!」と職員に伝えて笑顔で帰路につきました。

 

思いやり

新リーダー(2022/5/2)で紹介したG君率いる小学生メンバーで、ある日の午前にローラー滑り台がある公園に遊びに行きました。お尻に敷く用の段ボールをすてっぷから持参し、「よし、みんなで滑り台に滑ろう」となった時のことです。Jくんが自分の段ボールを見て呟きました。「俺が敷くには小さいかもしれん。」それを聞いたG君がすぐさまこう言いました。「じゃあ、俺のと変えよう。俺の方が大きいと思う」職員の目から見るとどちらの段ボールも変わらないように見えたのですが、J君はG君から言われたことで安心したようで「ありがとう」と言って、その後、笑顔いっぱいで滑っていました。

その日の午後、別の公園に遊びに行く時間になりました。どうもJ君の様子が不安定です。泣きだしそうででイライラしてるのが一目でわかります。先に公園行きの準備に来たG君にどうしたのかと聞くと、休憩時間にみんなでやっていたゲームで負け続きだったそうです。J君は少し時間を置いて、気持ちが落ち着いてから公園に行く車に乗車させました。車内でG君がまだ不安定さが残るJ君に「飴食べる?食べると気持ちがすっきりすんねん」と飴を差し出しました。飴を食べたJ君は気持ちが落ち着いたようで公園に到着した時にはいつものJ君になっていました。「飴を食べるとすっきりするで」と伝えたG君。落ち込んでいるJ君を思いやってくれた気持ちに、それを聞いた職員みんながすっきりした思いになりました。

新リーダー

去年まですてっぷの小学生メンバーをひっぱってくれた上級生たちがそろって卒業し、今年は新5年生のG君が小学生メンバーの最上級生になりました。

上級生たちがいなくなった新年度のある朝、G君が事業所の外で顔を伏せて座り込んでいました。G君の好きなH先生がじゃんぷに異動になり、すてっぷには来ないことを、その日初めて知ったのです。たまたまG君を見つけた職員から「どうしたの?」と聞かれ、G君は涙ながら答えました。

「H先生がいなくなって悲しかった。(H先生のいる)じゃんぷに行きたい。でもすてっぷにはI君(G君と同じ小学校の年下の友だち)を誘ってきたから、じゃんぷに行けない」

その場はひとまず職員が気持ちを受け止め、公園への先発組から離れて落ち着いてから、後発組と一緒に公園に行き、遊んで集団に戻っていきました。以前は泣くほどショックな状況だと支離滅裂な説明になってしまっていたあのG君が…、と理路整然と説明できたことに驚きつつもすごいですねと職員が報告していると、別の報告が。

 実はその後、公園でひと悶着あったようで、G君は他の職員に、「I君とはもう遊ばない!じゃんぷに行く!」と話したそうです。なんでも、年下のI君が、年上のG君にお兄さん風を吹かせてしゃべるのが苦手だそうで。「親の心、子知らず」ならぬ「兄の心、弟知らず」。G君はこれから、どんなリーダー像を見せてくれるのでしょうか。楽しみです。

学習意欲の引き出し

じゃんぷに来ているF君は昆虫が大好きです。「今日アゲハ蝶いたで!」「学校で大きいミミズ見つけてん!」と報告してくれます。「じゃんぷの近くの木に樹液あったで!あれに虫が寄ってくるねんな~」と虫に関連したことも嬉しそうに話してくれます。

学習に関してはやはり苦手意識を持っているようで,特に漢字の宿題は「書くの嫌やな…」と言いながら取り組む姿があります。

先日個別学習の中で学校での勉強以外に「虫・昆虫の漢字」を見せました。F君は興味津々になって「これ蝶(ちょう)やろ!知ってるで!」「蜘蛛(くも)も読めるで!」とどんどん話してくれました。もちろん読めないものもありますが,「黄金虫は『コガネムシ』って読むんか,なんで?」「『コガネ』だからじゃない?」「なるほど~」と言いながら読んでいました。

「書けるかな?難しいかな…」と言いながらも漢字に対して興味を持った姿を見せてくれました。

じゃんぷ近くの樹液が出ている木です。

疲れの出方

じゃんぷに来ているC君,E君が休憩時間中,テンションが上がってはしゃいでいます。

普段からそういった面がある子どもですが,一段とテンションが上がってしまい,周りからの声が入らない様子です。仕切りを作り,別々に片付けの役割を与えてなんとか落ち着きを取り戻しました。

落ち着いてから「どうしたの?」とC君に聞くと「友達と一緒にいたらテンション上がっちゃうねん…」と話してくれました。個別学習の時間は「おはなし」の時間を作り,息抜きをしつつも学習の時は集中して課題をこなしている子です。そうなってしまう自分のことも少しは分かっているようなので,個別の時間は落ち着けていることを褒めつつ,「どうしたらいいかな?」と一緒に考えていこうと思っています。

また,E君は帰り際にボソッと「先生,俺疲れてるかも…」と言ってくれました。帰り際だったためあまり深くは話せていないのですが,「そうなんや,言ってくれてありがとう」と伝えました。

新学期が始まって1ヶ月が経とうとしています。以前,疲れた… ( : 04/21)で書きましたが子どもの疲れが様々な形で出てきているようですね。GWでリラックスしておいで~

