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免疫学の権威が断言「コロナ第2波なんかない!」集団免疫でしか終息しない

2020年7月28日 11:00 0【東スポWeb】

新型コロナウイルスの感染者が東京を中心に増え続けている。第2波の訪れと認識し、緊急事態宣言の再発令を求める声や22日に始まった「GoToトラベル」キャンペーンに伴う県をまたぐ移動に懸念の声が高まっている。そんな中、免疫学の権威として知られる順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村康氏(78)と京都大学特定教授の上久保靖彦氏(53)が27日に都内で新型コロナウイルスに対する緊急会見を開催し、第2波の到来を真っ向否定した。

感染の危険性と隣り合わせの生活が始まった。3密を避ける工夫が行われるようになり、マスクの着用も必須となった。

だが、奥村氏は「頭隠して尻隠さず。数字的にマスクの効果があるのか疑問に思う。僕はまったく効果があるとは思わない」と話す。

新型コロナは集団免疫によって終息すると考えている奥村氏はその根拠として「過去に世界で流行したスペイン風邪や香港風邪、あるいはSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)など、いずれも最終的に終息したのは、人間が集団免疫を持ったからである」と述べた。

「今は猛威を振るっている新型コロナも最終的には集団免疫によって抑え込まれていくし、それ以外に人間が勝利する道筋はない。自粛などしないで普通に生活を送れば多くの人が感染し、免疫を持つまでの期間を短縮できる。しかし、それは犠牲者が増えてしまうので現実的ではない。なるべく犠牲者を少なくしてから感染経験者を増やしていく戦略を考える必要がある」と断言した。

さらに「日本人の多くはすでに抗体を獲得しているはず」とも発言。

「新型コロナでは、PCR検査陽性の人でさえ、9割以上は無症状。それは、感染後5日から1週間で抗体ができるから。インフルエンザでは、ワクチンを打ってない人も抗体検査をすれば必ず引っかかる。電車や街中で知らず知らずのうちにかかり、症状が出ないうちに治ってしまうためだ。同様にコロナの集団免疫はできると考えている」と見解を明かした。

上久保氏は感染拡大を防ぐ取り組みを疑問視してこう語る。

「免疫がなければ感染するし、免疫があれば感染しない。人との距離を離したからといって唾が飛ばないというわけではない。ウイルスなどの微生物はあたり一面にいる。いくら離れようと全く関係ない。密とかそういうことは、実はまったく関係のない話だ」

会見ではヨーロッパの人口100万人当たりの新型コロナウイルス死者数のデータが記されたグラフが公開された。どの国も右肩上がりに死者数が増加しながら、あるところまでいくと急激に減少している。

グラフについて上久保氏は「各国順番に感染が来て、ある時、必ず落ちていく。急激に死者曲線が終息に入る。山の高さは変わるけれど、曲線の形態は必ず同じ。ロックダウンや行動制限によって終息したというよりも、みな同じ形で、ある段階で突然のように死者数が急激に減少する。このデータから、私どもは集団免疫が達さ(れ)ないと終息することはないと考えている。このデータはその証拠であると捉えている」と説明した。

感染者数は増えているものの、死者数はかなり減っている。このままある程度のところまでいけば、自然と終息するということなのだろうか。

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iPs細胞でノーベル賞を受賞した山中教授は、「なぜ日本人の死亡者は二けたも少ないのか」「ジャパンミラクルと世界から言われる謎を解くファクターXを見つける必要がある」と言います。同じ京都大学で「専門家でもないくせにと、政府専門家会議から無視されてきた」という上久保教授らの解析が注目されています。

上図に示すように、確かにインフルエンザ患者グラフの腰折れ時期が、先発の2種類の武漢ウィルスが日本にやってきた時期と考えれば、これに免疫細胞が反応してサイトカインを放出した結果インフルエンザウィルスが増殖できずに収束したことはうなずけます。

また、あれこれの理由で武漢ロックダウン後も中国渡航者を長く迎え入れた結果、多くの日本人に武漢ウィルスが感染して免疫がつき、いよいよ強毒変異した武漢ウィルス(武漢・欧米強毒型)が来た3月中頃には多くの日本人が免疫をつけ無症状か軽症で患者が抑えられてきたことも理にかなっていると思います。

