掲示板

みんなちがってみんないい

子ども起業

京都市内の中高校生が経営する小学生向けプログラミング教室が2月、中京区にオープンした。受講生集めから経理、指導まで全てを担い、経営の厳しさや面白さを体感している。生徒たちは、昨春から北区のコミュニティーFM局「RADIO MIX KYOTO(ラジオミックス京都)」で週1度の番組「17歳、就職活動なう。」を担当している。経営者らへのインタビューを通して働くことの意味や大学での学びを考える内容で、企画を続けるうちに実際の事業経営に関心が生まれたという。

大人も若者の挑戦を支援する。番組プロデューサー中川隼人さん(34)は、生徒を「つかず離れず」の状態で見守り、全国でプログラミング教室を展開するNPO法人「ロジカ・アカデミー」(大阪府池田市)は運営面での協力を申し出た。経営に携わる生徒は18人。10人ほどが中心となり、リーダーの「社長」を筆頭に、経理や人事、技術担当を決めてビデオ会議を定例で行う。週1度の教室では生徒が同アカデミーの教材を用いて小学生にプログラミングを教える。現在は教室がスタートして間もなく収入がないため、運転資金は中川さんが貸し付けている。事業計画の中で収入確保策や返済計画を立てる予定で、中川さんは「徹底的に自分たちで考えることで、これからの時代に必要な問題解決能力が養われると思う。今後が楽しみ」と応援する。

中高生が運営する教室は同アカデミーの教室に例がなく、目下の悩みは小学生にどう教室の存在をアピールするかだという。社長の平野福さん(15)=同志社高1年=は「楽しい教室にするのは得意だけど、集客や広報の難しさを実感している。一方で小学生の発想の豊かさを間近に感じられるのは楽しい」と話す。「ロジカ式京都四条校」は中京区室町通六角下ルの「こいやまCafe」で毎週水曜日に開講。月謝制。問い合わせは中川さん090(7554)8081。

【2020年3月3日 14:00 京都新聞WEB】

--------------------------------------

プログラミング講座を中高生が企画するというのも面白いのですが、高学年、中高生が店を出したり会社を起業させてみるのはとても良いと思います。小学生なら洗車・清掃会社、中学生なら御用聞きの便利屋、高校生なら記事のような学習支援サービスや企画も行うイベント会社などです。自主的に組織的に収益上げて目標を達成するというところがとても大事で、大型旅行の費用にする、高額のスポーツ用具やIT機器をそろえるなど、期間限定型の起業はぜひ経験させたいプログラムです。

センバツ無観客

日本高野連は4日、第92回選抜高校野球大会(19日開幕、甲子園)について、史上初の無観客で開催準備を進めることを決めた。主催者の日本高野連と毎日新聞社は大阪市内で運営委員会と臨時理事会を開き、出場32校に無観客での実施に向けての準備を要請することを決めた。だが、新型コロナウイルスの感染状況によっては中止することも明言した。開催の可否は11日の臨時運営委員会で結論を出す予定だが、予断を許さない状況だ。

「開催ありき」で進めてはいけない。これから1週間の状況を注視し、やはり開催は難しいと判断されれば、速やかに中止を打ち出すべきだ。丸山大会会長も「中止も視野に入れている」と強調したが、言葉だけではないことを強く願う。11日の判断にあたっては、科学的、疫学的な面から冷静に開催可否を決めて欲しい。「球児の夢だから」という感情が先走るとしたら危険だ。

確かに、出場校からは歓迎の声が多く上がった。甲子園でプレーさせてあげたいという日本高野連の心情は理解できる。昨年のセンバツ入場料収入は約3億3000万円。甲子園大会は放映権料がないため、無観客とすることで収益面ではかなり厳しい運営が待っている。それでも、現時点では中止を決めなかったことに“決意”が表れている。ただ、一般的な国民感覚からすれば、驚きをもって受け止められたと思う。毎日新聞社とともに世論の批判を覚悟の上で、今回の決定に至ったのだろう。その覚悟を、大会終了まで最大限、安全確保に努めることで示さないといけない。

【アマチュア野球担当=石橋隆雄、古川真弥 2020年3月5日 日刊スポーツ】

--------------------------------------------

深刻なのは、高校球児だけではありません。応援の人々を輸送するバス会社、宿舎、飲食関係業者と広がっていきます。学校の臨時休校でも民間給食会社とそこに供給している業者は悲鳴を上げています。もちろん政府のつなぎ融資は提案されてはいますが、先日も書いたように人は支え合って生きています。お金だけで何とかなるものとならないものがあります。広がりの底辺に行けば行くほど細々と様々なものを支え合っています。

誤解を恐れずに使うならば、リスクとリターンはバランスよくとるしかありません。高い効果を狙えば大きなコストも覚悟しなければなりません。大きなコストを恐れて小出しに対応するとわずかな効果しか期待できません。結局、そこそこの持続を求めるなら、バランスがどこにあるのか探るしかありません。どちらかに偏った形での正解はないのです。

 

