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マスク着用強制しない

発達障害、マスク困難56% 意思疎通に課題

2020/9/7 8:59【日経電子版】

肌に触れるのが不快、相手の表情が分からない――。新型コロナウイルスの感染予防のためのマスクについて、発達障害がある人のうち56%が「我慢して着用している」「着用が難しい」と感じていることが、国の発達障害情報・支援センターの調査で分かった。嗅覚や触覚が過敏だったり、意思疎通が苦手だったりする特性があるため。

世界保健機関(WHO)などは8月下旬公表の指針で、発達障害がある子どもは年齢を問わずマスク着用を強制しないよう推奨。一方、厚生労働省は同月末、「2歳未満は着用を推奨しない」との見解を出したが、発達障害には触れておらず、対応が求められそうだ。

調査は7~8月、ウェブ上で実施。コロナ禍の「新しい生活様式」について、全国の発達障害の当事者352人、家族ら500人が回答した。

マスク着用が困難な理由は臭いのほか、肌に触れたり水滴が付いたりすることが不快との意見が多かった。相手がマスクをしている場合の課題(複数回答)は「表情が分からない」44%、「言われたことを理解するのに時間がかかる」40%など。一方で、抵抗なくマスクをしているという人も全体の44%に上り、調査担当者は「不快感は人それぞれ。どうしても着用が難しい人には強制せず、柔軟に対応することが求められる」と話す。

家族が工夫した点は「本人が心地よいマスクを手作りした」「落としてもパニックにならないよう予備を持たせた」などで、自由記述には「感染対策ができない事情を周囲に理解してほしい」との声が寄せられた。

マスク以外の困り事は、オンラインの会話で「雑音や画面の明るさに疲れてしまう」「3人以上だと誰が話しているのか分からない」、外出などで「『控える』『慎重に』と曖昧な表現に困惑する」「人との十分な距離がどのくらいか戸惑っている」などが挙がった。〔共同〕

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武漢風邪のおかげで、感染症とマスクについては、科学的な根拠に基づいた世界標準が失われています。マスクは、飛沫の拡散は防げるが、空気中を浮遊するウィルスはマスクの網目の50分の1なので予防には効果がないというのがWHOの定説でした。ところが、日本のマスク習慣と感染率の低さを見て、WHOは根拠のはっきりしないままこの定説を変えたのです。

おそらく、口をマスクでふさぐので接触感染には効果があるのかもしれませんが、これもはっきりした根拠は示されていません。スウェーデンでは、これまでの原則的な感染予防策に基づき、マスクは予防根拠なしと勧めず個別的な自粛とクラスター対策で乗り越えました。スウェーデン政府は、ストックホルムで4割の人間が抗体免疫を持つというデータを得て集団免疫を獲得したと発表しました。

先日、マスクをつける意味についての国際的なアンケートが実施された結果、海外では「予防のため」が圧倒的に多かったのですが、日本では「周囲の目を気にして」が最も多かったそうです。つまり、予防になるかどうかはっきりしなくても同調圧力を感じてマスクをしている人が多いそうです。

こうした、根拠がはっきりしないけど周囲の目があるからという風習は、百害あって一利なしです。結論を先に持ってきて、理由を後付けするやり方は「いつか来た道」です。