そして、すでに昨年12月から感染が広がった日本人にPCR検査をすれば、症状はないけれどもウィルスを検出してしまうのも合点がいきます。ここで言えることは、約42万人が死亡するとの試算を公表した8割おじさんの意見やPCR検査を増やせば感染を予防できる等と煽っていたメディアは、3月末からこのエビデンスを示して主張していた上久保教授らの主張を全く取り上げなかったという事実です。

報道の自由とは報道しない自由とは違うはずです。発達障害情報にもメディアが煽る話もあるし、報道しない確かな情報もあります。SNSなどが発達してきた現在、まったく知りえない情報は少なくなったとは思いますが、最後は一人一人がどの情報を選び取り採用するかにかかっています。

学習指導の課題は、小中高ともに8割以上が「ICTの活用」

小学校の夏休み「2週間未満」25%最短は9日間

【朝日新聞】2020年7月17日 20時36分

コロナ禍で休校を実施した自治体のうち、今年の小学校の夏休みを2週間未満(土日含む)とした自治体が25%に上ることが、文部科学省の調査でわかった。今月の豪雨被害による休校で、さらに短くせざるを得ない自治体が出る可能性がある。

調査は全国の公立小中高校などの夏休みの日数や、休校中・再開後の課題などについて、全市町村や都道府県の教育委員会に6月23日時点の状況を尋ねた。

小学校を休校した1715自治体のうち、夏休みの日数を一番短い「9日」にしたのは105(6%)で、2週間未満が25%だった。中学校を休校した1745自治体については、一番短い「9日」が139(8%)で、2週間未満は28%だった。

小中学校ともに、一番多かったのは「16日」(小学校21%、中学校20%)で、「23日」(小学校11%、中学校11%)が続いた。

高校を休校した154自治体については、一番短い「4日」が1、次いで短い「9日」は10で、2週間未満は18%。最多は「23日」(18%)だった。

また、本来なら夏休みだった期間に授業をする場合、給食を実施する自治体は小中学校ともに95%に上り、半日授業や昼食持参の自治体以外はほぼ実施することがわかった。

文科省によると、小中学校の夏休みは例年、寒冷地を除くと、7月下旬から40日程度としている地域が多い。ただし、近年は冷房の導入で期間を短縮する自治体も増えている。

一方、休校中に学校が課した家庭学習では、「同時双方向型オンライン指導」が高校で47%だったのに対し、小学校で8%、中学校で10%にとどまった。複数回答可で休校中の学習指導の課題を尋ねたところ、小中高ともに8割以上が「ICTの活用」を挙げた。(宮崎亮)

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このブログでは何回か小中学校のICT教育が進まず、諸外国から大きな後れをとっていることや、ICT教育をうまく使えば発達障害、特にLD児の支援に大きな効果が期待できることを書いてきました。

今回は武漢ウィルスで思うように教科学習が進まなかった子どもに対して、長期休業中にICT教育が使えたらという先生方がいかに多いかという記事でした。

問題は一人一台の電子機器とwifiをはじめとするリモート環境が家庭に準備できないという事です。しかし、一方で小学校低学年では3割の子どもが、中学では7割の子どもがスマートフォンを所有しています。勉強道具より遊び道具のリモート環境が成立しているのが我が国の現状です。

すてっぷでは、この間リモート学習教材の試用をしてますが、子どもたちは1か月もしないうちに半時間程度の学習に取り組めるようになります。デメリットは子どもによっては障害特性に合っていない教材があることですが、自学自習の学習態勢(自分で自分に合った速度で勉強をすすめる姿勢)を育てるにはICT教材が最も適していると考えています。

 

人権を守る方法

「おかねのけいさんできません」男性自殺 障害の記載「自治会が強要」

【毎日新聞】7/31(金) 10:37配信

知的・精神障害がある男性(当時36歳)が自治会の役員らに障害者であることを記した書面を書くよう強要され、自殺したとして、男性の両親が自治会と役員らに計2500万円の賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。両親によると、男性は「おかねのけいさんはできません」などと障害の影響についても詳しく書かされ、他の住民にも見せると告げられた翌日に自殺していた。31日に第1回口頭弁論があり、役員らは争う姿勢を示した。  

◇遺族が提訴、自治会役員らは争う姿勢  

訴状などによると、男性が1人暮らしをしていた大阪市内の市営住宅では2019年11月、自治会の班長を住民同士がくじ引きで選ぶことになった。男性は障害を理由に選考から外してもらうよう役員らに求めたが、「特別扱いできない」と聞き入れられなかった。  

