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スペシャルズ!

映画は“世界の見方”を変えられる。「最強のふたり」監督コンビの最新作「スペシャルズ!」

2020.09.11【朝日新聞デジタル】

大ヒット作「最強のふたり」を生んだ、フランスの2人組監督エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュの最新作「スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~」が公開中だ。長~い副題が示す通り、フランスに実在するケア施設の奮闘を臨場感たっぷりに描いたヒューマンドラマ。四半世紀かけて実現にこぎつけた作品への思いを、トレダノ監督に聞いた。(文・深津純子)

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自閉症の子供たちのケア施設を手弁当で運営するブリュノは、助けを求められるとノーと言えない男。受け入れ先が見つからない重度の子供たちを次々と預かり、日夜その対応に奔走する。外出先で介助者を振り切って駆け出す少女、駅の非常ベルを鳴らして電車を止めてしまう青年……相次ぐ非常事態も、彼にとっては日常の一部だ。

そんなブリュノの頼れる相棒が、ドロップアウトした若者の自立を支援するマリク。施設は若者たちの職業訓練の場にもなっている。社会からはじき出された若い世代を一手に救おうとする2人だが、無認可で赤字経営、しかもスタッフの多くが無資格ということで、監査局から厳しい査察を受けることになる。

駆け出し時代の運命的な出会い
息つく間もない施設の日常に圧倒されるうち、いつしか緊密な人間関係に引き込まれていく。モデルになった2人の福祉活動家と監督たちが初めて出会ったのは、まだ学生だった1990年代半ば。献身的な活動に共鳴し、資金集めのためのPR映像作りを引き受け、監督デビュー後にはテレビのドキュメンタリー番組も制作した。

「でも、僕らが本当にやりたかったのは彼らをフィクションで描くこと。2人の立場になって人々と寄り添い、そこから見える世界をじっくり考えたいと思っていました」とトレダノ監督は語る。

「私自身もいとこが自閉症なので、支える家族の苦労はよく知っているつもりです。だから、関係する人々の人生に映画でオマージュを捧げたかった。とはいえ、深刻な題材だけに、ひるむところもありました。映画はコミュニケーションの言語ですが、駆け出し時代の我々は語彙(ごい)も文法もまだ不十分。試行錯誤しながら足りない部分を補い、やっとできると思えるまで20年以上かかったというわけです」

脚本完成の1年前に出演交渉
ブリュノを演じるのはハリウッドでも活躍するスター俳優ヴァンサン・カッセル。クールでゴージャスなイメージから一転、情に厚いが女性とは縁の薄いブリュノの悪戦苦闘を見事に演じ、新境地を開いた。

マリクに扮したのは、「涙するまで、生きる」や「永遠のジャンゴ」で知られるレダ・カテブ。ともにフランスのアカデミー賞にあたるセザール賞の受賞歴もある名優コンビと、自閉症の当事者や本物の介助者ら素人キャストが織り成すアンサンブルもこの作品の大きな見どころだ。

「先週まで別の作品に出ていた俳優が、いきなり現場に来て演じられる役ではありません。自閉症の子供たちや介助の人々と実際に触れ合い、学んでもらうことが不可欠。なので、ヴァンサンとレダには脚本完成の1年前に、実際に施設を見学してもらった上で出演交渉しました。『脚本はこれからなんだけど……』と切り出すと、異口同音に『脚本なんか無くてもいいよ。一緒にやろう』。その後も何度も施設に通って、本当に熱心に準備してくれた。レダはアフリカの施設まで足を運んでくれました。そんな人たちが演じてくれたからこそ、真実味が出たのだと思います」

コミュニケーションが困難な現実だからこそ
ブリュノは野球帽の下にキッパという小さな帽子を被ったユダヤ教徒。一方のマリクは敬虔(けいけん)なイスラム教徒。文化や宗教、立場の違いを超えた信頼や連帯の力は、この監督コンビが過去作でも繰り返し描いてきたモチーフだ。

「フランスには様々な宗教や文化的背景の人々がともに暮らしています。経済格差もあるし、社会からはみ出てしまう人もいる。健常者同士でもうまく意思疎通できないのが現実です。だからこそ、コミュニケーションに困難を抱える自閉症の人々と、様々な困難を抱えた健常者が力を合わせて前に進もうとする姿を描きたかった。そこから学ぶことがきっとあると思うのです」

