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デルタ株で子供の感染状況は? 静岡市の小児科医に聞く
デルタ株で子供の感染状況は? 静岡市の小児科医に聞く
2021.08.19【日テレNEWS24】
静岡県内では第5波になって学校などでのクラスターが増えていて、夏休み後の学校再開に不安の声も上がっている。
子どもたちのコロナ感染の現状について小児科の医師に聞いた。
新型コロナの感染が急拡大する中、県内では7月から学校や幼稚園でのクラスターが7件確認されるなど子どもたちが感染するケースが増えている。緊急事態宣言を受けた対処方針として、県は学校に対して「部活動の制限」や「オンライン授業」「時差通学などの工夫」を求めているが、学校再開を前に親たちは。
(小学生の母親)
「ちょっと行かせづらい。休ませた方がいいとは思いつつ、そうすると学習面が不安になってくるので上手にやってくしかないと思う」
デルタ株の拡大で子供たちの感染の現状は?
これまで子供のコロナ患者の診療を続けてきた静岡厚生病院の田中敏博医師に聞いた。
(静岡厚生病院 田中敏博医師)
「8月に入ってから僕の立場で対応する子どもの陽性者は着実に増えている。ただ、それに伴って重症者が増えているかというとそうではないので、子供が感染したけれど順調に良くなったケースがほとんど」
全体の感染者の増加に伴い10代の感染も増えているものの、他の年代と比べて少なく、8月10日までの一週間の全国の感染状況でも20代以下の重症者はいない。
子供の陽性者の症状については?
(静岡厚生病院 田中敏博医師)
「熱が出る、頭痛を訴えるケースやせき、鼻水。デルタ株だからといってすごく強い症状とは感じていない」
一方、7月までは静岡市内の子供の患者は無症状が6割だったものの8月に入ると軽い症状が出ている子どもが増えている印象という。
また、最近は家族内で子ども一人だけ陽性で、どこからうつったのかわからないケースが増えてきているという。
(静岡厚生病院 田中敏博医師)
「例えば子どもと大人が一緒に療養していても、家庭内でお父さん、お母さんが子どもから感染したことはあまりないので、子どもから(大人に)感染しにくいという原則は保たれていると思う」
親の世代である30代から50代の感染や重症者が増えている中、まずは大人が感染対策とワクチン接種をすることが重要だと指摘する。
県内で学校関係のクラスターが起きていることについては?
(静岡厚生病院 田中敏博医師)
「仮にクラスターが発生しても、子どもに関しては重症になる確率が非常に低いこともあって、ただちに心配を深める必要はないし、園や学校を責め立てるような雰囲気は社会としてつくってはいけないと思う」
学校再開を前に一番、注意すべきことは?
(静岡厚生病院 田中敏博医師)
「朝調子が悪そうだったけれど何かの活動に出てしまった。部活動に行ってしまったケースはある。熱があるとか調子が悪いということがあるなら、その日は大事をとってお休みをしていただくのが一番大事かなと思う」
症状がある時やいつもと調子が違うと思った時は、お子さんのためにも周りのためにも休ませることが大切だという。
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米で子どものコロナ感染入院が最多に、デルタ株拡大で
2021.08.14【ロイター】
米国で14日、新型コロナウイルス感染症で入院した子どもの数が過去最多の1902人となった。南部では感染力の強いデルタ型変異株による感染拡大で、医療体制が逼迫している。
デルタ型は主にワクチン未接種者の人口の間で急速に拡大しており、ここ数週間で入院者が急増。厚生省によると12歳未満の子どもの入院が急増して過去最多に達した。
現在、小児の感染者は全米の入院者の2.4%程度。12歳未満の子どもはワクチン接種対象となっておらず、感染力の強い変異型に対して脆弱な状態だ。
米疾病対策センター(CDC)によると、今週には18─29歳、30─39歳、40─49歳の新規入院者も過去最多の水準に達している。
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最近、オリパラで学校観戦を認める向きで行政が動き出すと、メディアが一斉にデルタ株が広がって医療崩壊しかけているのにけしからんと集中砲火を浴びせています。また、メディアはNHKまで政府と専門家の意見の食い違いを報道しますが、医療業界の代表のような専門家と政治家の意見は違って当たり前です。
そもそも、医療関係者を一番先にワクチン接種した理由は、全ての医療が感染対応できるようにと優先接種したはずですが、いつまでたっても治療対応する医療施設が増えないことについては誰も報道しません。