役員らは集会所で男性と対応を話し合った際、障害があることや日常生活への影響を記すよう要求。男性が書面を作成すると、役員らは他の住民にも書面を見せて男性のことを紹介すると説明したという。翌日の11月25日、男性は自宅で命を絶った。  

書面は便箋2枚に手書きでつづられ、「しょうがいか(が)あります」という言葉で始まる。「おかねのけいさんはできません」「ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります」「ごみのぶんべつができません」などと苦手なことを列挙し、文頭に×印を付けた。「となりにかいらんをまわすことはできます」などと、可能なことには○印を付けたとみられる。  

◇両親「障害有無は個人情報」

両親は「障害の有無などは他人に知られたくない個人情報。必要性がないのに本人の意思に反して書面作成を強要した」として、プライバシーや人格権の侵害を主張。他の住民に見せると伝えて心理的な負担をかけており、役員らは自殺を予見できたと訴えている。  

一方、役員は「どうすれば他の住人の理解を得ながら、男性を班長選出から外せるか模索した」として、強要を否定。書面の作成については「嫌がっているそぶりはなかった。ストレスのない方法を選択して適切だった」と主張している。  

近くに住む兄(41)によると、亡くなる前夜、男性は「言いたくないことまで根掘り葉掘り書かされた。さらし者にされる」とため息交じりに話し、落ち込んでいたという。兄は「弟は真面目でおとなしく、障害もあって他人に指示されると抵抗できなかった。自殺に追い込んだのは許せない」と話す。【伊藤遥】  

◇自殺した男性が書かされたとされる書面(一部)  

しょうがいか(が)あります

○2500えんは ふうとうにいれれます
×おかねのけいさんはできません
○1たい1ではおはなしできます
×ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります
○となりにかいらんをまわすことはできます
○ひととあったらあたまをさげることはできます
×いぬとかねこはにがてです
×ごみのぶんべつができません
○自てんしゃにはのれます
○せんたくはできます ほすこともできます
○どこでもすーぱーこんびにはかいものできます
○くやくしょびょういんにはいけます
×かんじやかたかなはにがてです

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PTAや保護者会、町内会の役員決めはお互いの交流が薄ければ薄いほど、えげつない決め方をしていることを耳にします。そして、人権が尊重されない場所では、いつも弱い人にしわ寄せが行きます。お年寄りの場合も一人暮らしであれば役員が回ってきます。役員を回避するために「生年月日」や「一人暮らし」の証明が求められている地域もあります。

逆に、「役員は嫌だから町内会費も払わないPTA会費も払わない」ことで組織に所属する意思のないことを表明して関係を一方的に断つ人もいます。地域社会が崩れてきた結果、周囲が「異質者」を晒し者にするか、自ら無関係を晒すかという両極端の現象です。いつか自分も社会的弱者になるという想像力の欠如でもあります。

どうして「手伝いますよ、一緒にやりましょう」の一声がかけられないのでしょう?人はみんな違うのですから、それを認めてお互いに手を差し出し手をつなぐこと以外に人権や健全な社会を守る方法はありません。

強度行動障害

物を壊し親に手上げ…強度行動障害、支援の現状は

【西日本新聞】7/31(金) 11:03配信

急に飛び出して命の危険がある、物を破壊する、人を傷つける-。こうした行為が頻繁に表れる「強度行動障害」。知的、発達障害がある人の1%程度とされ、見守りが難しく、家族だけで孤立しがちという。ほとんど知られていない当事者の暮らしを見つめ、配慮や支援のあり方を考える。

◇◇

強度行動障害がある北古賀弘紀さん(28)は福岡市の生活介護事業所「おおほり苑」に約10年前から通うようになり、暮らしが落ち着いてきたという。この通所施設では、どんな支援が行われているのだろう。

もともとワンフロアだったという部屋が個別のスペースに区切られていた。23日午後。あいにくの雨の中、弘紀さんは生活支援員の松原俊輝さん(22)と相合い傘で外に出かけた。

個別に異なる時間
この日の作業は、空き缶の回収を呼び掛けるポスティング。歩いて地元の一戸建てを回り、チラシを丁寧に入れ込んでいく。昔は止まった車を見つけると、ホイールやワイパーを壊そうと走りだすこともあったという弘紀さん。「そんな気配があるときは、さりげなく間に立つなどして遮れば、また作業に集中してくれます」(松原さん)

