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みんなちがってみんないい

子どもと上手く関われない指導員

放課後等デイサービスで、子どもと上手く関われない指導員のタイプは2つです。
・子どもの発達段階や心情を踏まえず、高圧的な態度で一方的な指示や注意を繰り返してしまう人。
・子どもの言いなりになってしまい、プログラムへの参加を促せなかったり、問題行動をを止められない人。
高圧的なタイプは比較的改善が見込みやすいです。こうした態度はあからさまに子どもの反発を招くため、指導者からも管理者からも問題として認識されやすく、そういった意味では対策を施しやすいです。対応が難しいのは、子どもの言いなりになってしまうケースです。なぜなら、子どもはルールを守ることを求める指導員よりも、自分が何をしても許してくれる指導員のそばにいることを好むからです。そのため、子どもの言いなりになる指導員はしばしば「自分は子どもから慕われている」と勘違いしてしまうからです。

子どもの言いなりになる指導員は、表面的には子どもから慕われているように見えても、本当の意味での信頼は得られていません。その証拠に、このタイプの指導員は常に子どもの暴力・暴言の対象になります。「この先生なら叩いても悪口言っても叱られないだろう」と思われているのです。実際その通りなので暴力や暴言を受けてもそれを止めることができません。それを放っておくわけにも行かないので、やむなく他の指導員がその子の対応に入ることになります。1人の子に複数の指導員が関わることになるため、その分他の子への支援が手薄になります。

子どもの言いなりになる指導員の存在は、他の指導員も巻き込んで事業所運営を困難にさせる上、何より子どもに「相手次第でルール破りは構わない」と誤学習をさせてしまう点で問題です。しかし、こうした指導員に管理者が「子どもの言いなりになるな」と頭ごなしに指示しても納得し難く、かえって反発を招くことがあります。先に述べたように、指導員自身は「自分は子どもから慕われている」と思い込んでいることが多いため、こうした指示を「子どもに良かれと思ってやっていることを否定された」と受け止めてしまうからです。こうした理由から、高圧的な態度の指導員に比べ、子どもの言いなりになる指導員のマネジメントはずっと難しいです。管理者として無理に指示を押し通そうとすれば、関係が壊れかねません。

この場合、指導員のマネジメントではなく、より大きな視野で考える必要があります。つまり、事業所が掲げるサービスの目的とルールを考えます。私たちは子どもに何を提供しようとしているのか。それを提供するためにどんな仕組みを用意するのか。「不適切な指導」は、この二点が明らかになっていないときに生まれてきます。「子どもの言いなりになる指導員」の問題は、施設としての目的を明確にできていない経営側の問題であり、その目的を実現する仕組みを構築できていない管理者の問題でもあります。

「子どもの言いなりになる指導員」にお困りの経営者は、以下の項目を点検してみると思い当たる節が出てくるはずです。
・施設の目的を文章化し、雇用している人全てに浸透していますか。
・経営者であるあなた自身がその目的を追求していますか。
・指導員の動きについて、言語化してスケジュール化されていますか。
・トラブルへの対応の原則について、文章化されていますか。
・問題行動を繰り返す特定の子どもについて、指導員の間で対応方針は一本化されていますか。
・充分な研修やフィードバックの時間が取れていますか。
これらのポイントをきちんと抑えていれば、経営者や管理者が「子どもとうまく関われない指導員」対して「私たちはこういう目的のもと、こういう仕組みで子どもと関わっている。貴方もこれを理解して指導してほしい」と話ができます。その結果、指導員がそれを受け入れてくれるにせよ、受け入れてくれないにせよ、筋の通った話し合いができ、事業所全体でも具体的な改善につながると思います。

「ゲームは1日60分」香川県議会で成立

以前大阪市長のネットゲームと不登校の発言を、産経新聞が勇み足で取り違えたという記事を掲載しました。「スマホ・ゲーム利用と不登校1/17 」その中で香川県が条例化する話を掲載しましたが、今日成立したそうです。何度も書くように、家庭の子育てを支援する施策を考えることこそ大事だと思うのです。そういう意味では茂木先生の考え方もぶっ飛んでいて、家庭は文明問題で困っているのではないという事です。せめて食事は家族で一緒に食べたい、子どもの睡眠時間が心配だという親の不安も少なくないのです。この不安をどう解消するかが命題だと思うのです。