時折、最も過酷な医療現場の映像と関係者を登場させて全体が危機に瀕しているようにも見せます。BSニュースでも米国の小児感染者の入院が相次いでいると報じ次は日本だとばかりに報道し、教員のワクチンやマスク装着の義務が米国全土で社会問題になっているかのように描きます。
しかし、最近はNHK以外の局によっては、今回の日テレのようにまともな現場医師の意見を取材して報道している様子もちらほら見かけるようになり始めました。日本小児学会は、デルタ株感染の子どもの症状はこれまでと大きな変化はないと公式に発表しています。
それにしても、ロイターが報じている子どもの感染入院増加(米国人口は3億3千万人)日本の現状とあまりにもかけ離れていますが、原因は二つ考えられます。一つは欧米人に比べて日本人の感染しにくさ重症化しにくさの「ファクターX」です。もう一つは、子どもの肥満やそれに付随する基礎疾患の違いだと思われます(米国児童肥満率42%、日本児童肥満率12% 世界子供白書2019)。
最近のメディアの流す情報の偏向ぶりは日米ともあまり変わらなくなってきました。疑問を感じたら実際のデータをネットで調べるしかないという人もいます。いつの間にか社会の公器が、視聴率さえ上げればいいという煽り報道に汚染されてきている現状を残念に思います。
「児相で抱え込まず、多機関で子どもを守って」 大津・女児暴行死
「児相で抱え込まず、多機関で子どもを守って」 大津・女児暴行死でNPOが要望書
2021年8月18日 【京都新聞】
大津市の無職少年(17)が自宅で小学1年の妹(6)を暴行し死亡させたとされる事件を受け、子どもの虐待防止に取り組むNPO法人「シンクキッズ」(東京都)は18日、虐待が疑われる事案について、児童相談所(児相)や市、警察などの関係機関が情報を共有し連携体制を整えることを求める要望書を、滋賀県や県教育委員会などに提出した。
兄妹は7月21日未明、自宅近くのコンビニにおり、警察が保護。連絡を受けた大津・高島子ども家庭相談センター(県の児相)は「ネグレクト(育児放棄)の疑いがある」として、母親と8月4日に面談予定だったが、妹は同1日に死亡。兄は7月下旬~8月1日ごろ、妹に暴行し死亡させたとして、傷害致死容疑で逮捕された。
要望書では、今回の事件で、児相は兄妹の保護後、直ちに警察に家族の情報を提供し、早急に合同で家庭訪問して妹への暴行の有無を確認するべきだったと指摘。事件を教訓に、疑いを含む全ての虐待案件の情報を、児相と警察、市町、学校などの関係機関が共有し、子どもの安全確保を図る体制を、県に構築するよう求めた。
同法人代表理事の後藤啓二弁護士(62)は「児相だけで案件を抱え込んでは虐待は防げない。常に多機関と情報を共有し、ベストな体制で子どもを守ってほしい」と話した。
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「全て私が悪い。ネグレクトというならそう。私の責任」大津女児暴行死、母親が取材に
8/14(土) 【京都新聞】
大津市の自宅で小学1年の妹(6)を暴行し死亡させたとして、兄の無職少年(17)が傷害致死容疑で逮捕された事件で、兄妹の母親が13日、同市内で京都新聞社の取材に応じた。事件について「全て私が悪い。兄に妹の面倒をみさせてしまった。私の責任だと思っている」などと述べ、親としての責任を初めて口にした。
捜査関係者らによると、兄妹と母親は4月から同居していたが、母親は家を留守がちにしていたといい、滋賀県警は、ネグレクト(育児放棄)も背景にあるとみて、3人の生活状況の解明を進めている。少年の逮捕から同日で10日が過ぎた。
母親は、娘(妹)の名前の書かれた植木鉢などが並ぶ自宅前で、兄妹の名前を挙げながら、「全部、私が悪い。兄に妹(の面倒)をみさせてしまった」と話し、「それをネグレクトというならそう。私の責任やと思っている」と、途切れ途切れに話した。
捜査関係者らによると、母親は事件当時、家を留守がちで、事件が発覚した今月1日までの数日間は一度も家に帰らず、その間は兄妹は事実上2人だけで暮らし、一日に千円ほどで生活することもあったという。
兄妹は京都と大阪の別々の児童養護施設で育ち、妹が小学校に入学した4月以降、3人は同居を開始。当時の生活状況について、母親は、仕事で大阪に行くことがあったと言い、外出時には兄妹からは「早く帰ってきて」とせがまれたと明かした。幼い妹は「いかんといて」「一緒に行く」とすがることがあったといい、「(2人とも)一日(自宅を)離れても言うてたし、一日以上離れたらやっぱり…」とうつむいた。
そして、少年に対しては「申し訳なかった。まだ子どもやったんやな。妹をちょっとかわいがり過ぎた」と、自責の念を吐露した。