ICT を活用した個に応じた指導法

京都府の教員研修先は京都府総合教育センターです。ここが、昨年3月に発行した「ICT を活用した個に応じた指導法の研究(3 )」がホームページに公開されています。

序文はこんな風です。
-----------------------------
平成 28 年4月1日に、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法) が施行され、公立学校(園)では、合理的配慮の提供が義務となりました。また、 平成 29 年3月には小学校及び中学校学習指導要領、 平成 30 年7月には高等学校学習指導要領が告示されました。新学習指導要領では、 各教科等で学習上の困難に応じた指導内容や指導方法の工夫について記述され、具体的な例として ICT 機器の活用についても触れられています。
そして、 平成 30 年度からは、小学校、中学校及び義務教育学校における通級による指導を受けている児童生徒の増加や、中学校卒業後の生徒の高等学校等への進学状況などを踏まえ、高等学校における通級による指導が制度化されました。

このように特別支援教育をめぐって大きな変化の時代にある中、 京都府総合教育センターでは、 読み書きに困難のある児童生徒の中には、 ICT 機器を読み書きの代替機能として活用することで、 うまく学習することができる児童生徒がいるのではないかと考え、 平成 28 年度は 6 校、 平成 29 年度は 14 校の通級指導教室で、 対象児童生徒のべ 38 名の御協力を得て、 プロジェクト研究に取り組んできました。

平成 28 年度に、 京都府内(京都市を除く 。)全小中学校の特別支援教育コーディネーターと通級による指導担当の先生方を対象に行った調査(302 校から回答) によると、読み書きに困難がある児童生徒がほとんどの学校に在籍しているということが分かった一方で、 ICT機器の活用については、代替え機能として活用しているケースはほとんどないが、効果的な指導を知りたいという意見が多いという状況の中で、 この研究はスタートしました。平成 28 年度の実践及び調査研究により、 ICT 機器を使った効果的な指導や実践を具体的に情報提供することが必要であることを再確認しました。 平成 29 年度のプロジェクト研究において、アセスメント、 ICT 機器を含めた具体的な指導方法の実際や評価の在り方、通常の学級との連携の在り方に関する研修の機会の必要性などの課題が明確になるとともに、 学習意欲の向上、学習内容の理解、自らが効果を実感する等の変容が見られるなどの成果がありました。

こうした 2 年間のプロジェクト研究の成果と課題を踏まえ、 今年度は学習支援の充実はもとより、 通級による指導から通常の学級での学習へ「つなげる」 ことや、小学校から中学校へと「つなげる」ことを目的として取り組みました。 これは、 多くの先生方や児童生徒の皆さんの御協力により得た成果を、広く活用していただくためには何が必要なのかを明らかにしていく ことでもあります。この冊子を、 児童生徒の将来の姿につながる「今」の支援を考えるための資料として、御活用いただければ幸いです。
-------------------------------
そして、この研究の助言者になってきた東大の近藤先生はこう締めくくっています。
-------------------------------
近年、教員の過重労働や疲弊の現状が世間にも知られるようになりました。 3 年間、学校、教室やその周辺の多くの課題に直面しながらも、 ICT を一つの手段として活用し、目の前にいる児童生徒一人一人の学ぶ機会の保障に奔走してくださった、プロジェクトに参加された研究協力員の先生方、総合教育センターの先生方に深く感謝いたします。微力ながら指導助言者を務めましたが、私自身にとって、学び多き日々でした。

一方で、上述したように、今回の研究事業のような取組が存在した故になんとか実現できたことや、課題感が大きく残され、今後の継続的な取組が期待されることも明らかになりました。今後、インクルーシブ教育が発展していく中で、多数派の生徒の学び方と、それ以外の学び方を必要とする児童生徒の間では、両者を共に包摂できるユニバーサルな学びの場が拡大していくことは間違いないでしょう。

しかし同時に、両者のコンフリクト(対立)がなくなるわけでもないこともまた、真実です。これも繰り返しになりますが、コンフリクトは忌避するべきことではなく、両者が相互理解を深めて望ましいあり方に向かうために、歓迎すべき対話の入り口でもあります。そしてそのような対話の場は、すべての子どもたちと私たち教員にとって、学びに満ちた機会でもあります。「個別のニーズのある児童生徒の教育保障に ICT を活用する」という切り口が、合理的配慮のみならず、その学びの機会を目に見えるものにする一助となることを祈っています。

近藤武夫
東京大学先端科学技術研究センター

----------------------------
残念ながら、この事業所がお世話になっている学校では、読み書き困難に対して子どもたちがタブレットを頼りにしている形跡はいまだにありません。タブレットと言えばYOUTUBEを見るものだと理解している子どもばかりです。どうして先生方の研修先のセンターと学校ではこうも開きがあるのかと、利用者の保護者の方から聞かれることがあります。私は、若く志のある教員がおられてもまだまだ少数なので、同調圧力に負けているのと違うかなと返しています。その背中を押し、伝統を重んじる大勢の先生方を説得するのは、学校のトップである管理職の先生しかいません。