「マクロン大統領がエリゼ宮(大統領官邸)で上映会を開き、施設への支援を呼び掛けてくれたことも、自閉症の人々が抱える問題を広く知ってもらういい機会になりました。当事者の家族から『今までは閉ざされた世界で孤立していると思っていたが、この映画で救われた』などの反響をいただいたのもうれしかった。私たちは世界を変えることはできないけれど、世界の見方を変えることはできると信じています」

「スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~」
出演:ヴァンサン・カッセル、レダ・カテブ
監督・脚本:エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ

9月11日から、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
配給:ギャガ
公式サイト

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エリック・トレダノ
1971年パリ生まれ。共同監督のオリヴィエ・ナカシュとは、95年に短編映画の監督・脚本を共同で手掛けて以来、コンビを組んで活動する。2005年に長編劇映画デビューし、11年の「最強のふたり」で東京国際映画祭グランプリを受賞。無職の黒人青年と障害がある白人富豪の友情を描いた同作はフランスで歴代観客動員数3位を記録し、日本でも大ヒット、19年にはハリウッドでもリメイクされた。主な作品に国外退去を命じられたアフリカ系移民と白人女性の連帯を描く「サンバ」(2014年)、引退目前のウェディング・プランナーの最後の仕事を追った「セラヴィ!」(18年)などがある。

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昨日から映画ネタですが、これはメジャーな監督と俳優で作った自閉症映画です。とはいいつつも、京都のTOHOシネマズではやらず小規模劇場の京都シネマで上映しているので、そんなに収入は見込んでいないのかもしれません。ハリウッド発の自閉症映画というと、レインマンを筆頭にアイアムサム、フォレストガンプやマーキュリー・ライジング、最近だとリチャード・ジュエルとたくさんあります。韓国映画ではマラソン、中国映画では海洋天堂、邦画ならぼくはうみがみたくなりました・山田洋二の学校3等です。フランスはフロイトの精神分析が主流だったので自閉症の理解がうまくいかず、2次障害としての行動障害が昔は少なくなかったそうです。このドキュメンタリー風映画は、私たちが自閉症の人に初めて接したときの「あるある」がたくさん描かれているといいます。

 

 

とても敏感な子ども(HSC:Highly Sensitive Child)

すららネット「子どもの発達支援室」主催<不登校生徒の出席扱い><HSCの子の関わり方講座>を9月9日にWEB開催
220名の参加者のお悩みに回答

【株式会社 すららネット】2020年9月11日 10時00分

株式会社すららネット(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:湯野川孝彦)は、9月9日に<不登校生徒の出席扱い><HSC*の子のかかわり方講座>をWEB会議システムにて開催しました。小中学生のお子様を持つ保護者約約220名へ、説明と質疑応答を行いました。

すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念とし、アダプティブな対話式 ICT 教材「すらら」と「すららドリル」を、国内では 約 1,400 校の塾、学校等に提供しています。全国の有名私立中高、大手塾での活用が広がる一方で、発達障がいや学習障がい、不登校、経済的困窮世帯を含む生徒に学習の機会を提供するなど日本の教育課題の解決を図ることで成長を続け代表的な EdTech スタートアップ企業として2017年に東証マザーズに上場しました。

AI×アダプティブラーニング教材「すらら」は小学校から高校までの国語、算数/数学、英語、理科、社会 5教科の学習を、先生役のアニメーションキャラクターと一緒に、一人一人の理解度に合わせて進めることができるアダプティブな eラーニング教材です。レクチャー機能、ドリル機能、テスト機能により、一人一人の習熟度に応じて理解→定着→活用のサイクルを繰り返し、学習内容の定着をワンストップで実現できます。初めて学習する分野でも一人で学習を進めることができる特長を生かし、小・中・高校、学習塾をはじめ、放課後等デイサービス等においても活用が広がっています。