少年の逮捕容疑は、7月下旬~8月1日ごろ、自宅で、妹を殴ったり蹴ったりし、右副腎破裂やろっ骨骨折などを負わせ、死亡させた疑い。県警のこれまでの調べに対し、少年は容疑を認め、「妹の世話をするのがつらかった」「妹からちょっかいを出され、かっとなった」との趣旨の供述をしているという。少年は1日、市内の公園で「妹がジャングルジムから転落した」と救助を求め、事件が発覚した。
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大津女児暴行死、母子3人同居は適切だったのか児童相談所の対応検証へ
2021年8月14日【京都新聞】
大津市の無職少年(17)が自宅で小学1年の妹(6)を暴行し死亡させた事件で、滋賀県子ども・青少年局は13日、大学教授や弁護士、医師など専門家7人による「児童虐待事例検証部会」を今月内にも立ち上げる方針を明らかにした。
大津・高島子ども家庭相談センター(県の児童相談所)の説明では、3人の同居後、センターは月に1回程度、家庭や学校を訪問。その中で、虐待など家庭内トラブルの話は出ず、母親は兄妹について「関係は悪くなく、兄は面倒見が良くて頼りになる」と話していたという。
しかし、結果として事件が起きたため、同部会は原因を究明し、再発防止策を検討する。委員7人が児童相談所や大津市など関係機関の家庭への関わりが適切だったかなど課題を抽出し、再発防止策をまとめる。母子3人の同時期の同居を決定した判断が適切だったかも、議題となる可能性があるという。
少年の逮捕容疑は、7月下旬~8月1日ごろ、自宅で、妹を殴ったり蹴ったりし、右副腎破裂やろっ骨骨折などを負わせ、死亡させた疑い。県警のこれまでの調べに対し、少年は容疑を認め、「妹の世話をするのがつらかった」「妹からちょっかいを出され、かっとなった」との趣旨の供述をしているという。少年は1日、市内の公園で「妹がジャングルジムで転落した」と救助を求め、事件が発覚した。
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死亡女児の兄「妹の世話がつらかった」暴行認める供述滋賀・大津
2021年8月7日 【京都新聞】
大津市の無職少年(17)が自宅で小学1年の妹(6)を暴行し死亡させたとされる事件で、傷害致死の疑いで逮捕された少年が、滋賀県警の調べに対し、容疑を認め、「妹の世話をするのがつらかった」との趣旨の供述をしていることが6日、関係者への取材で分かった。母親は留守がちだったといい、県警は家庭状況や暴行の動機などを詳しく調べている。
大津・高島子ども家庭相談センター(児童相談所)の説明では、兄妹は家庭の経済的な理由などで県外の別々の児童養護施設で育ち、妹が小学校に入学した4月から母親と3人暮らしの生活となった。
少年は母親の代わりに妹の面倒をみて、近所の住民は妹とボールなどで仲良く遊ぶ姿をたびたび目にしていた。一方、暴行があったとされる時期に近い7月21日未明、兄妹が自宅近くのコンビニを訪れたため、同センターは「ネグレクト(育児放棄)の疑いがある」などとして、今月4日に母親と面談する予定だった。
少年は7月下旬~8月1日ごろ、大津市内の自宅で妹を殴ったり蹴ったりし、右副腎破裂やろっ骨骨折などを負わせ、外傷性ショックで死亡させた疑いで、4日に逮捕された。関係者によると、少年は、だだをこねるなどした妹にかっとなった、との趣旨の供述もしているという。県警は当時の詳しい状況を調べている。
事件が発覚したのは1日。少年はこの日午前、妹が同市内の公園のジャングルジムで転落した、と近隣住民に助けを求め、意識不明だった妹は搬送先の病院で死亡が確認された。県警は司法解剖の結果などから転落した事実はないと判断している。
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無職少年は、高校も行けずに家で暮らし、その少年が二人で一日1000円の食費で妹を見ています。この少年は広義ではヤングケアラーです。未明とは午前0時から午前3時頃、小1の妹を連れ出す時間ではないことくらい兄は分かっていたはずです。
それでも連れ出しているのは、尋常ではない事がこの子たちの家庭に起きており、保護すべきだと素人でも判断できます。或いは、兄が非常識が分かっていないと担当者が判断した場合も、そんな兄と一緒に家に帰してはまずいと考えるはずです。どちらにしても家に帰してはいけないと判断できたはずです。
「母子3人の同時期の同居を決定した判断が適切だったかも、議題となる可能性がある」から、「児童虐待事例検証部会」を今月内にも立ち上げるとのことですが、そんな会議を持たなくても不適切な判断であったのは自明の理です。