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「ゲームは1日60分」 依存症対策条例、香川県議会で成立 全国初
2020年3月18日 11時29分 毎日新聞 WEB

18歳未満のインターネットやゲームへの依存を防ぐことを目的にした「ネット・ゲーム依存症対策条例」が18日午前、香川県議会で可決、成立した。「ゲーム時間は1日60分」などと家庭内で守るルールの目安を規定。罰則はないが、努力義務として求める。同様の条例は全国初で、4月1日施行される。

<香川ゲーム条例案>「パブコメ詳細示せ」 自民「賛成しない方向」共産「反対」
条例は依存防止に向けた県や学校、保護者の責務を規定。家庭内ルールの目安として▽18歳未満のゲーム時間は1日60分(休日は90分)まで▽小中学生以下は午後9時、高校生などは同10時以降、スマートフォンなどの使用を控える――の2点を示し、子供が守るよう保護者に求める。

県議会は2019年9月に検討委員会を設け、制定準備を進めてきた。「家庭への介入」などと批判もあり、提出した条例案は素案から一部を修正。「スマートフォン使用などの制限」を「家庭におけるルールづくり」に、使用時間の「基準」を「目安」にそれぞれ改めた。【金志尚】

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ゲーム依存防止条例に苦言「これからの世界で必要な子どもの能力のモデルが古い」
2020年3月18日 13時55分スポーツ報知

茂木健一郎

脳科学者の茂木健一郎(57)が18日、自身のツイッターを更新。子供のゲーム利用時間について1日60分までを目安としたルール作りと順守を家庭に求める全国初の条例が香川県議会で可決、成立した問題に私見をつづった。
同条例はこの日、子供のインターネットやゲーム依存症対策として成立したもの。茂木氏はこの問題を伝えたネット記事をツイッターに貼り付けた上で「香川県議会の先生方は、ご自身の判断の中でベストの選択をされたのでしょうが、残念ながら、前提になっている学力観、文明感、これからの世界で必要な子どもの能力のモデルが古いです」とコメント。 さらに「ゲーム利用時間制限とか、ゲーム禁止とか、意味がわからない」とつづっていた。

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危険率

武漢ウィルスの感染率やら死亡率やらを考えていると様々な危険率が気になったので調べてみました。リスクに対して対策を打つためには、まず、リスクと向き合わなくてはなりません。その第一歩として、リスクの起こりやすさを「発生確率」という数字で表してみることが重要です。ところが、この確率はなかなかのくせものなのです。

かつて地震調査研究推進本部地震調査委員会が公表した報告書では、日本における自然災害や事故などの発生確率が参考として示されています。それによると、30年の間に災害、事故、事件で被害をこうむる確率をあげてみると、

【災害】
・大雨で罹災する確率は0.50%、死傷する確率は0.002%
・台風で罹災する確率は0.48%、死傷する確率は0.007%

【事故】
・火災で罹災する確率は1.9%、死傷する確率は0.24%
・交通事故で負傷する確率は24%、死亡する確率は0.20%
・航空機事故で死亡する確率は0.002%

【事件】
・空き巣ねらいに遭う確率は3.4%
・ひったくりに遭う確率は1.2%
・すりに遭う確率は0.58%
・強盗に遭う確率は0.16%
・殺人事件の被害者となる確率は、0.03%

もちろんこれらの確率は、日本中の誰でもどこに居ても同じではありません。例えば、大雨の場合、がけや急傾斜地では、がけ崩れ、地すべり、土石流による土砂災害が起こりやすいです。一度、大雨により地盤が緩くなっている地域は、再度の大雨で被害が起こりやすいとも言われます。

また台風の場合、海の沿岸部では高波や高潮、河川区域では氾濫(洪水)による浸水被害が発生しやすいです。このように、自然災害や事故などが発生する前提にはバラツキがあります。

いくつかの出来事が重なった複雑な出来事の発生確率を考える際には、それぞれの出来事はお互いに影響し合わないか、つまり無関係かどうかという点です。無関係であれば、それぞれの出来事の発生確率を掛け算したものが、それらの出来事すべてが発生する確率に等しくなります。