ICT活用ハンドブック

昨日は京都府ですが、文科省もICT教育のハンドブックを作っていましたので紹介しておきます。読めば読むほど現状との乖離を感じます。

-----------------------------
発達障害などにより、学習に困難を抱える子供たちへの支援においてICT(情報通信技術)を効果的に活用した実践に大きな期待が寄せられています  このため、文部科学省では、平成25年度に「ICTの活用による学習に困難を抱える子供たちに対応した指導の充実に関する調査研究」を兵庫教育大学、宮城教育大学、筑波大学への委託により実施し、その成果を教員向けのハンドブックとしてまとめましたので公表いたします。  発達障害のある子供たちへの学習支援は、特別支援学級での指導や通級による指導のみならず、通常の学級においても必要なことから、ハンドブックは、特別支援学級、通級指導教室、通常の学級の3つの指導場面毎にそれぞれ作成しています。

 

仲間関係の発達

子どもがどのように発達し、それぞれの年代でどのような発達の特徴を示すのか、仲間関係の発達から考えてみます。

〈小学生のギャンググループ〉
・小学校高学年頃、親からの自立を始める時期に現れます。
・同じ遊びを一緒にすることがとても大切にされる集団です。
・だから、同じ遊びを一緒にできない子は、仲間外れにされてしまいます。
・子どもがよく、「皆持ってるもん」と、友達と同じゲームを持つことにこだわるのは、このためかもしれません。
・親よりも友だちが大切になり、親や教師の言うことを聞かず、友だちの中でのルールを優先させることも多くなります。
・どちらかというと、男の子に特徴的にみられます。
・同性の、同学年で構成されることが多いです。

〈中学生のチャム・グループ〉
・同じ興味や関心、クラブ活動などを通して関係ができるグループです。
・お互いの共通点(同じ芸能人が好き)を、「私たちは同じね」と確認するような会話多くみられます。
・「私たちは同じ」という一体感の強さから、仲間への絶対的な忠誠心が生れます。
・この一体感は、思春期の不安定な子どもたちにとって安心感をもたらす一方で、違うものを排除するいじめに繋がりやすい面もあります。
・仲間と違う行動をとることを恐れ、仲間の誘いを断れず、一緒になって悪いこと(喫煙、万引きなど)をしてしまうこともあります。
・どちらかというと、女の子に特徴的にみられます。

〈高校生のピア・グループ〉
・共通点だけでなく、互いの違いをぶつけ合うことができるグループです。
・他者と自分の違いを確認する中で、自分というものを確立していきます。
・それぞれが自立した個人として尊重し合える関係です。
・互いの違いを認められる関係であるため、男女混合のグループで、年齢に幅があることもあります。

学校や地域に仲間がいることは、生活を楽しく充実したものにさせてくれます。一人では難しいことも、一緒に頑張っている仲間がいることで、耐えることができます。親から自立していくことはとても不安なことです。その不安な時期に、家族以外の支えができることは、自立を支えてくれます。喧嘩をしたり、仲直りをすることで、人と繋がっていく方法を学んで行きます。

ただ、人は集団になると、圧力が働きます。特に、「同じ」ことを大切にする小学生のギャンググループや、中学生のチャム・グループでは、「違う」ものを排除しようとする力が働きやすくなります。それがいじめに繋がることも多いです。今は、メールやラインで家に帰っても友だちからの圧力から逃げられません。煩わしくても、きちんと答えないことは、友だちと「違う」行動を取ることになります。

この時期の子どもにとって大切な他者は、家族から友人に移っています。だから、その友人から排除されることは、とても恐ろしいことに思えるのです。周囲の大人は、このような子どもたちの心情を理解して関わる必要があります。大人から見て、「そんなこと」と思えることでも、子どもにとってはとても重要な事なのです。

そういうときは、子どものやることを頭ごなしに否定せず、まずは子どもの言い分をよく聞きます。その上で、大人から見た心配を伝え、どうしていったらよいかじっくり話し合います。なるべく、子どもの側からのアイディアを取り入れると、うまくいきます。

小学校高学年くらいになったら、子どもたち自身もこの仲間関係について知る機会があると良いと思います。この時期の、特に女の子は、友だち関係で苦労することが多いと思います。高校生くらいになれば、「違い」を楽しむ関係になれるので、仲間関係は少し楽になっていく、ということを知っていると、少し見通しが持てると思います。

大人になれば、割り切れることは多くなりますが、子どもの世界はとても狭く今いる場所が自分の全てと感じるのです。仲間関係も、自分自身のこと〈進路のことなど〉も大切にできるよう、仲間関係を自分でもコントロールできるよう、その特徴を知ることは良いことです。

そして、対人関係が本当に苦手なタイプの子どもで苦しみが激しいなら、無理をしないでも良いことを伝えます。今友達がなくても、学校で友達がなくても、いつか、どこかで気の合う友達が見つかるまで待てばいいと伝えます。友達百人作るなんて歌のファンタジー世界だと教えましょう。確かに友達が子どもの人格発達に与える影響は大きいですが、結局は友達が好きか嫌いかで判断すればいいと伝え、時間がたてば嫌いが好きになる場合があるかもしれないと教えましょう。