いったい誰のために会議を持つのでしょうか。役人の言い訳の場を作っているようにしか見えません。会議を持つことを発表するより、所長や市長が担当者の判断の非を認めて謝罪し、速やかに担当者や責任者の更迭措置を発表する事が第一に必要です(これは世間の常識です)。大津はいじめ事件でも第3者会議で担当者が責任を免罪されているとの批判がありました。行政が絡む深刻な事故の場合は、行政自らが招集する第3者会議で公平性が担保できているとは、とても思えません。行政の未必の故意※は、違法行為だと自らを厳しく律する姿勢がないと、いくら第3者会議をしても役人を守るだけで、担当者の脇の甘さから起こる重大事件がなくなるとは思えないからです。
※未必の故意
未必の故意は法律用語であり、「行為者が自らの行為から罪となる結果が発生することを望んいるわけではないが、もしそのような結果が発生した場合それならそれで構わないとする心理状態」を意味する概念である。「未必的故意」ともいう。
旭川中2死亡 尾木直樹氏「市長の立ち位置が重要」
旭川中2死亡尾木直樹氏「市長の立ち位置が重要」
2021/8/22 【毎日新聞】
北海道旭川市で今年3月、中学2年だった女子生徒(当時14歳)が遺体で見つかった問題で、生徒の母親の手記が報道機関に公表された。学校を訪れ、いじめを訴える母親に対し学校側は「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか」と迫っていたことが明かされるなど、その内容に批判が広がっている。「1人の被害者」はないがしろにされていいのか。長年いじめ問題に取り組んできた教育評論家の尾木直樹さんに聞いた。【山下智恵/デジタル報道センター】
概要は次のようなものだった。北海道旭川市で今年3月、中学2年の広瀬爽彩さん(当時14歳)の遺体が見つかった。死因は低体温症だった。
広瀬さんは2019年6月には旭川市を流れる川に飛び込み教師らに保護されていた。母親は、いじめがあったとして学校側に度々相談していたが、学校や旭川市教委は19年9月に「いじめと認知するまでに至らなかった」と結論づけていた。
今年4月、「文春オンライン」が一連の経緯を報道。全国から学校などへの批判が殺到し、市教委は学校からの報告と報道内容が大きく食い違っていたとして、いじめ防止対策推進法の「重大事態」にあたると認定。5月に第三者委員会を設置し、いじめの有無などについて調査している。
――いじめを訴える母親に学校側は、いじめを否定したうえで「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみてください」(手記引用)と言ったとされ、批判が広がりました。
◆手記の内容がそのままだとすると、学校側は勘違いをしています。加害者か被害者かではありません。もちろん、一番不幸なのは亡くなった被害者です。一方で、加害者も価値観がゆがんでしまい、人の気持ちに共感する能力を持たないまま大人になってしまう。そのまま成長して通用するほど社会は甘くはありません。
加害者を、人の心に共感できないまま大人にしてはいけない。また、大勢いる傍観者にも苦しんでいる子を救えなかったという思いを抱かせたまま大人にしてはいけない。それが加害者側の学び、成長する権利を学校が保障することになるんです。自ら行ったことから目をそらさせ、触らないことが加害者を守ることではありません。
いじめ問題で得をする人はいません。そこの学びに責任を持っていることを教育関係者には自覚してほしいです。
手記によると学校側は、いじめを訴えて何度も助けを求めた被害生徒や母親に対し、いじめを否定し続けた。なぜそんなことをと思います。教員の多忙化や学校現場の閉鎖性、さまざまな要因が推測されるが、発言者個人を責めるより、なぜ学校社会がそういうことを言ってしまうかを考える必要がある。
――手記には母親がいじめを訴え、それが否定されたことが明かされています。対応の問題点はどこにあるのでしょうか。
◆いじめとは何かという出発点の定義がおかしいのです。この学校では定義がかつての古いままで更新されていないように見えます。
国が定めるいじめの定義ですが、1986年度からは「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実を確認しているもの」としています。主語は加害者で、学校が認知したものがいじめです。
06年度から「いじめとは、当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」として、主語が被害者になりました。被害者が訴えたらいじめと認定しましょうと180度変わり、その後の定義にも引き継がれています。本人がいじめられたと認知し訴えたら、そのまま受け止めて、学校は動きましょうと、こういう定義に変わりました。
ですが、手記によれば学校側の対応は86年度のままですね。学校が「いじめはない」と言うのですから。特に今回は生徒が川に飛び込むという異常事態の直後です。加害生徒について、あの子がそんなことをするはずがないと思うのは自由ですが、加害生徒にも被害生徒にも、話をしっかり聞かなければならない。第三者委員会を設置して真相を究明していかなければいけない。