すららネット 子どもの発達支援室では、主に家庭学習で「すらら」を活用しているお子さまとその保護者を対象に、日々学習サポートを行っています。子どもの発達支援室宛には毎日、家庭学習における親子の関わりに関する問い合わせが寄せられています。学力を上げる方法は「すらら」で解決できるものの、勉強に気持ちを向かせる方法は心理面から紐解く必要性を感じ、すららネットでは2018年より、社内臨床心理士を中心とし「子どもの気持ち」へ目を向けることに力を入れています。 2019年は親子の関わり方について行動分析学、教育学、認知行動療法を中心とした保護者向けサービスやイベントを開催し約1,000名の保護者が参加しました。今年は新型コロナウイルス感染拡大による休校や、休校の影響による授業の遅れを取り戻すための夏休みの短縮など、子どもたちを取り巻く状況が例年と大きく異なる中、すららネットには保護者からの悩みが多数寄せられています。

第一部では、子どもの発達支援室長佐々木から、不登校生徒の出席扱いについて紹介しました。文部科学省が公表している「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導揚力上の出欠の取扱いについて」通達の説明や、出席扱いを認めれた児童生徒数の推移、出席扱いになる7つの要点、具体的なアクションや流れについて説明し、事前に寄せられた質問への回答を行いました。平成30年度文部科学省調査によると、全国に約16万人いる不登校児童・生徒のうち、出席扱いを認められた児童・生徒は年間286人であり、出席扱いの制度は認知も活用も依然高いとは言えません。通っている学校とのコミュニケーションが必要であること、担任の先生が制度について知らない場合でも、まずは相談することが重要であると伝えました。

第二部では臨床心理士 道地より、HSCの子とのかかわり方について事例を交え紹介しました。HSCならびに不安症のチェックリストについて、HSCであることをきっかけとして不安症の症状が出た子どもの事例、HSCや不安症に対する保護者や子ども本人の正しい認識・理解の重要性、認知行動療法の知見に基づく思春期の子どもとのかかわり方について紹介し、事前に寄せられた質問への回答を行いました。保護者から寄せられた悩みは多岐にわたり、ほめ方、不登校の子どもへの介入の仕方、カウンセリング専門機関の選び方、他者とのかかわり、睡眠について、勉強について、やる気や集中力について、漢字の読み書きが苦手な場合のアプローチ、ゲームとのかかわり方等について回答しました。大切なのは、学ぶ楽しさを知れるかどうかであるということ、学校での学びにとらわれず子ども自身に合った学習方法を見つけることだと強調し締めくくりました。

参加した保護者からは「現在の状況では、不登校への対応のニーズが増えていると思います。学校側の理解も進めてもらえるように、学校にかけ合ってみようと思います。」「この講座に参加して、同じような悩みを持っている方が沢山いて色々な話しが聞けて良かったです。先生からのアドバイスやHSCについて聞けて参考になりました。」「不登校になり学業に関して悩むことが多く、また心のケアについても何か行っていけないかと気になっていました。我が家の項目が当てはまるかどうかと思いつつ参加しましたが、全体を通して気づかされることも多く、参加してよかったと思います。非常に有意義な時間を過ごすことができました。開催いただきありがとうございました。」といった感想が寄せられました。

すららネットは今後も、新しい学習体験を届ける事業活動と同時に「子どもの気持ち」へ目を向ける活動に引き続き注力し、子どもと保護者双方に向けたサポートを続けていきます。

*HSC:とても敏感な子ども(Highly Sensitive Child)
 HSP:大人の場合の呼称

■イベント概要
テーマ: <不登校生徒の出席扱い><HSCの子の関わり方講座>
日時:9月9日(水)19:00~21:00
対象:「すらら」で学習中または「すらら」学習を検討いただいた小中学生のお子さまを持つ保護者

講座内容:
<不登校生徒の出席扱い>
・出席扱いを満たす3つのポイント、出席カウントの要件、具体的なアクション
<HSCの子のかかわり方講座>
・HSCと不安症について、思春期の子どもとのかかわり方、学習方法の見つけ方

