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みんなちがってみんないい

キャンプ

今夏は、経費削減でキャンプに出掛ける人が多いそうです。家族だけでなく空前のキャンプブームだそうです。『オートキャンプ白書』によると、2012年に720万人だった利用者は、2018年には850万人に増加し、6年連続して増えているそうです。野外キャンプを推進する団体が行った小学生対象の調査で「キャンプで一番楽しみにしていることは?」、1位は温泉。自由記述の「一番やりたいことは?」で最も多かったのは「ぼーっとしたい」でした。小学生が、中年サラリーマンのような回答で、みんなどんなキャンプだったのか、ちょっと気になります。

キャンプといえば、楽しくバーベキューをして、焚火の前で飲み食いしながらのおしゃべりが楽しいのですが、労せずその時間が待っているわけではありません。到着したら、まずはテント設営を家族全員で行い、タープ(日よけ雨よけ)を張り、子どもらと水汲み小枝集め、包丁を持つ子と、荷物やシュラフ(寝袋)のテント内整理の子に分かれるといった日常よりもすべき仕事、果たすべき役目がたくさんあります。これらを覚えさせ習得させるまで、ある程度時間がかかります。手伝っては虫を追いかけ、水を汲んでは川に石投げする子どもに、「大人ばっかり働いてるし、手伝わんならキャンプに連れてこんよ!」と叫んでいたりします。叱られた子は「もう、キャンプなんか嫌やし」とすね始めます。でも、うまく火が起こせたら「すごい!ありがとう!」と褒められ、水を運べば感謝されと、仕事を達成すれば何回でも褒められる環境なので子どもたちはまんざらでもありません。テントが設営された瞬間。タープが張れた瞬間。焚火に火が回り始めたとき。自分が切った具材の入った食事が出来上がったとき。子どもも大人も大きな達成感に包まれます。

たかが年に1、2回のキャンプかもしれませんが、子どもは野外活動で何かを獲得すると思います。最初は仕事の中身がわからなくてもめたりするけれど、最終的には自分から仕事を見つけて取り組みます。すべてが「内発的な動機づけ」です。内発的動機づけは、賞罰など外からの強制力に依存しない自発行動です。子どもが大好きな焚火。木を運んで、自分でくべて、乾燥しているものがよく燃えることを知って仲間に伝えていきます。何かを買ってあげるからというような「外発的動機づけ」で木を運んでいないから発見し伝えようとするのです。森の中の遊びなど、さまざまなところに自由があり、子どもは、自由を獲得してこそ、成長があります。

遊びに夢中になって雨に降られてびしょぬれになれば、次回は「風が出てきたら雨が降る」などと風や空の様子を感じながら遊ぶようになります。夕立がくれば、テーブルやいすをたたんでビニールシートをかける等、応急作業を家族や仲間と協力して迅速に行なえるようになります。昼食の枯れ枝を集めに行けば、たくさんある所見つけ夕食分もついでに拾う等、すべての体験が自分で考え判断する力や段取りする力につながります。ただし、最初からテントやコテージがあり道具もすべて整備された今流行の「グランピング」はここでいうキャンプではありません。不便さがあってこそ大事な宝物が獲得できるのです。それから、子どもが大きくなったら家族キャンプには誘いにくくなります。思春期は親は大抵うざい存在です。また友達同士で何かを成し遂げる価値を感じる時期です。家族でキャンプ、知り合い家族と合同キャンプは小さなうちの期間限定の値打ちがあると言えるかもしれません。

帰省対策

お盆が近づきました。お盆にはいつも会えない、おじいちゃん・おばあちゃんに会いに田舎に帰省される方も多いと思います。ただ、帰省は発達に凸凹のある子どもたちにとってストレスフルな行事となる子もいます。移動に時間がかかり、体力を消耗する。いつも会わない人に何人も会う。いつもと違う環境での寝泊まり、飲食。団体行動を強制される行事(法事・お墓参り・おでかけなど)等「いつもと違う状況」では不安が高まりやすくなります。その結果、いつもできていることもできなくなってしまうかもしれません。

そんな時に、おじいちゃんやおばあちゃん、親戚から「〇年生なのにこんなこともできてないの」と怒られたり、マイナスな言葉をかけられたりする場合があるかもしれません。最終的には「しつけをちゃんとしてるの」と親もつらい思いをすることがあるかもしれません。まだまだ、「子どもができていないことは親のしつけが悪い」「できないことは叱って教えるものだ」というしつけの文化が根強く発達障害に適した子育ては理解されていません。

本来は、おじいちゃん・おばあちゃん、親戚に事情を話して理解してもらうのが子どもにとっては一番ベストですが、少なくとも保護者が相談しやすいキーパーソンを一人決めて事前に相談すればどうでしょうか。帰省する前に「叱ることで自信がなくなってしまう」「褒めることに力を入れたら素直になってきた」と伝えるのです。

帰省先は基本的に子どもにとってストレスになる場合が多いです。生活のリズムが崩れないように調整し、いつも以上に、当たり前にできていることに目を向けて、細かく褒めることが大切です。そうすると子どもの調子がいい状態が作りやすく、自分から良い行動をとろうとし怒られる場面が減るかもしれません。