定義の変化だけでなく、13年度に成立・施行した「いじめ防止対策推進法」や文部科学省が17年に定めた「いじめ防止ガイドライン」の把握ができていないと思います。
――手記からは、旭川市が5月に設置した調査のための第三者委員会への不信感も読み取れます。
◆11年10月に大津市で中学2年の男子生徒がいじめによる自殺をした件の第三者調査委員会に、遺族側推薦の委員として参加しました。調査報告書の中に、第三者委員会のあり方も盛り込みました。公正・中立・独立の観点から自治体と関係の無い団体に推薦を依頼する必要があることなどです。
ですが、旭川市が公表した第三者委員会のメンバーは、地元の旭川や北海道に関わりのある方ばかりです。地元に影響があるとバイアスが掛かってしまうのは人間の必然です。最低限、地元の旭川の人は除外しないといけない。大津市の第三者委員会は滋賀県の出身者は一人もいませんでした。地元の人がいれば必ず被害者や加害者とどこかでつながりが出てきますから、客観的な調査になりません。
また、母親の手記で「第三者調査委員会は、だれが、どこで、どんな調査をしているのか、全く公にしていません。貴重な情報を持っている人がいても、これでは、情報を提供する先がないに等しいと懸念しています」との不信感が出るのも、遺族に寄り添うことに立脚できていない深刻な問題です。
――今後の調査のあり方はどうあるべきでしょう。
◆大津市の教訓から言うと、実は市長の立ち位置はすごく重要です。市長が遺族に寄り添って真相を解明するぞという姿勢に立てるか立てないか。いま、遺族には第三者委員会への不信感がある。だったら、例えば遺族側から担当弁護士など2人でも3人でも推薦してくださいと、市長が提案するだけでも建設的に前進していくと思います。
そして、生徒への調査について、私の経験では、2時間3時間でも向き合えば生徒には話が通じると思いました。加害者の親にはなかなか話が通じない場合が多いですが。大津市の調査では多くの生徒たちがすごく協力的で、勇気を出して次々と教えてくれた。この協力に応えなくてはという強い思いが第三者委員会のメンバー全員の出発点でした。そういった気持ちで、旭川市の調査も進んでくれたらと思います。
(※インタビュー直後の8月20日に旭川市の西川将人市長は市教育委員会に、調査の進捗=しんちょく=状況を遺族に伝えるよう要請しました)
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多大なコストと時間を投入しながら、結果として、不祥事からの脱却や社会正義を回復できなかった第三者委員会の事例は、枚挙にいとまがありません。それは、第三者委員会の委員選任の不透明性や委員自体の不適格性、的外れの調査目的の設定、さらには、真因にたどり着けない調査手法の不当性等、課題が山積みされたままだからです。
不祥事を起こした行政が委員を指名する場合、直接間接に利害関係のない人を指名する事こそ、そもそも無理があります。不透明な委員選出や会議をするくらいなら、民事で裁判を行う方が批判と擁護の関係がはっきりして、内容もすべて公開されるので誰にも理解しやすいです。
執行権限のない第3者委員会の意見があっても、強制力のない意見に、従うも従わないも行政の長の胸一つであるなら、最初から行政の長が決断すればいいのです。首長の判断の社会的責任は、投票と言う形で問われると言う帰結がありこのほうが明快です。
大津の女児死亡事件で担当者と責任者の更迭発表が先だと書きましたが、直接にせよ間接にせよ損害を起こした関係者を最高責任者の指示で更迭人事を行うのは社会では当たり前です。民間がそうするのは、放置すれば自社の信頼が失われ企業の存続にかかわるからです。
行政機関の責任の不感症はこの違いから生じます。だからこそ、部署全体の人事を入れ替えるほどの厳しい人事更迭を行う規律をもつべきだと思います。尾木直樹氏の意見は、個人を責めても解決しないと言いますが、尾木氏も関係した第3者委員会を開いた大津市で部署こそ違うとはいえ、同じ自治体管轄内で女児が死亡しているのは、個々の役人の姿勢とは関係のない不可抗力でしょうか。少なくともいじめ事件での第3者委員会の「予防的な対処」という提言が児童福祉の現場で生かされていないから事件が起こったのだと思います。
そもそも地方自治体には行政と議会という場所があるのに、この行政と議会が癒着し議会が機能しないから、民間を真似して第三者委員会が重宝されているとも考えられます。しかし、第三者委員会はこれまでに述べたように課題が多すぎます。尾木氏のいう市長次第というのはその通りですが、第3者委員会への市長の関与を言うなら筋違いです。市長は速やかに組織責任を果たすのが第一です。個別の事実関係は司法で明らかにしたほうが良いです。議会は再発防止を行政に正せばよいと思います。