先ほどの災害や事故などの発生確率で、交通事故での負傷と、航空機事故での死亡が無関係な出来事であると仮定すれば、30年の間にその両方に遭遇してしまう確率は、0.00048%(=24%×0.002%)です。これは、約21万人に1人の確率であり、このようなことは、かなり小さな確率でしか起こらないと言えます。

しかし、それぞれの出来事が無関係でない場合には、単純に発生確率を掛け算しても正しい答えは得られません。例えば、交通事故での負傷と、交通事故での死亡とでは、この2つはどちらも交通事故を原因としていて、無関係な出来事とは言えないです。通常、交通事故による負傷の程度がひどい場合に、死亡に至ってしまうものと考えられます。

この場合、30年間で交通事故での負傷と、交通事故での死亡の両方をこうむる確率は、0.048%(=24%×0.20%)と計算してはいけません。死亡が負傷の延長線上にある、つまり死亡する人は負傷もしているとすれば、両方をこうむる確率は、死亡の確率と同じ0.20%と見るのが妥当だからです。これは500人に1人の確率です。交通事故での負傷と、航空機事故での死亡の両方に遭遇する確率に比べると、だいぶん高いと言えます。

 

ナオミ・ザイブト(Naomi Seibt)さん

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが気候変動によってもたらされるリスクを訴えていることを以前【グレタ・トゥーンベリさん 9/28】【今年の人-米誌タイム(Time)12/13】書きました。これに対し、ドイツの「気候リアリスト」を名乗る少女がこれに疑問を示し、注目を集めることになりました。メディアでは『Metro』『The Sun』『The guardian』などが伝えています。

ドイツの「アンチ・グレタ」の異名を持つ現在19歳のナオミ・ザイブトさん(Naomi Seibt)は、自身のYouTubeチャンネルで気候変動による問題を訴える活動家やメディアに対して「過剰すぎる」と疑問を示し、自らを「気候変動懐疑論者」または「気候リアリスト」を名乗っています。

そのナオミさんに白羽の矢を立てたのが、米イリノイ州に拠点を置くハートランド研究所(The Heartland Institute)です。同研究所は非営利研究所として運営されている保守系シンクタンクです。同研究所によると、「一部のジャーナリストと科学者の『人類の活動や二酸化炭素が気候変動を引き起こして地球を破壊しているため、若者に未来はなく動物たちは死んでしまう』という考え方は大げさすぎる」と言います。

ナオミさんは同研究所を通じてワシントン近郊で開催される保守政治行動会議(CPAC)で、トランプ米大統領やマイク・ペンス米副大統領の前で演説しました。一躍注目を浴びることになった彼女ですが、自身のYouTubeチャンネルでは次のように訴えています。

「私が幼い頃、学校の教科書やマスメディアは気候変動問題をヒステリックに訴えていました。そんな中で育ったこともあり、私自身が気候変動について危機感を持っていたのです。そして無垢だった私は、樹木にハグすることで地球を救うことができると思っていました。しかし実際にはそうではないことが分かりました。」「気候変動の警鐘を過剰に鳴らすことは、まさに人道に反する卑劣な思想だと言えます。私達は主なエネルギー源である化石燃料を使うことで多大な恩恵を受けていることについては考慮されることもなく、得られた豊かさにまで罪悪感、羞恥心、嫌悪感を持って見下すように教えられてきました。」「周りを見渡してください! 私達は急速な進歩と革新の素晴らしい時代に生きているのです。私達がそれを誇りに思うことは許されないのでしょうか。誇りどころか議論することさえ許されず、真の科学者が職を失っているのです。」

ナオミさんは同研究所で活動することで1900ユーロ(約22万8千円)弱の月給をもらっていることを認めており、これはドイツの月平均手取り額とほぼ同じだそうです。同研究所の公式サイトにはナオミさんのメッセージ動画が掲載されていますが、その中で彼女は「あなたにとって非常に良いニュースがあります。気候変動によって世界が終わることはありません。実際に12年後にはあなたは“iPhone 18”で何気なく写真を撮っていることでしょう」と話しています。