対称な図形

先日じゃんぷに来ているD君と6年生の算数「対称な図形」の問題に取り組みました。

「対称な図形」の詳細は省きますが,線対称,点対称の図形を調べたり対応する角,頂点,辺を見つける単元です。「対称な図形」に限らず,図形は学習内容が定着しにくい単元です。単純な計算とは全く違うことと,コンパスや三角定規を使った作図の問題があるため,一つ一つの問題に時間がかかります。そのため計算問題よりもこなす問題量が少なくなってしまい,定着に時間がかかる子どもが多いです。

D君も線対称,点対称の意味はわかっていますが,いざ問題となると頭の中で図形を折ったり回転させたりするので一度混乱すると頭がいっぱいになってしまいます。

一回最初に戻り,アルファベットをシートにしたものを渡して線対称,点対称の振り返りをしました。すると一旦冷静になれたからか,その後の問題はスラスラと解いています。

どの教科でもですが,自分で操作して学習することは大事だと考えました。筆者自身教員時代,教科は違いますが理科の研修を受けた時に「実感を伴った理解が子どもにとって大切」と教えてもらったことがあります。小学校学習指導要領解説 理科編にも載っていることですが,改めて思い出した瞬間でした。

新出漢字の読み支援

じゃんぷに来ている子どもの中には国語の教科書の内容を使って,新出漢字の読みに取り組んでいる子どもがいます。

学校の授業では新出漢字を教えますが,漢字ドリルを中心に漢字の読み,熟語,書き順,練習といった順番で指導するのが一般的です。

読むことに苦手意識を持っている子にとっては新しい漢字の読みを覚えるだけで力を使い果たし,その後の書き順や練習はついていくのでいっぱいいっぱいになります。更に書くことに苦手意識を持っていると書き練習にまで頭が回らなくなってしまいます。

なのでじゃんぷの個別学習の時間で新出漢字を単元ごとに分け,フラッシュカード風にしたものを使っています。子どもによりますが,絵をつけたり解説する時間も取っています。子どもが教科書を読んだ時に「読める,意味が分かる」と思えるように学習をしています。

めざせ読み名人!!

じゃんぷでは読み指導の一環として「MIM(ミム)」を用いた指導に取り組んでいます。MIMについての詳細は省きますが,興味のある方は調べてみてください。

文字を読むことが苦手な子にとって,長音,拗音,促音が入る言葉はひらがなで習った読み方とは違う読み方をしたり,或いは読まなかったり等更にややこしいことになります。

特殊音節の読み方が定着しないまま学習が進むとことばの書きにも影響が出てしまいます。子どもはますます自信をなくし,読み書きが嫌いになってしまいます。

ただ読むだけではなく,言葉を読むときに手を叩きながら読む,という練習をしています。「清音,濁音,半濁音は手を叩く,促音は手をグーに握る,長音は合わせた手を下に伸ばす,拗音は手をねじって叩く」といった規則を作り,一文字ずつ読んでいく練習をしています。その練習が重なったら「①かけこ ②かけっこ ③かっけこ」と書かれたカードを見せ,正しい読み方の番号を言ってから読む,という練習もしています。

じゃんぷに来ている子どもの中には「これ楽勝や!先生聞いててな!」と自信満々に取り組みを始める子もいます。もちろん向き不向きはありますが,読み指導の一つとして紹介をします。

疲れた…

じゃんぷに来た子どもたちの顔つきが少し疲れている様子でした。新年度になって,6時間授業が始まったこともあるのでしょう。その中でも疲れやすいB君ですが,個別学習の時間は張り切って勉強をしています。カタカナ書きの練習は普段ハ行までですが,「今日はマ行まで書く!」と言って頑張って取り組みました。

しかしそれで力を使ってしまったのか,自立の時間のスケジュール(宿題)を見るとどんどん顔が暗くなっていきます。漢字の宿題はなんとか頑張りましたが,計算ドリルの宿題は「もうできないよ…」と言って床に寝そべってしまいます。計算ドリルの宿題は逆算(5×□=20 □の数字を求める)の問題が20問で,単純な九九から少し考えないといけない問題でした。普段のB君なら一人で取り組める問題ですが,疲れている状態なので見ただけで嫌気が差したのでしょう。

「〇分まで休憩する。」「〇時になったら始める。」という約束で休憩し,宿題に取り組みました。

子どもの辟易性(うんざりする,嫌気が差す)を軽んじず,その子の状態に合わせて支援をしています。この日は「問題は先生書くし,答えだけ書いたらいいよ。」としました。最後に「出来たね!」と声をかけるととても良い笑顔を見せてくれました。

お話がしたい!

じゃんぷに来ている3年生のA君は個別学習の時間,初めに「A君の話したいことを話す。」という時間を設けています。

A君は「暗黙の了解」のような目に見えないルールを感じ取ることが難しく,喋りたいことが思いつくとどんな状況であろうと話を始めてしまいます。

なのでA君は「ちょっと話したいことがあります。」と言う練習と,スケジュールの中に「A君のおはなしタイム」というものを作っています。お話をすることと,切り替える時間を視覚的に示して個別学習の時間に取り組んでいます。

決められた時間お話をし,スケジュールを示しながら「じゃ,勉強しよっか!」と指示されると,「わかった!」と言って黙々と学習に入ります。その時に「よく出来たやん!終わったらまた話聞かせてな。」と褒めています。時々「先生、あのな~」と話し始めることもありますがスケジュールを見せて「また話せる時間あるからね。」と示すと「そうだった!」と学習に戻ることが出来ています。

本人がわかるスケジュールを示すことと,それが出来た時に褒めることは学習の場面でも活用できます。先日A君は工作の話をしてくれました。次はどんな話が聞けるのかな?