「学校に行きたくない」大人は受け止めて
新学期 いま、あなたへ
山崎聡一郎さん 「学校に行きたくない」大人は受け止めて
2021/8/24 【毎日新聞】
小学校高学年の時、友人をかばったことで同級生に悪口を言われ、暴力を受けました。下校中に後ろから蹴られて歩道から農道に落ち、左手首を骨折しましたが、ほぼ毎日学校へ通いました。休めば自分が悪いような気持ちになりました。行かない選択肢はないも同然。「学校に行かなければ」というプレッシャーが一番つらかった。
同級生と離れたくて中学は私立に進みましたが、今度は加害者になりました。部活で部長を務めていた3年生の頃に後輩の一人が来なくなり、活動に支障が出たため全員で話し合う場を設けました。後輩は来ませんでしたが、退部させることを決めました。後で先生はこう言いました。「大勢で1人を追い詰める、いじめだよね」。後輩に謝り、関係は修復できました。加害者にはならない自負がありましたが、いとも簡単に、なり得ると知りました。
いじめの経験を経て、小学校の時に「人権って何だろう」と考えるようになりました。さまざまな法律が載っている本が読みたくて六法全書を手に取るようになりました。法律で、殴ってけがをさせることは傷害罪にあたる、などと書かれているからといっていじめが起こらないかといえば、それほど単純ではありません。ただ、法律を守れば起こりにくくなる可能性はあります。「いじめ防止対策推進法」は加害者を被害者とは別の場所で勉強させるなどして、被害者が安心して学べる環境を整えるよう明記しています。子どもも大人もそういう法律の知識を持つことも大切です。
もし、子どもに「学校に行きたくない」と言われたら「いいんじゃない?」と受け止めてあげてください。勉強が遅れることや将来に響くかもしれないことに、親は不安になるかもしれません。学校は理不尽さを学ぶ場だという意見もあります。でも、殴られる、ののしられるといった理不尽さなら、そんなことを体験する場所ではありません。
新型コロナウイルスの感染が広がるまでは、子どもたちに「助けを求めて」と伝えてきました。今は大人のケアも必要だと感じます。ストレスやつらさを抱えたままでは子どもに当たってしまい、追い詰めてしまう。大人も周りに助けを求めていい。それは子どもの安定にもつながるはずです。【聞き手・田中理知】
いじめ防止対策推進法
2011年に大津市の中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題を受けて成立し、13年9月に施行された。いじめを「児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義し、防止対策について国や自治体、学校の責務を明記している。
山崎聡一郎さん略歴
1993年、東京都生まれ。慶応大で「法教育を通じたいじめ問題解決」をテーマに研究。在学中に法教育副教材「こども六法」を製作し、書籍化された。教育研究者や俳優など幅広く活動し、子どもに法教育を教える学習塾を今年開校した。
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発達障害のある子どもたちは新学期をどう感じているのでしょう。利用者の小学生に夏休みの宿題の進捗を聞くと、「まだ半分しかできてない」と言う子もいました。「やばい。でも、テレビで夏休み延長するって言ってた」と、目を輝かせて言うので「あれは高校だけやで」と返すと、「まじかー」とうなだれていました。本当は学校行きたくないんじゃないのと聞くと、こくりと頷きます。
ASDの子どもは社会性の発達が遅れるので、中学年以降にちょっと自分は集団から浮いているなーとか、友達から嫌われているんじゃないかなーと感じて登校渋りが始まります。集団の前でも、それまではみんなのアイドル「不思議ちゃん」だった彼らが、少し自信を失い友達への反応も悪くなって、それを周囲がいじるという形でいじめの芽が出てくる場合もあります。
ある利用者の女子は、中学年以降登校渋りが起こり、高学年になってからは教室ではほとんど話さなくなったと言います。いじめる奴らもそれを見ぬふりする人も馬鹿だから話さないというのが理由です。読み書き障害もあり知的な遅れはないのに、じりじりと学力は落ちていきました。授業中は漫画を描いて一日を過ごします。何が目的で学校に行くのか聞くと、学校が嫌だと言えば親が悲しむし、中間休みや昼間休みの男子とのドッチボールは、話さなくても楽しめるのでそれだけを楽しみに登校していると、聞いているだけで私の胸が張り裂けそうでした。