講師:
すららネット 子どもの発達支援室 室長 佐々木章太
すららネット 子どもの発達支援室 臨床心理士 道地真喜

■スピーカープロフィール
すららネット 子どもの発達支援室室長 佐々木章太

グロービス経営大学院 経営学修士
「すらら」家庭学習部門 事業責任者
家庭学習の保護者サポーター「すららコーチ」統括マネージャー
すらら総合窓口として毎年500名以上の保護者から相談を受ける。
放課後等デイサービス(1)の学習支援、自身も生徒指導を行う。
ペアレントトレーニング講師。KABC-Ⅱ検査官。
子どもの発達科学研究所 学びの発達アテンダントアドバンスコース受講終了。KABC-Ⅱアドバンスト講習会受講修了。

すららネット 子どもの発達支援室 臨床心理士 道地真喜

San Diego State University(アメリカ・カリフォルニア州)教育学修士
Allliant International School(アメリカ・カリフォルニア州)心理学博士
カリフォルニア州臨床心理士免許
カリフォルニア州での臨床経験約10年
ASD(2)のお子様向けのABAセラピー(3)、3歳から18歳を対象とした心理検査、認知行動療法、プレイセラピー、大人の鬱、不安症のカウンセリングを主に実施。アメリカでの臨床経験を活かし、(株)すららネットにて発達障がい児への心理検査、カウンセリング、保護者向けのペアトレーニングなどに従事。

(1)障がいのある就学児向けの学童保育サービス。
(2)自閉症スペクトラム・アスペルガーといった発達障がいの一種。
(3)応用行動分析学(ABA)を用いたセラピー。障がい児療育方法の一種

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HSCやHSPは発達障害や不安障害の特徴との類似します。例えば、すぐに驚く▽チクチクする布地の服を嫌がる▽興奮した経験の後なかなか寝付けない▽細かいことに気づく▽うるさい場所を嫌がる――などです。発達障害の一つである自閉スペクトラム症はこだわりが強く、感覚過敏がある人もいます。「空気が読めない」と言われがちですが、他者の気持ちが分かる人もいます。HSCの子どもの中には、知的水準が高く、軽い(発達障害の)自閉傾向がある子どもも含んでいるようです。

また、親に不安が強いと、子どもも敏感になりやすいです。母親が「頭痛いんじゃない? 大丈夫?」と何度も聞くと、子どもは頭痛がなくても親に気に入られようと「痛い」と答え、本当に頭が痛くなることもあります。HSCの概念に当てはまる子どもの話を聞くと子どもよりも母親へのアプローチが必要なこともあります。

何故このようなあいまいなカテゴリーが作り出されたか考えると、発達障害の診断技術が未熟であることを示しているようにも思います。ASDの診断条件に全てはあてはまらないグレーゾーンの人をHSCと呼ぶのかもしれません。定まった診断基準がない中では、かえって子どもの理解を混乱させないか懸念されます。

ただ、あいまいさがあっても、本人や親が訴えている過敏さについて良く耳を傾けて、しっかり受け止めていくことで、発達障害やその他の問題を明らかにするきっかけになる場合もあります。新しいカテゴリーの流行はいつの時代にもありますが、科学の進歩と共に淘汰されていきます。大事なことは子どもの困り感を正しく理解することだと思います。

 

ロービジョンフットサル

弱視の子にもサッカーをロービジョンフットサル、ソルアが出前授業「可能性信じ、楽しさ伝えたい」/東京

毎日新聞2020年9月22日地方版

視覚障害のある子にもサッカーを楽しんでほしい――。ロービジョンフットサルのチーム「CASOLUA(ソルア)」(葛飾区)は毎年、都立葛飾盲学校で出前授業をするなどしてサッカーの楽しさを伝えている。【五十嵐朋子】

ロービジョンフットサルは、弱視の選手4人と弱視または視覚障害のないゴールキーパーでプレーする。パラリンピック競技のブラインドサッカーでは、アイマスクを着けて戦い、音の鳴るボールを使うが、ロービジョンフットサルは自分の視力でプレーし、ルールは健常者のフットサルとほぼ同じ。選手たちは視力や見え方の特徴を伝え合いポジションや戦略を決める。

ソルアを立ち上げた岩田朋之さん(34)は26歳の時、視神経の病気「レーベル病」で視力が急激に低下した。その後、視覚や聴覚に障害のある学生に特化した筑波技術大に進学し、ロービジョンフットサルを始めた。2015年に日本代表に選ばれ、主将も務めた。