ことの真偽はともかく、どっちもどっちです。環境問題の論争にアイドルは必要ありません。政争に未成年が出てきて良い結果が出たためしはありません。文化大革命、ポルポト、途上国の少年ゲリラ兵士然りです。グレタさんもナオミさんも、プロモーターの大人に踊らされているだけです。彼女たちのエネルギーと時間を、薄汚れた政争のプロパガンダに蝕ませるのではなく、彼女たちの無垢な興味と関心、そのパワーが純粋に真実探究の科学に注げるようにそっと見守ってほしいものです。

仲間関係の発達

子どもがどのように発達し、それぞれの年代でどのような発達の特徴を示すのか、仲間関係の発達から考えてみます。

〈小学生のギャンググループ〉
・小学校高学年頃、親からの自立を始める時期に現れます。
・同じ遊びを一緒にすることがとても大切にされる集団です。
・だから、同じ遊びを一緒にできない子は、仲間外れにされてしまいます。
・子どもがよく、「皆持ってるもん」と、友達と同じゲームを持つことにこだわるのは、このためかもしれません。
・親よりも友だちが大切になり、親や教師の言うことを聞かず、友だちの中でのルールを優先させることも多くなります。
・どちらかというと、男の子に特徴的にみられます。
・同性の、同学年で構成されることが多いです。

〈中学生のチャム・グループ〉
・同じ興味や関心、クラブ活動などを通して関係ができるグループです。
・お互いの共通点(同じ芸能人が好き)を、「私たちは同じね」と確認するような会話多くみられます。
・「私たちは同じ」という一体感の強さから、仲間への絶対的な忠誠心が生れます。
・この一体感は、思春期の不安定な子どもたちにとって安心感をもたらす一方で、違うものを排除するいじめに繋がりやすい面もあります。
・仲間と違う行動をとることを恐れ、仲間の誘いを断れず、一緒になって悪いこと(喫煙、万引きなど)をしてしまうこともあります。
・どちらかというと、女の子に特徴的にみられます。

〈高校生のピア・グループ〉
・共通点だけでなく、互いの違いをぶつけ合うことができるグループです。
・他者と自分の違いを確認する中で、自分というものを確立していきます。
・それぞれが自立した個人として尊重し合える関係です。
・互いの違いを認められる関係であるため、男女混合のグループで、年齢に幅があることもあります。

学校や地域に仲間がいることは、生活を楽しく充実したものにさせてくれます。一人では難しいことも、一緒に頑張っている仲間がいることで、耐えることができます。親から自立していくことはとても不安なことです。その不安な時期に、家族以外の支えができることは、自立を支えてくれます。喧嘩をしたり、仲直りをすることで、人と繋がっていく方法を学んで行きます。

ただ、人は集団になると、圧力が働きます。特に、「同じ」ことを大切にする小学生のギャンググループや、中学生のチャム・グループでは、「違う」ものを排除しようとする力が働きやすくなります。それがいじめに繋がることも多いです。今は、メールやラインで家に帰っても友だちからの圧力から逃げられません。煩わしくても、きちんと答えないことは、友だちと「違う」行動を取ることになります。

この時期の子どもにとって大切な他者は、家族から友人に移っています。だから、その友人から排除されることは、とても恐ろしいことに思えるのです。周囲の大人は、このような子どもたちの心情を理解して関わる必要があります。大人から見て、「そんなこと」と思えることでも、子どもにとってはとても重要な事なのです。

そういうときは、子どものやることを頭ごなしに否定せず、まずは子どもの言い分をよく聞きます。その上で、大人から見た心配を伝え、どうしていったらよいかじっくり話し合います。なるべく、子どもの側からのアイディアを取り入れると、うまくいきます。

小学校高学年くらいになったら、子どもたち自身もこの仲間関係について知る機会があると良いと思います。この時期の、特に女の子は、友だち関係で苦労することが多いと思います。高校生くらいになれば、「違い」を楽しむ関係になれるので、仲間関係は少し楽になっていく、ということを知っていると、少し見通しが持てると思います。