子どもへのソーシャルディスタンスの要請は、遊びの共感性を薄め、笑い合ったりぶつかったりして育む友情の機会を狭め、マスク利用はただでさえ表情の読み取りの弱い彼らの人への誤解を増やします。日本中がマスクをしていたのに感染が増加しています。つまり、飛沫感染を理由にしたマスク予防の効果はなかったのです。学校内でのマスク使用についてアメリカでは義務化にしてはどうかという州もあるようですが、対人理解発達のデメリットが大きいという議論に何故ならないのか不思議です。
一方で、ソーシャルディスタンスやマスクのおかげで、対人交渉の頻度が減り、いじられることが少なくなって助かっているASDの子どももいます。マスクは感覚過敏で嫌がる子もいますが、大きなマスクで顔を覆う事で安心感を得ている子どももいるので、発達障害の子どもにとってはどちらがいいとは一概に言えないようです。乙訓は明後日から始業式。学校に行きにくくなった子どもが出てきてもそんな時もあるよと、子どもの言葉に耳を傾けたいと思います。
養護教諭 子供を守る駆け込み寺の癒し役
チーム学校
養護教諭 子供を守る駆け込み寺の癒し役
2021/8/25【産経WEST】
教員と教員以外の専門職が連携し、学校を中心に一つのチームとして子供たちをサポートする「チーム学校」において、心身に問題や悩みを抱えた子供たちが出入りする保健室は核となる存在だ。教室に入れない子供がいれば戻るきっかけを模索し、虐待やいじめなどの深刻な問題の端緒をもつかむ。昨年からは新型コロナウイルスの感染対策も担う。体調を崩した子も、一見元気そうな子も-。養護教諭は、平穏な日常を守る砦となっている。
7月上旬の平日、午前11時。大阪府内の公立中学校の保健室は2つあるベッドが埋まり、離れた場所にあるソファや椅子に4人の生徒が座っていた。
さらに1人、男子生徒が戸を開けて「休ませてください」と小さな声で訴えた。「次の時間まで椅子で休んでもらってもいいかな」。そう言って男子生徒に体温計を手渡したのは養護教諭の佐藤あゆみさん(34)=仮名=だ。
「全然教室に行ってなかった人が、いきなり行ったらびびらん?」。別の男子生徒が佐藤さんにさりげない様子で尋ねると、「『来てくれたんや』っていう気持ちが勝つと思うよ」と笑顔を向けた。持病があって教室から足が遠のき、現在は保健室にだけ登校する生徒だと、後に佐藤さんが教えてくれた。
様子を見に来た担任が生徒に声をかけて立ち去ると、佐藤さんは走って廊下まで追いかけ、保健室での様子や訴えなどを伝えた。「教室に入りにくくなった子供が戻るための足掛かりは、担任の先生の協力なしには作れないんです」
教室に入れない事情
保健室は、新型コロナウイルスの影響も色濃く受けている。佐藤さんは「一時は保健室に来る生徒がもっと多かった。発熱した生徒とそうでない生徒を分けるゾーニングもできず、苦労した」と振り返る。
そんなコロナ下の今春、佐藤さんが気にかけていた卒業生の女子生徒が保健室に姿を見せた。現在は高校生。家庭状況が厳しく、中学2年から教室に入れなくなった。頭痛や腹痛を訴え、登校すると保健室で時間を過ごし、佐藤さんに少しずつ家庭事情を打ち明けた。
父親は大声で生徒や母親を罵倒し、「俺の金で生活してるんやろ」と威圧していた。生徒は母親に離婚してほしいと訴えたが、母親には一人で子育てをする自信はなく、離婚に踏み切ることはなかった。
家では父親の顔色をうかがい、学校でも無理に元気に振る舞う。佐藤さんは「周囲への配慮でエネルギーを使い果たし、へとへとになっているようだった」と振り返る。
女子生徒の望む進学先は、父親の方針とは違っていた。安易に口にすれば、殴られるかもしれない。佐藤さんは母親と連絡を取り、父親の説得に知恵を絞った。生徒をスクールカウンセラーにつなぎ、校長や生徒指導の教諭らも参加する学校内の会議で毎週生徒の状況を取り上げ、対応策を検討した。
そして生徒は希望していた高校に進学した。だが再び、高校卒業後の進路選択が目前に迫っていた。「大学に行ったら家を出たい。でもお母さんが心配」。佐藤さんはそんな生徒の話に耳を傾け、最後にそっと背中を押した。「お母さんは大人だから大丈夫」
生徒と一緒に考える
学校教育法は「養護教諭は児童の養護をつかさどる」とのみ書く。だが、その職務の幅は広い。肥満や痩身(そうしん)、生活習慣の乱れ、アレルギー、性の問題、いじめ、虐待…。子供の健康上の問題は多様化し、精神状態とも密接にからみあう。
現在、大阪府立吹田東高校で指導養護教諭を務める鈴木秀子さん(58)は30年以上、各地で世相を映すさまざまな問題に直面してきた。覚醒剤を使用した生徒もいれば、女子生徒が個室で男性客をマッサージする「JKリフレ」にかかわったケースもあった。親族の介護を担う「ヤングケアラー」もいた。本音をなかなか打ち明けない生徒も多い。
鈴木さんは入学してきた一人一人の生徒について、中学校の資料を基に家庭状況を整理している。支援が必要な生徒は顔や名前を覚え、職員室に出向いて情報を収集することもある。若い頃は生徒の困難を前に右往左往したが、「一生懸命考えてくれているとわかったから、私も頑張ろうと思えた」という生徒もいた。
