ドミノで王国作り
ドミノといえば、テレビ番組などでもおなじみ、等間隔に立てて並べる遊びが思い浮かぶと思います。並べるだけでなく、先頭を倒すと連鎖的に最後まで倒れるか、わくわくしたりはらはらしたりと見守ることも醍醐味です。
ところで、このドミノですが、もともとは別の遊び方があることはご存じでしょうか? ドミノの板をよく見ると、サイコロのような模様が入っています。実はこの模様がサイコロと同じように、0~6を表していて、そのうちの二つを重ならないように組み合わせた28枚のドミノを1セットとします。そのドミノを数字が見えるようにテーブルに置いて、あとは同じ数を繋げたり、端の合計が5の倍数になるようにしたりするなど、ルールに沿って寝かせて並べていくのが、もともとの遊び方らしいです。
このような、ドミノのもともとの遊び方と同じように、森や小麦畑などのタイルを並べていくのが、「キングドミノ」というゲームです。ドミノと同じように、森や小麦畑など特徴のあるタイルが2種類組み合わさった板(ドミノ)を、プレイヤーが順番に選んで、自分の王国につなげて広げていきます。最終的には、タイルに描かれた王冠の数×繋げた同じ種類のタイルの数が自分のポイントになります。
このゲームの面白い所は、得点が高くなりやすいドミノほど、それを選んだプレイヤーは、次にドミノを選ぶ順番が遅くなります。つまり得点を狙うか、または得点が低くても(もしくは自分にとって得点が高くなる場合もありますが)次のドミノを先に選べるようにするか、という駆け引きが生まれます。また自分の王国のポイントが高くなるように選ぶばかりでなく、他のプレイヤーがどんな王国を作っているかを見て、ポイントが高くなりそうなドミノは先に選んで取られないようにするということも重要です。
先日も小学生3人と職員とで、この「キングドミノ」で遊びました。一度やってみるとルールはすぐわかり、また得点を高くするためには、王冠のイラストや同じ種類のタイルをつなげていくといった、視覚的に分かりやすいポイントで考える事ができます。子ども達も自分の得点が高くなるように、わくわくしながら次々とドミノを選んでいきます。ところが、その中の一人のGくんが、特に得点が高くなりやすい洞窟(金が取れるため)を独占していることに、他の友だちは気づきません。結果的にGくんが大差を付けての勝利。他の友だちたちは悔しがりながらも、次は洞窟の独占を防ごうと話していました。
ボードゲームは楽しいことが一番。ですが、その中には子ども達の気づきになるさまざまな要素があります。なるべくその要素が多そうなボードゲームを選んで取り組み、コミュニケーション・社会性に繋げられるよう支援していきたいと思います。