大人になれば、割り切れることは多くなりますが、子どもの世界はとても狭く今いる場所が自分の全てと感じるのです。仲間関係も、自分自身のこと〈進路のことなど〉も大切にできるよう、仲間関係を自分でもコントロールできるよう、その特徴を知ることは良いことです。

そして、対人関係が本当に苦手なタイプの子どもで苦しみが激しいなら、無理をしないでも良いことを伝えます。今友達がなくても、学校で友達がなくても、いつか、どこかで気の合う友達が見つかるまで待てばいいと伝えます。友達百人作るなんて歌のファンタジー世界だと教えましょう。確かに友達が子どもの人格発達に与える影響は大きいですが、結局は友達が好きか嫌いかで判断すればいいと伝え、時間がたてば嫌いが好きになる場合があるかもしれないと教えましょう。

 

 

ICT活用ハンドブック

昨日は京都府ですが、文科省もICT教育のハンドブックを作っていましたので紹介しておきます。読めば読むほど現状との乖離を感じます。

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発達障害などにより、学習に困難を抱える子供たちへの支援においてICT(情報通信技術)を効果的に活用した実践に大きな期待が寄せられています  このため、文部科学省では、平成25年度に「ICTの活用による学習に困難を抱える子供たちに対応した指導の充実に関する調査研究」を兵庫教育大学、宮城教育大学、筑波大学への委託により実施し、その成果を教員向けのハンドブックとしてまとめましたので公表いたします。  発達障害のある子供たちへの学習支援は、特別支援学級での指導や通級による指導のみならず、通常の学級においても必要なことから、ハンドブックは、特別支援学級、通級指導教室、通常の学級の3つの指導場面毎にそれぞれ作成しています。

 

ICT を活用した個に応じた指導法

京都府の教員研修先は京都府総合教育センターです。ここが、昨年3月に発行した「ICT を活用した個に応じた指導法の研究(3 )」がホームページに公開されています。

序文はこんな風です。
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平成 28 年4月1日に、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法) が施行され、公立学校(園)では、合理的配慮の提供が義務となりました。また、 平成 29 年3月には小学校及び中学校学習指導要領、 平成 30 年7月には高等学校学習指導要領が告示されました。新学習指導要領では、 各教科等で学習上の困難に応じた指導内容や指導方法の工夫について記述され、具体的な例として ICT 機器の活用についても触れられています。
そして、 平成 30 年度からは、小学校、中学校及び義務教育学校における通級による指導を受けている児童生徒の増加や、中学校卒業後の生徒の高等学校等への進学状況などを踏まえ、高等学校における通級による指導が制度化されました。

このように特別支援教育をめぐって大きな変化の時代にある中、 京都府総合教育センターでは、 読み書きに困難のある児童生徒の中には、 ICT 機器を読み書きの代替機能として活用することで、 うまく学習することができる児童生徒がいるのではないかと考え、 平成 28 年度は 6 校、 平成 29 年度は 14 校の通級指導教室で、 対象児童生徒のべ 38 名の御協力を得て、 プロジェクト研究に取り組んできました。

平成 28 年度に、 京都府内(京都市を除く 。)全小中学校の特別支援教育コーディネーターと通級による指導担当の先生方を対象に行った調査(302 校から回答) によると、読み書きに困難がある児童生徒がほとんどの学校に在籍しているということが分かった一方で、 ICT機器の活用については、代替え機能として活用しているケースはほとんどないが、効果的な指導を知りたいという意見が多いという状況の中で、 この研究はスタートしました。平成 28 年度の実践及び調査研究により、 ICT 機器を使った効果的な指導や実践を具体的に情報提供することが必要であることを再確認しました。 平成 29 年度のプロジェクト研究において、アセスメント、 ICT 機器を含めた具体的な指導方法の実際や評価の在り方、通常の学級との連携の在り方に関する研修の機会の必要性などの課題が明確になるとともに、 学習意欲の向上、学習内容の理解、自らが効果を実感する等の変容が見られるなどの成果がありました。