保健室は、医務室でも家でも、ただの居場所でもないと鈴木さんはいう。「最後に答えを見つけるのは生徒自身。私にできるのは生徒と一緒に『次の一手』を考えることです」(地主明世)
子供のSOS、いち早く気づく力 小山健蔵氏
大阪教育大の小山健蔵名誉教授(健康生理学)は「養護教諭にとって、大切な力の一つが『みる力』だ」と指摘する。「患者を診る、注意して観る、面倒を看るなどの言葉があるが、すべて養護教諭の職務にいえること」だからだ。
国は子供たちのさまざまな困難に対応するため、教員と教員以外の専門職が連携するよう求めている。その「チーム学校」の中で、養護教諭は児童生徒が助けを必要としているサインにいち早く気づき、学校と専門職をつなぐ窓口となる役割を担う。
もともと養護教諭の始まりは、明治時代に目の感染症への対策として岐阜県が「学校看護婦」を採用したことだった。その後全国に広がり、昭和16年に教職員として位置付けられ、同22年に制定された学校教育法で「養護教諭」となった。
アレルギーやメンタルヘルスなど、子供たちが保健室を訪れる理由が複雑化、多様化する一方、多くの学校で養護教諭は変わらず1人だ。子供たちの学校における健康や安全管理の基礎を学ぶ「学校保健」についても、養護教諭や保健体育の教員以外は養成課程上の必修ですらない。
小山教授は「養護教諭の仕事を一人でこなすのは困難な状況だ。一般の教員も知識を持ち、養護教諭の複数配置も進めて負担を減らすことが望ましい」と指摘。「学校保健は教員になるための必修とすべきだ」と訴えている。
児童虐待・いじめ…存在感増す
公益財団法人「日本学校保健会」が平成28年度に行った調査では、保健室の1日の平均利用者数は小学校で22人▽中学校19人▽高校19・8人。保健室を訪れた子供に継続した支援を行ったとする学校の割合は、小学校から中学校、高校と学校段階が上がるごとに増加し、高校では9割に上る。養護教諭が対応した「いじめに関する問題」は小学校で前回(23年度)の3倍に増え、保健室利用の背景に児童虐待を指摘した割合は中学校で前回から倍増するなど深刻さを増している。
新型コロナウイルスの影響の分析はまだこれからだ。ただ、昨年3月の一斉休校直後から継続的に養護教諭にアンケートを行ってきた埼玉大の戸部秀之教授(学校保健)の今年の全国調査では、コロナ禍で不登校や保健室登校になったり、不安定な精神状態の児童生徒が増加したという回答が全体の4割を超えた。栄養バランスや生活リズムの乱れなどを指摘する声が減少傾向なのに対し、この項目は減っていないという。
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保健室や養護教諭の事を悪く言う子どもはいません。担任の先生たちは忙しそうにしているのでゆっくり話しかける機会がありません。また、先生の居場所は教室か職員室なので落ち着いて話すことができません。学校で静かな空間を占有しているのは校長室か保健室、学校用務員室です。
養護教諭は、身体測定や健康診断、怪我の時にも軽く身体に触れることが多いので皮膚感覚の安心感が生まれるのかも知れません。また、白衣を着ている養護の先生は、他の教員とは一線を画したように子どもには見えるのかも知れません。中には校長先生や用務員さんの部屋を好んで休憩場所にしている子どももいますが、圧倒的に保健室と養護教諭が人気です。
事業所利用の子どもたちに、私達は、担任の先生に話しにくければ保健の先生に話せばいいし、用があってからでは話しにくいので、用がなくてもちょくちょく話に行くといいと助言しています。養護教諭は外傷や内臓疾患だけでなく、学校精神保健の要でもあるので、発達障害の子どもたちの様子も知って欲しいのです。学校連携で話をしに行くと、最も発達障害の理解が早いのは養護教諭の先生です。教員は集団適応を求めがちですが、養護教諭は適応よりも子どもの目線で安心や安全を第一に考えるからだと思います。
支援学校の養護教諭は複数配置です。支援学校は通常学校の小児科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科の4校医以外に整形外科医や精神科医も校医にして対応しています。相談できる医師が多い方が心強いとは思いますが、ここに学校看護師やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった専門家も束ねて、教員との橋渡しの役割もあるので連携ストレスの負荷が一番たくさんかかる部署でもあります。子どもには暇そうに見せながらも、頭脳はフル回転の養護教諭に頭が下がります。
※座高測定は2015年に「測定の意味がない」と廃止された