すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

注意喚起行動

Rちゃんは、いたずらばかり。お水の入ったコップをひっくり返す。プリントをやぶる。食べ物を落とす。その行動の原因は自分に注目して欲しいからという注意喚起行動でした。

困った行動の原因が「注意喚起」のときは叱ったり注意をしたりすることは、その子が求める「注目」という要求が満たされたことになるため、あえて反応を返さずに、サラリと流します。ただ、不適切行動をスルーすると、バースト行動と言って、激しいいたずらにエスカレートしていくので、無視は大変危険です。注意を引きたい時は、いたずらではなく相手の名前を呼ぶ、肩をトントンする、カードを手渡すなどの行動に置き換えるのがセオリーです。

それと同時に、お手伝いや大切な役割を担う活動を通して、「ありがとう」「よくできたね」をたくさん伝えます。いたずらではなく、人に喜ばれることで注目される喜びを感じる困った行動は減っていくというのが行動療法の教科書には書いてあります。しかし、言うは易し、行うは難し。大人の冷静さと気長さが求められます。

余暇を探す

Q君は暇な時間が上手に過ごせません。ブロックを組み立てるとかyoutubeを見るとかキャラクターを並べるとかの興味のあることがあまりないので、大人の注目を集めるようないたずらをします。PCの電源を引き抜いたり、ドアから出たり、仲間の作業の邪魔をします。

余暇の過ごし方は、本人の好きなことを保障します。しかし、好きなことが大人の注目を集めることとなると目が離せなくなります。余暇とは余った暇と書きますが実は大変重要な意味を持ちます。自分の楽しみを実現する時間です。もちろん、対戦スポーツなど人を必要とするものもありますが、基本的には一人で楽しめる活動がないと自立が困難となります。

Q君はロゴや文字などの書写の能力がありそうなので、レタリングやカラーリングの作業が好きにならないだろうかなどと話しています。考えてみれば、本来、余暇の内容は本人が決めるもので、他人が余暇の内容を考えてあげるというのも不思議な感じですが、人がいなくても一人で過ごせるというのは思春期以降の大切な力です。Q君の余暇が見つかるように、彼の強い力を生かせるものを考えていこうと思います。

個別療育型事業所

9月は利用者のモニタリングの時期です。計画した支援計画通りに支援ができたかどうか、その到達と課題を明らかにする会議がたくさん入る時期です。

支援計画に立派なことが書いてあっても、「あれ?こんな支援してないなぁ」ということがよくあります。いくら紙に書いて議論したからといっても、毎日の支援の中ではついついいつも通りの支援を進めてしまうことがあります。これは、生活支援型の療育の弱点です。

毎日対象者を決めて課題に直接迫る個別療育型の支援ではこんなことは起こらないのですが、その分支援に「幅」が出ません。生活型療育と個別型療育をうまく組み合わせていけばいいのですが、一事業所では、スタッフがそんなに器用に立ち振る舞えないのが現状です。

そういう意味で、10月から立ち上がる新事業所の役割と成果に期待が寄せられています。新しい事業所は、個別療育と集団療育が組み合わされています。特に、自分の特性理解や、それに基づく学習方法をスタッフと一緒に考え実践していきます。自分のいいところを伸ばしたいと思っている高学年の小学生から中学生を対象にしています。自学自習のスタイルを作っていくには保護者の方にも協力をお願いすることになります。毎日5名程度の療育を考えています。詳しくはステップまでご連絡ください。

障害観

O君にP君がしつこく乱暴をしたので「だから障害なんや」とO君が吐き捨てた言葉について、スタッフで議論しました。障害は悪いもの、人より劣るものという見方は、言葉で言い聞かせたからと言って本音のところで修正できるものではないなぁという話になりました。

本来、自分の特性である得手不得手への考え方は、家庭や学校で粘り強く取り組んでいくしか方法はありません。算数障害のある子が宿題を電卓でやろうとしたら、それでは苦手なことが治らないと家族に言われ、「やっぱり僕はあほなんや」と嘆いていた話があります。いくら、放デイで「人の力はみな凸凹していて、それが激しい人もいるけど、それは治すのではなく視力の悪い人が眼鏡をかけるように、弱い力を補う工夫が大事で、人と同じように裸眼で努力して見ようとすることではない」と話しても、家や学校で「みんなと同じにできなければ努力したとは言えない」と一蹴されてしまうなら、彼らの優れた力は引き出せません。

でも、考えてみると放デイでも様々な問題を抱えた子が多いので、トラブルが結構起こり子どもらを叱ることが少なくありません。せめて我々が、子どもの優れたところやいいところをいつも言葉にして評価しなければ、O君のように「だから障害なんや」という言葉に打ち勝つことはできないなぁと話し合いました。

 

ビニールプール

昨日O君の保護者から「昨晩寝てたらエアコンが壊れて熱中症で救急で診てもらいました」と連絡を受けました。もうエアコンがないと京都の夏は越せないようです。

夜中だけでなく、立秋過ぎても昼間の酷暑も激しく、ここは東南アジアか中東かと思わせるくらいの気温で子どもたちはずっと外に出るのをがまんしていました。実はビニールプールの購入は梅雨明けから考えていたのですが、武漢ウィルス予防でご近所の目が気になって自粛をしていたのです。しかし、低学年に一日中部屋の中で過ごせというのも不健康な話なので、遅ればせながらビニールプールを購入しました。

今日も外から嬉しそうな声が聞こえてきます。聞けば、政府は武漢ウィルスを、感染症法上の指定感染症の分類相当の見直しに入るそうです。結核と同じ2類相当からインフルエンザと同じ5類に引き下げる方向だそうです。これまでは、何が何だかわからなかった感染症の実態が、次第に明らかになり適切な予防策になることは良いことです。猛暑はまだまだ続くようなので、水浴びが気兼ねなくできるようになって欲しいと思います。