こうした 2 年間のプロジェクト研究の成果と課題を踏まえ、 今年度は学習支援の充実はもとより、 通級による指導から通常の学級での学習へ「つなげる」 ことや、小学校から中学校へと「つなげる」ことを目的として取り組みました。 これは、 多くの先生方や児童生徒の皆さんの御協力により得た成果を、広く活用していただくためには何が必要なのかを明らかにしていく ことでもあります。この冊子を、 児童生徒の将来の姿につながる「今」の支援を考えるための資料として、御活用いただければ幸いです。
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そして、この研究の助言者になってきた東大の近藤先生はこう締めくくっています。
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近年、教員の過重労働や疲弊の現状が世間にも知られるようになりました。 3 年間、学校、教室やその周辺の多くの課題に直面しながらも、 ICT を一つの手段として活用し、目の前にいる児童生徒一人一人の学ぶ機会の保障に奔走してくださった、プロジェクトに参加された研究協力員の先生方、総合教育センターの先生方に深く感謝いたします。微力ながら指導助言者を務めましたが、私自身にとって、学び多き日々でした。

一方で、上述したように、今回の研究事業のような取組が存在した故になんとか実現できたことや、課題感が大きく残され、今後の継続的な取組が期待されることも明らかになりました。今後、インクルーシブ教育が発展していく中で、多数派の生徒の学び方と、それ以外の学び方を必要とする児童生徒の間では、両者を共に包摂できるユニバーサルな学びの場が拡大していくことは間違いないでしょう。

しかし同時に、両者のコンフリクト(対立)がなくなるわけでもないこともまた、真実です。これも繰り返しになりますが、コンフリクトは忌避するべきことではなく、両者が相互理解を深めて望ましいあり方に向かうために、歓迎すべき対話の入り口でもあります。そしてそのような対話の場は、すべての子どもたちと私たち教員にとって、学びに満ちた機会でもあります。「個別のニーズのある児童生徒の教育保障に ICT を活用する」という切り口が、合理的配慮のみならず、その学びの機会を目に見えるものにする一助となることを祈っています。

近藤武夫
東京大学先端科学技術研究センター

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残念ながら、この事業所がお世話になっている学校では、読み書き困難に対して子どもたちがタブレットを頼りにしている形跡はいまだにありません。タブレットと言えばYOUTUBEを見るものだと理解している子どもばかりです。どうして先生方の研修先のセンターと学校ではこうも開きがあるのかと、利用者の保護者の方から聞かれることがあります。私は、若く志のある教員がおられてもまだまだ少数なので、同調圧力に負けているのと違うかなと返しています。その背中を押し、伝統を重んじる大勢の先生方を説得するのは、学校のトップである管理職の先生しかいません。

センバツ無観客

日本高野連は4日、第92回選抜高校野球大会(19日開幕、甲子園)について、史上初の無観客で開催準備を進めることを決めた。主催者の日本高野連と毎日新聞社は大阪市内で運営委員会と臨時理事会を開き、出場32校に無観客での実施に向けての準備を要請することを決めた。だが、新型コロナウイルスの感染状況によっては中止することも明言した。開催の可否は11日の臨時運営委員会で結論を出す予定だが、予断を許さない状況だ。

「開催ありき」で進めてはいけない。これから1週間の状況を注視し、やはり開催は難しいと判断されれば、速やかに中止を打ち出すべきだ。丸山大会会長も「中止も視野に入れている」と強調したが、言葉だけではないことを強く願う。11日の判断にあたっては、科学的、疫学的な面から冷静に開催可否を決めて欲しい。「球児の夢だから」という感情が先走るとしたら危険だ。

確かに、出場校からは歓迎の声が多く上がった。甲子園でプレーさせてあげたいという日本高野連の心情は理解できる。昨年のセンバツ入場料収入は約3億3000万円。甲子園大会は放映権料がないため、無観客とすることで収益面ではかなり厳しい運営が待っている。それでも、現時点では中止を決めなかったことに“決意”が表れている。ただ、一般的な国民感覚からすれば、驚きをもって受け止められたと思う。毎日新聞社とともに世論の批判を覚悟の上で、今回の決定に至ったのだろう。その覚悟を、大会終了まで最大限、安全確保に努めることで示さないといけない。