一方で、実家の祖父母が穏やかで包容力のある方なら実家が大好きになる子どもも少なくありません。そういうケースでは、家庭でうまく取り組めなかった朝型の生活リズムへの修正や、静かなゆったりした田舎の環境で好きな活動をたくさんさせて、思う存分リフレッシュさせましょう。子どもの調子が自宅より良いなら実家に始業式前まで預かってもらうのも悪いことではありません。子どもが多様な人と穏やかに関わるのはとてもいいことです。リスクは早めに察知して対策を考え、メリットは積極的に生かして夏の後半を乗り切りましょう。

響け!ユーフォニアム

叶えたい事が 溢れてるから 立ち止まってる 暇なんてないよね 胸に秘めたあこがれを フルボリュームで届けよう 行こう…クレッシェンドの向こうへ つまずいてもいい はみだしてもいい 君の音色を 僕たちは待っている 響け! 生まれたての夢つめ込んで 大きな空へ いま旅立とう 拓け! 笑顔を味方につけて 離さない 諦めたくない 限界さえも 跳ね返す勇気で DREAM SOLISTER....

歌詞は、京アニ製作アニメ「響け!ユーフォニアム」の主題歌「DREAM SOLISTER」。

立命館宇治は、夏の高校野球京都府代表校です。同校の地元・宇治市に本社を置く京アニの第1スタジオ放火殺人事件を受け、同校ブラスバンド部はエールの意味も込めて「響け!ユーフォニアム」の主題歌「DREAM SOLISTER」を応援歌に決定しました。ただ、コンクールと初戦の日程が重なり、演奏には初戦突破が条件となっていました。立命館宇治(京都)は、1点を守りきり、春夏通じて甲子園初勝利。2回戦では京アニ作品「響け!ユーフォニアム」の主題歌を応援歌として演奏する予定です。

…離さない 諦めたくない 限界さえも 跳ね返す勇気で DREAM SOLISTER ひとつ ふたつと増えてゆく おいでよ ここまでおいで 楽しまなくちゃ まだまだフォルテシモ DREAM SOLISTER La La La La La 君の声 聴かせて欲しい La La La La La 終わらない音楽は 続いてゆく…

頑張れ京アニ!

就労メニューとワークシステム

前回「すてっぷ日記」で就労メニューについてとりあげました。学童期の自立課題のワークシステムから積み上げていくものだという説明をしました。「一人で作業に取り組むなんてとてもとても」と思われるかもしれませんが、私たちはプットイン課題が自立的にできるなら何かの仕事が将来開発できると考えています。

プットイン課題とは、物を穴に入れる課題です。大きな入れ物に入れる素材の大きさに合わせた穴をあけて、右利きなら右からとって左の穴に入れるワークシステムです。ただ穴に入れるだけですが始めと終わりがはっきりしています。右のモノ(例えば小さなボール)がなくなったら作業終了です。この理解と動作ができれば、様々なものに発展していきます。量も多くできますし形も変えられます。色も変えられます。例えば三角の黄色の材料と四角の黒の材料を、空箱に三角の穴で黄色で囲った縁取りと、四角の穴で黒で囲った縁取りにします。最初は色は分からなくても同じ形の穴にしか入らないのでモノを選別する作業になります。やがて色に気が付けば、穴の形は変えずに色で選別するようになります。

このようにして14歳くらいまで様々に取り組んでいけば、何らかの選別作業を小一時間続けられるようになります。もちろん気が散りやすい方は、1分からはじめればいいし、5分課題に休憩つけてインターバルで10回やれば50分の作業になります。誰からも介入されずに自立して作業することが誇りになります。課題を終えてご苦労様と声を掛けられて達成感のない人はいません。就労メニューとそれに結び付くワークシステムについてご希望の方はスタッフまでご相談ください。

 

新型出生前診断

妊婦の血液を元に、ダウン症など赤ちゃんの染色体に変化があるか調べる新型出生前診断(NIPT)について、厚生労働省が国内の実態調査を始めます。2013年医学会などの5団体が施設認定に厳しい条件を付けることで了承し、臨床研究が始まり、これまでに約6万5千件が実施されました。しかし、認定を受けずに検査する民間クリニックもあるので正確な件数や実態は掌握できず、妊婦へのカウンセリング不足などが問題になっています。

厚労省は各地の衛生検査所を調査し、認定外の施設を含めた検査の件数を調べることにしています。また、実際にカウンセリングの状況や検査費用なども調査します。調査結果は今年中に検討会で報告して、検査する施設の要件などの今後の医療施策に生かされるといいます。

2011年に米国で始まった新型出生前診断は、採血だけですみ、しかも感度が約99%と高く、検査が受けられる時期も長いのが特徴です。妊婦の血液にわずかに含まれる胎児由来のDNAを分析します。採血だけでできるので、専門知識が十分にない医療機関でも検査できる反面、十分な遺伝カウンセリングなどが伴わないと混乱が生じるとして、遺伝に詳しい常勤医がいるなどの条件を満たす医療機関を認定し、臨床研究として実施してきました。対象を原則として35歳以上の妊婦に限り、調べる疾患も13トリソミーや18トリソミー、21トリソミー(ダウン症)の染色体異常に限定しました。

この日本産科婦人科学会の指針では法的拘束力が無く、現状では無認可施設で十分なカウンセリング無しに検査が行われるなどの問題が起きているといいます。今後は、医療機関に加えて検査会社も登録制にするなど、法的にも抜け道のない実施体制作りが必要だということで今回の厚労省の発表になりました。テクノロジーの進化を止めることはできません。大事なことは人権尊重のモラルに基づいた法制化と、社会の寛容さではないかという議論が進められています。