2019年12月の記事一覧
九九の暗記とLD(音韻障がい)
九九は覚えてしまえばすぐに使えるとても便利なものです。だから、日本では伝統的に覚えるまで練習します。当事業所でもあけても暮れても九九が宿題の小学生がいます。その中に半ばあきらめている子もいます。全員がクリアすべき九九ですが、なかなか覚えきれない子はたくさんいます。その大きな原因の一つは、音のややこしさにあります。
九九の表を見てみるとわかるのですが・・・「いち」、「しち」、「に」、「し」を使う計算がたくさんあります。特に7の段・8の段は子どもにとってはややこしいです。九九が苦手な子は、「音」をごちゃごちゃに感じている事が多いです。音のややこしさって、LDと呼ばれる子にとっては、とてもつらいのです。
例えば「しちに、じゅうに」「しちさん、にじゅうしち」「はちさん、にじゅうに」「はっく、しちじゅうし」など、とてもありがちな間違いです。口に出して覚えるだけだと、耳からの情報は一瞬なので間違えやすいのです。覚えてしまうと一生間違うだけに、正確に覚えさせたいです。サポートする方法を提案してみます。
1つ目は、表を見せながら覚えさせることです。「音」の情報だけではなく「目」の情報も使うことで、覚えるための精度は確実にアップします。2つ目は、音そのものを変えて覚えることです。日本語では7は「しち」「なな」と色々な読み方があります。同じように4は「し」「よん」と読めますね。4を「よん」、7を「なな」として覚えることで九九暗記のややこしさは半減します。担任の先生が許してくれるなら、是非この覚え方をさせてみてください。間違えやすい所だけ修正したらいいと思います。「しちに、じゅうよん」「はちさん、にじゅうよん」「くさん、にじゅうなな」などですが、直す所は、それぞれの子どもに合わせていけばよいと思います。
小学校の2年生は丸暗記が得意な時期です。だからこそ、九九の暗記は2年生でやるのです。でも2年生は「手を使って書く」事には時間がかかります。頼れる感覚は声に出して読む耳から聞く目で見るの3つです。目・耳・口をフルに使って、ややこしい音を整理して、どの子も確実に九九を覚えてほしいと思います。