茨城県のクラブチームに所属していたが、18年にソルアを作った。きっかけは葛飾盲学校へオリンピック・パラリンピック関連の出前授業に行った時に、先天的な障害で盲学校に通う子どもたちはサッカーの経験がほとんどないのを知ったことだ。接触プレーのあるサッカーは危険と判断されていたためだ。「視覚障害者サッカーの裾野を広げるためにも子どもたちに競技の魅力を知ってほしい」。社会人フットサルチーム指導者の古川将士さん(現ソルア監督)と出会った縁もあり、チームを立ち上げた。

葛飾盲学校での出前授業は毎年1回。ボールを持って歩くことから始め、徐々にサッカーに近い動きを取り入れていく。「子どもたちの可能性を信じて、工夫しながら楽しさを伝えたい」(岩田さん)。ソルアが別の学校で開いた体験会をきっかけにチームに入った高校生もいるという。

現在、選手10人、スタッフ4人。篠瀬翔平さん(24)は「この競技を知らずにブラインドサッカーを始める弱視の人もいるが、この競技は見える状態を生かしてプレーできる」と魅力を話す。大平英一郎さん(32)は「同じ弱視の人と出会えた。世界大会もあり、チャレンジできる環境がある」と手応えを語った。チームは昨年の日本選手権で2位と実績も重ねている。

作文コン作品募集
ソルアは、視覚障害のある小中学生を対象にした作文コンクールの作品を募集している。新型コロナウイルスの影響で普及活動に影響が出たため、代わりとなる企画を考えた。テーマは「この夏、私が挑戦したこと」。点字か活字で書く。入選者はオンラインで表彰する。10月31日締め切り。詳しくはソルアのホームページ(http://casolua.com/2020/07/26/summer?step?challenge/)または電話(048・982・7177)。

〔都内版〕

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昨日は、事業所でボーリングに行きました。ボーリング場は早い時期からガーターレスといって溝にボルーが落ちない仕組みが子ども用に作られています。ルールが難しければ難しくないようにして万人が楽しめるスポーツにすることがユニバーサルスポーツの観点です。

もう一つは、パラリンピックのように、障害の程度によって公平に試合ができるように対戦メンバーを均質にする方法があります。ルールはそのままなのでそのゲームの醍醐味が楽しめるというわけです。

そうはいっても、昨日のボーリングゲームでは、初めて参加した子が他の子に比べれば成績が振るわず「二度とやらない」とへそを曲げていましたが、練習をしてだんだん上手になっていく自分に自信が持てるようにするにも、スポーツは万人に取り組めるようにする工夫が必要だと思います。

障害者差別解消に証明のデジタル化を

障害者差別解消条例10月施行横藤田教授に聞く

2020年9月23日 10時00分【朝日新聞デジタル】

障害を理由とした差別のないまちに――。そんな理念を掲げ、市の相談体制なども定めた広島市障害者差別解消条例が10月1日、施行される。条例案を検討した協議会で会長を務めた、障害当事者の横藤田誠・広島大大学院教授に条例の意義について尋ねた。(宮崎園子)

障害を理由とした差別を禁じ、できる限りの配慮を国や自治体に義務づけた「障害者差別解消法」の施行から4年。その実効性を高めようと、広島市は今年3月、条例を制定した。

条例を機に、障害者自身の意識が変わることも必要だと思います。というのも生まれてからずっと差別されてきて、差別を特別におかしいと思わない障害者もいる。私は生まれつきの障害者ではないけど、できないことから始まっているから「できない」ことについて周りの健康な人が思うほど大変じゃないんです。

だから、障害者差別を禁止し、障害者の社会参加を権利として認めた米国の法律(ADA法、1990年制定)で「合理的配慮」の考えを知ったとき、びっくりしました。「これって差別なん?おれ、毎日こんな感じじゃん」と。

合理的配慮とは、社会のバリアーを取り除くために何らかの対応が必要と障害者が表明した場合、過度な負担にならない範囲で対応すること。障害者差別解消法は国や自治体に合理的配慮を義務づけたが、事業者に対しては努力目標とした。