小一時間で施設に戻った後は、自分専用の作業机で紙を折ったり、シールを貼ったり。予定をすべてこなした「ご褒美」として、また2人で近所のスーパーへ。好物のおやつを買い、弘紀さんは満足そうだった。

全員でレクリエーションをするなど一般的な生活介護事業所とは違い、ここではそれぞれが個別の環境で異なる時間を過ごす。

親元で自立難しく
身近な人を傷つけたり、ものを破壊したりする強度行動障害。「本当はしたくてしているわけではなく、自閉症などの特性によって環境の理解や意思の表現が難しく、本人が何かに困っていることの現れ」と施設長の増山利幸さん(44)は指摘する。「一度でも起こすと続けてしまう人には、行動を予測し、まずさせないことが大事。困った気持ちを周りが受け止め、適切なコミュニケーションを教えていくんです」。それが本人の自信や自立にもつながる。

ただし、何が苦手なのか、原因や要因は人それぞれ。一定のスペースなど物理的環境をととのえれば落ち着く人もいれば「弘紀さんのように、身近な支援者が信頼できるかどうか人に左右される」場合も。利用者一人一人にじっくり向き合い、見極め、対応を試行錯誤していくため「やはり時間は掛かります」。1人に対して3人の支援員が必要なこともあり事実上、一度に多くの受け入れは難しい。何より支援者側の知識や経験が問われていく。

同施設は利用者約50人のうち、知的障害などの重度者が約9割。母にかみつき、ひっかき、長期間自宅に引きこもっていた人、突発的にフロントガラスを肘で割る人、次の行動に移るまで気持ちが切り替えられず長時間、その場を動かない人…。家族からのSOSに応じ、同僚や後輩と支援ノウハウを共有しながら、こうした強度行動障害のある人も受け入れ続けてきた。

「わが子と必死に向き合い、将来に不安を感じながら毎日を送ってきた高齢の親御さんばかり。親元ではどうしても生活パターンが改善されにくい。行動障害を軽減させ、自立をサポートしていくのが、やはりわれわれ支援者の役目ですから」(増山さん)
しかし、こうした通所施設は「少数派」だ。

地域の一員として
おおほり苑を運営する社会福祉法人「福岡障害者支援センター」理事長の野口幸弘さん(66)は、強度行動障害のある人の支援策を模索してきた「福岡市強度行動障がい者支援調査研究会」の座長を務めている。

初代の同施設長でもあり、若手職員向けに独自の研修を行うなど「家庭生活が困難でも、当事者が住み慣れた地域で暮らしていく」ための通所施設やヘルパー、グループホーム(GH)を想定した人材育成に取り組んできた。

国レベルでも専門の支援者養成研修制度が始まり、修了者によるサービスを提供する施設やGHなどには報酬を加算する制度もできたものの、「残念ながら、積極的に当事者を受け入れようと考える事業者がなかなか増えない」ことがもどかしいという。

日中活動への報酬自体の低さや、支援の難しさ以上に、野口さんが感じるのは「障害が重い人ほど親が面倒をみるか、みられなくなれば入所施設へ、という古くからの固定観念が、当事者や支援者側にまだまだ根強い」現実。GHなどへの公的補助を充実していくためにも、社会全体の意識改革が必要となる。

「どんなに支援が難しい人でも、いろいろ関係性を模索していると、意思が通じ合い、ニコッと笑ってくれる瞬間がある。かわいいんですよ。家族も職員も喜んでくれる」と野口さん。そんな笑顔を多くの人が知れば、社会も変わっていくのかもしれない。

(編集委員・三宅大介)

【ワードBOX】福岡市強度行動障がい者支援調査研究会
2004年、福岡県内の入所施設で起きた虐待事件を機に、当事者を地域で広く支援する施策を模索する目的で06年、市内の学識者や行政、福祉関係者で発足。実態調査などを行い、支援者側の人材育成や、個別に行動面の課題軽減を目指した集中支援など、市内のさまざまな事業展開に関わる。昨年の実態調査によると、市内の強度行動障害のある人は346人(市外の施設利用者を含む)。

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記事での強度行動障害の人数は成人の数だけをあげていますが、児童でもほぼ同じ比率で他害や自傷があります。大人の力で抑えきれなくなって強度行動障害という名になるだけであって、その兆候は小さな時期からあります。大事なことは、行動障害を予防する観点で生活や学習が組み立てられるかどうかにかかっているということです。