【アマチュア野球担当=石橋隆雄、古川真弥 2020年3月5日 日刊スポーツ】

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深刻なのは、高校球児だけではありません。応援の人々を輸送するバス会社、宿舎、飲食関係業者と広がっていきます。学校の臨時休校でも民間給食会社とそこに供給している業者は悲鳴を上げています。もちろん政府のつなぎ融資は提案されてはいますが、先日も書いたように人は支え合って生きています。お金だけで何とかなるものとならないものがあります。広がりの底辺に行けば行くほど細々と様々なものを支え合っています。

誤解を恐れずに使うならば、リスクとリターンはバランスよくとるしかありません。高い効果を狙えば大きなコストも覚悟しなければなりません。大きなコストを恐れて小出しに対応するとわずかな効果しか期待できません。結局、そこそこの持続を求めるなら、バランスがどこにあるのか探るしかありません。どちらかに偏った形での正解はないのです。

 

子ども起業

京都市内の中高校生が経営する小学生向けプログラミング教室が2月、中京区にオープンした。受講生集めから経理、指導まで全てを担い、経営の厳しさや面白さを体感している。生徒たちは、昨春から北区のコミュニティーFM局「RADIO MIX KYOTO(ラジオミックス京都)」で週1度の番組「17歳、就職活動なう。」を担当している。経営者らへのインタビューを通して働くことの意味や大学での学びを考える内容で、企画を続けるうちに実際の事業経営に関心が生まれたという。

大人も若者の挑戦を支援する。番組プロデューサー中川隼人さん(34)は、生徒を「つかず離れず」の状態で見守り、全国でプログラミング教室を展開するNPO法人「ロジカ・アカデミー」(大阪府池田市)は運営面での協力を申し出た。経営に携わる生徒は18人。10人ほどが中心となり、リーダーの「社長」を筆頭に、経理や人事、技術担当を決めてビデオ会議を定例で行う。週1度の教室では生徒が同アカデミーの教材を用いて小学生にプログラミングを教える。現在は教室がスタートして間もなく収入がないため、運転資金は中川さんが貸し付けている。事業計画の中で収入確保策や返済計画を立てる予定で、中川さんは「徹底的に自分たちで考えることで、これからの時代に必要な問題解決能力が養われると思う。今後が楽しみ」と応援する。

中高生が運営する教室は同アカデミーの教室に例がなく、目下の悩みは小学生にどう教室の存在をアピールするかだという。社長の平野福さん(15)=同志社高1年=は「楽しい教室にするのは得意だけど、集客や広報の難しさを実感している。一方で小学生の発想の豊かさを間近に感じられるのは楽しい」と話す。「ロジカ式京都四条校」は中京区室町通六角下ルの「こいやまCafe」で毎週水曜日に開講。月謝制。問い合わせは中川さん090(7554)8081。

【2020年3月3日 14:00 京都新聞WEB】

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プログラミング講座を中高生が企画するというのも面白いのですが、高学年、中高生が店を出したり会社を起業させてみるのはとても良いと思います。小学生なら洗車・清掃会社、中学生なら御用聞きの便利屋、高校生なら記事のような学習支援サービスや企画も行うイベント会社などです。自主的に組織的に収益上げて目標を達成するというところがとても大事で、大型旅行の費用にする、高額のスポーツ用具やIT機器をそろえるなど、期間限定型の起業はぜひ経験させたいプログラムです。

さくら開花予想

事業所の近くを歩いていたら、早咲きの桜が咲いていました。今年のさくらは、平年より大幅に早く咲く見込みで、記録的に早くなる所もありそうです。ただ、九州南部や静岡など温暖な地域では、暖冬の影響が大きいためほぼ平年並みの開花となりそうです。

--------------------------ウェザーマップの「さくら開花予想」

今年の冬は、寒気が流れ込んでも北日本までのことが多く、西日本を中心に大幅な暖冬となっています。このため、休眠打破は鈍く花芽の成長も鈍いとみられます。一方、1月・2月も春のような暖かさの日が多く、3月も一時的な寒の戻り以外は気温がかなり高めの状態が続くと予想されます。暖冬の影響よりも1月下旬以降の高温の影響が非常に大きいとみられるため、平年より大幅に早い開花となりそうです。九州や四国など暖冬の影響が大きい地域は、記録的な早さとはならない見込みです。