私が本屋に行き、好きなミステリー小説が2階にあるとき、階段に物が置いてあって手すりをつかめず、上がれない。こんなとき、「障害者のことを考えていない」と腹が立つわけじゃなく、「ああ上がれんのう」って何も買わずに帰る。でも、商品を持って下りてくれたら絶対に買う。だから、合理的配慮はウィンウィンなんです。今まで客じゃなかった人が客になるわけだから。

差別解消法には、今は大して影響がなくても、長期的には日本の障害者施策を変える大きな意味がある。社会に障害者の平等・差別というものの新しい概念を訴える、それ自体に意味がある。

2016年の法施行を受け、広島市は協議会を設置。相談事例を共有するなどして、市条例案の骨格を議論した。横藤田さんは、協議会の会長を務めた。

初めて協議会に参加したとき、障害者がほぼいないことに驚きました。市は何回も障害者団体と意見交換の機会を持ち、委員の皆さんも障害者の立場を踏まえて議論してくれましたが、今後はもっと当事者の参加する場で行われることを期待します。

相談や紛争処理についてはある程度、専門家や障害当事者が入り、市の対応が問題になった場合でも忖度(そんたく)せずにちゃんとできる体制かどうかが重要。条例施行時にある程度しっかりした体制を用意し、市民や当事者の声を踏まえてよりよく改善されることを望みます。

10月施行の条例は、付則で「社会環境の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」と定める。

残念ながら世の中から差別はなくならない。でも差別することが恥ずかしい社会にはできる。一定数以上の人が、差別に反対するとか違和感を持つような社会が僕の目標。一歩でも前進したらいいと思います。

車いすユーザーはわかりやすくて世間の人が気づきやすいけど、精神障害者に対して何が合理的配慮か、具体的なことは分かりません。それは本人に聞く必要があります。その辺の違いを無視してはいけません。

障害がある人、ない人、いろんな事情を抱えた人がいる。それが多様性だと少しでも思いを致すきっかけになればと思います。

よこふじた・まこと1956年、福山市生まれ。生後7カ月でポリオ(小児まひ)となり、両足に障害がある。中学まで養護学校(現在の特別支援学校)で学び、県立府中高、広島大を卒業。広島国際大学医療福祉学部教授を経て2006年に広島大へ。広大大学院人間社会科学研究科教授。

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差別を解消してほしいと思うのは、障害者手帳です。顔写真と氏名年齢住所の表記と、ICチップに公共交通割引やら受給者証やらと紐づけてくれたら、様々な手続きで後ろの人を待たせたり長々と時間をかけなくてすみます。

障害があるのにあれこれ書かされて証明させられる時、障害を強く感じさせられ、人とは違うと感じさせらるときだと言う人は少なくありません。この手続きはデジタル社会には必要のないものです。

障害者手帳など廃止して、マイナンバーカードに障害者証明や受給証明、税控除証明などをデジタルで紐づけてくれたら、さっさと手続きは終わります。そして、マイナンバーカードは誰もが所持するカードですから、年齢証明から所得証明まで使えて、障害だけを証明するカードではなくなります。様々なゲートを通る時、障害証明のための渋滞はおこらなくなります。

多様性を認める社会とは人との違いを際立たせることではありません。誰もが公平な社会です。障害があることを証明するために、健常者より待たされて当たり前の社会ではもうないはずです。平井卓也デジタル改革担当大臣!よろしくお願いします。

発達障害に優しい日用品

ノートやTシャツ、発達障害に優しい日用品登場
2020/9/25 10:51【日本経済新聞電子版】

白地を避けて装飾を排したノート、着替えが苦手な子どものためのTシャツなど、発達障害者が使いやすい製品が相次いで登場している。当事者の声から生活の中でのストレス、違和感に注目し、色彩や設計に工夫を凝らしているのが特徴だ。支援団体は「発達障害者に優しい商品が普及すれば暮らしやすい社会になる」と期待を寄せる。(三浦日向)

薄紫色の紙にグレーの網掛けが1行おきに配置され、日付やページ番号を書く欄もない――。紙製品メーカーの大栗紙工(大阪市生野区)が開発したノート「mahora(まほら)」は通常と異なる変わった色合いや装いが特徴だ。