話し言葉の苦手な子どもに代替コミュニケーションの支援や環境調整を障害特性に基づいて支援できていれば多くの行動障害は減少していくし、予防できます。もちろん、強い感覚障害や感情調整の難しさがあって薬物療法も並行して必要になることもありますが、薬物療法は対症療法でありメインではありません。行動障害の予防も対応も、その主軸は障害理解による正しい行動支援以外にはありません。

 

GOMESSが託した思い

大反響の発達障害のCM 「障害者? 違う、僕は僕」 当事者のラッパー・GOMESSが託した思い

深澤友紀2020.7.11 17:00【AERA】

昨年6月にYouTubeで公開された「発達障害をテーマにしたドキュメンタリーCM」が共感を集めている。発達障害をテーマにしたドキュメンタリーCMの何が心に刺さるのか。AERA 2020年7月13日号から。
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東海テレビが制作した発達障害をテーマにしたドキュメンタリーCM「見えない障害と生きる。」が、反響を呼んでいる。昨年6月にYouTubeで公開されると現在までに145万回以上再生され、JAA広告賞消費者が選んだ広告コンクールの経済産業大臣賞や日本民間放送連盟賞のCM部門最優秀賞などを受賞した。発達障害は「見えない障害」の言葉通り、映像化も難しいテーマだが、なぜ視聴者の心に刺さる作品が生まれたのか。

全編で5分間のCMには、発達障害の一つ、学習障害(LD)で文字が読めない教師や、聴覚過敏で周囲の音に襲われる学生、独特のこだわりを持つ掃除好きの男性など6人の発達障害当事者が登場し、最後は自閉症のラッパー、GOMESS(ゴメス)さん(25)のラップが90秒間続く。
カメラを見つめ、画面の向こうの「あなた」に問いかけるGOMESSさん。冒頭はこうだ。
僕は誰だ人間
でも僕はフツウじゃないらしい
だから何だ障害者健常者
違う僕は僕だ
言葉に騙(だま)されないで
障害は確かにあるけど
僕とあなたの間にあるその障害は僕だけのものじゃないと思うんだよ

GOMESSさんはラップに込めた思いをこう語る。
「『障害者』という言葉で線引きするのっておかしいと思っていて、生きづらさがあって見えている景色が違うだけ。同じ人間なんだと伝えたかった」
10歳の時、パニックを起こしたことを機に自閉症と診断された。特に聴覚過敏が強く出て、鳥が電線から羽ばたいた音や、父親が新聞を広げる音などでパニックになり、周りにあるものを壊した。15歳までの5年間は学校にも行けず、「世界のすべてが敵だと思っていた」。

ただ、振り返ると、「家族が僕を愛してくれて、言葉掛けや行動をすべて変えて協力してくれた」。事前に「今から掃除機かけるよ」と教えてもらうと心の準備ができ、パニックを起こさないでいられた。音楽が好きになると、親は毎週図書館に連れて行ってくれ、CDを借りてさまざまな音楽を聴いた。そこで出合ったのがラップだった。
「うまくしゃべれなくても、このラップでうまくやってきたし、いろんな生き方がある。こんな人間もいるんだと知ってほしい」

6歳の当事者の男の子と両親が登場するシーンでは、「ゆっくりだけど、みんな学んでいる。」というコピーが映し出される。CMのプロデューサーを務めた東海テレビの桑山知之さん(30)は言う。「はじめは『ゆっくりだけどちゃんと学んでいる』というコピーだったんですが、僕が変えようと提案しました。子どもだけじゃなくて、周りも一緒に成長しているから」CMの中で母親は「対応の方法もわからず間違った声かけをしていたけど、(発達障害を)勉強するうちに、彼のわかりやすいように対応できるようになってきたのかな」と語っている。「障害があるからといって、助けるとか手を差し伸べるのではなくて、人と接するときに相手を知って相手に合わせることって当然のこと。そこを伝えたかった」(桑山さん)

片づけが苦手で離婚した注意欠如・多動性障害(ADHD)の女性もCMに出演。女性の「パッと見、フツウに見えるからわかってもらえない」というせりふの通り、発達障害は見た目でわかりにくく理解されにくい。「映像化しづらくてテレビでもあまり取り上げられてこなかったテーマだけど、だからこそ伝えたかった。最後のラップや聴覚過敏の男の子が周囲の音に襲われる演出などは、テレビのドキュメンタリーではやらない手法。広告的な視点があったから、生まれた動画だと思います」(桑山さん)

(編集部・深澤友紀)※AERA2020年7月13日号