すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

待つこと

「待つこと」とは、スタッフに求められていることです。集団指導の時、子どもが何らかの理由で予定に従えなかったり向かうのが遅かったりすることが良くあります。ほとんどは同じ子であることが多いです。そんなとき、大人は「またか」と思ってしまいます。でもそれはきっと従えない子どもの方も「マタカ」と思っているのです。

コミュニケーションが苦手だったり、リーディングマインドが弱いと日課の切り替え場面で混乱する人がいます。理由としては、一つは次に何をするのか分からない場合。二つ目は、やる事は分かっているけど「やらされるかもしれない」という大人の強制力に不安を感じてしまう場合です。三つ目は、その不安を解消する質問や援助や交渉のコミュニケーションができない場合です。

実は一つ目と二つ目は裏表なのです。やる事がわかっていれば自発的に行動を起こしたことで大人に褒められるので、それが動機となって良い循環ができて習慣になります。やる事がわからないと、大人にいつも依存して行動することになり自発行動を行う機会がありません。ややゆっくり行動を始めていても「早く」とか「行くよ」など、現在の行動へのやや否定的な評価が多くなり褒める機会が作りにくいのです。

また、ゆっくりの行動する理由には、見通しがないまま行動をする不安感情があり、促しの指示には「いや」「まだ」「やめて」という拒否が起こり易い心理状態にあります。ここで、「行くよ」「はやく」などと指示しようものなら不安が強ければ強いほど過剰に反応して、表出コミュニケーションの弱い人は拒否するしか方法がありません。子どもの「いや」「まだ」には、切り替え時に見通しが「わからない」不安と「やらされる」不安に満ち溢れています。

「次はこれをするよ。終わったらこれがあるよ」という見通し情報を本人が理解できるモードで示し、気長に待てば、行動を起こした時に褒めることができます。人は行動に自分の利得がある場合にのみその行動が強化されます。同じ行動をしても利得がなければ弱化・消去します。子どもの利得の多くは大人に承認されたり褒められる事ですが、人によっては「お気に入り」の獲得からアプローチする場合もある事を理解しておく必要があります。

「待つこと」で自発行動を重視するのは良い行動を強化(持続)したいからです。そして、その人の理解し易い方法で情報提供できていれば、自発行動は起こりやすくなり、理解しにくい情報提供なら拒否行動は増えるという大原則にいつも立ち戻る事が大事です。

梅林まで

本日も西山へ行きました。先週が寒かったためか、梅のつぼみは固くなってしまったようです。今日は分岐点から梅林と河陽が丘の分かれ道まで光明寺から40分ほどかけて歩きました。梅林の入り口は竹に侵食されていて跡形もありませんでした。今度はもう少し奥まで(縦貫道が地下を走っている上を超えて)歩いてみようと思います。ちょっと北風がひんやりして、今日は上着が必要でした。

見えない約束

A君がB君に「今日の自由遊びいっしょにマインクラフトしような」「OK!」とB君引き受けます。C君が帰ってきてB君に「後で遊ぼうな」「OK!」とB君はさっきの約束は忘れて安請け合い。さて、自由時間A君とC君がバトルになります。「B君は僕と約束した」と主張を譲りません。

この人たちは見えていないことを想像するのがとても苦手なのです。「・・・なるほど僕の知らないところで約束したのだな、B君の浮気者め」と想像できないのです。
心の理論課題の「サリーとアン課題」を下図に掲載しました。
1 サリーとアンが、部屋で一緒に遊んでいる。
2 サリーはボールを、かごの中に入れて部屋を出て行く。
3 サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移す。
4 サリーが部屋に戻ってくる。
上記の場面を被験者に示し、「サリーはボールを取り出そうと、最初にどこを探すか?」と被験者に質問します。正解は「かごの中」ですが、心の理論の発達が遅れている場合は、サリーは「知らない」ことが想像できず「箱」と答えるのです。 通常5歳を超えると直感で「知らないこと」がわかると言います。ASDの人たちは高学年にになって理屈で理解すると言います。

相手の心を読むのが苦手なので、それがいじめの原因になったり、就労のつまづきになったり、社会生活上の対人関係の誤解・こじれにつながります。

 

 

初雪

朝方降雪が続きました。この冬初めてではないでしょうか。明日も寒いと予報は伝えていますが、雪は今日で最後かもしれません。さすがに寒いので部屋の中でおもちゃのボーガンで筒倒しをしました。うるさくないように紙製の筒(チップスター)を的にして積んで倒します。

混乱しているときには視覚支援

Z君、学校でいつもお気に入りで見ていたホームページの表示が潰れてしまい、誰に話しても解決できないので大混乱して帰ってきました。テレビの番組は番組終了などまだ予告があるからいいですが、WEBサーバーの故障は誰も予告できないです。

スタッフは、床に突っ伏して大声を上げているZ君にあれこれ慰めるのですが、効果がありません。「(作業もしなくちゃいけないけど)そんな気にはなれないよー」と怒っています。こちらに解決策がないときは、あれこれ言わずに「それは残念だね」「どんな気持ち」と感情カードで気持ちを表出してもらい「残念だったねー悲しいねー」と共感するだけでいいのです。あれこれ言っても、普段でも苦手な聴覚情報は混乱のもとです。残念なことは共感しつつも「小さな声でお願いします⇒大好きなご褒美があります」と視覚情報でこちらのお願いを伝えます。