「発達障害者は普通のノートを使いづらく感じている」。大栗康英社長が取締役を務める妻から聞いた一言が開発のきっかけだった。同社は大手文具メーカーの大学ノートを製造。使い勝手について発達障害者100人から意見を聞いたところ、「ノートの白色がまぶしい」「日付やページの数字などの装飾は気が散る」といった違和感が次々と寄せられた。

紙の色合いや線の配置、行の幅を1ミリ単位で調整するなどし、今年2月にインターネットを通じてノートの販売を開始。3千冊が売り切れ、増産分の8千冊も既に半分が売れた。8月から全国の雑貨店や文具店でも展開している。大栗社長は「ノートを使いづらいと思っている当事者の方の悩みが予想以上に大きかった。驚いた」と話す。

発達障害のある家族との生活をヒントに商品を開発したケースもある。

和歌山市の前田香さん(36)は発達障害の長男(10)が着替えに苦労する様子を目の当たりにしてきた。場所の把握がうまくいかず袖から頭を通してしまうなど一人で着替えることが難しく、これらの問題を解決する発達障害の子ども向けの衣服の開発に乗り出した。

前田さんが工夫したのは「どう着ても正解になる」設計だ。ロゴを表裏で同一にし、タグを付けず縫い目を目立たなくして表裏と前後に関係なく着ることのできる「オールフロントT」を開発。裾に手のひら型のプリントを施し、着るときにつかんで利用してもらう「タッチdeきるんT」も作製した。

クラウドファンディングで資金を集めて4月からサイト「fukufuku312」で販売する。「一人で着脱できるようになってありがたい」といった声が寄せられたといい、前田さんは「発達障害者だけでなく認知症や視覚障害の方にも役立つのでは」とみる。

相次ぐ商品開発の背景には、発達障害の認知度が高まってきたことがある。日本では1980年代ごろから医療と教育の分野で発達障害の研究が本格的に進んだ。2005年4月に発達障害者支援法が施行し、発達障害のある子どもへの支援を制度化した。近年は発達障害を抱える大人の存在も知られるようになり、当事者であることを公表する著名人が出ている。

発達障害の当事者で「mahora」の開発に協力した支援団体代表の元村祐子さん(50)は「発達障害者が使いやすい商品はすべての人にとって使いやすい。日常生活の違和感を解消する商品が普及すれば様々な立場の人が暮らしやすい社会になる」と強調する。

■診断は48万人、特性の個人差大きく
厚生労働省によると、発達障害者は脳の一部機能の障害により、行動や言語表現、社会的関係を築く上で困難を抱える。
自閉症やアスペルガー症候群などの自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(学習障害、SLD)などがある。聴覚などの感覚が敏感、集中力の低下、こだわりが強い、読み書き計算が難しいなど、特性は多様で個人差も大きい。
2018年に厚労省が公表した調査によると、医師から発達障害と診断された人は推計で約48万1千人。12年の文部科学省の調査では、公立小中学校の通常学級でも6.5%の児童や生徒に発達障害の可能性があるとの推計がある。
京都教育大の小谷裕実教授(特別支援教育)は発達障害のある子どもの学習について「一人ひとりで得意不得意が異なり、必要な支援も多岐にわたる」と指摘。「当事者自身が不得意なことや必要な手助けを周囲に発信できるようにし、学習面の選択肢を増やしていくことが望ましい」と話している。

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ノート地の色と読み書きについての科学的な関連性は知りませんが、米国での読字障害と網膜細胞の研究があります。透明な青いカラーシートを紙面に被せると80%、読字能力が上がることが報告されています。原因は解明されていませんが、光の中の赤の光がマグナ細胞に拡散することが細胞の処理速度を落としており、青のフィルターが赤の光を取り除くことで、マグナ細胞を正常に機能させるのではと推定されているそうです。

表裏と前後に関係なく着ることのできる「オールフロントT」は、コロンブスの卵的発想で驚きました。ユニバーサルデザインもここまで行けばすごいです。まずは自分だけの力で着衣できれば自尊感情は100倍高まります。「また反対着ている。また裏側着てる」と着るたびにやり直しをしている子どもには朗報です。

着脱時につかむ場所をわかりやすく工夫した「タッチdeきるんT」をもつ前田香さん