すてっぷ・じゃんぷ日記

他害を考える

ASDの人が、小さな子どもの声がうるさいからと他害に及ぶことは少なくありません。V君がXちゃんや小さな子を叩きに行くからと避けているだけではなく解決の糸口を探るという事ボール投げ 2020/12/03を以前書きました。その後も公園でのボール投げや山歩きやそのあとのラーメン調理の共有などを続けて3か月がたちました。

今のところ、Xちゃんに対する他害は見られません。Xちゃんも「お話の声は2の声で」が少しわかるようになり、うるさくしなくなったのも一因かもしれません。しかし、それをすべての子どもに適用することもできません。みんながボール投げや山歩きをV君と共有することはできないからです。Xちゃんならボール投げも分かるしスタッフと3人で遊ぶという指示に従えるからできたのです。

他害が起こらないようにすることは大事だけれど、それが人を切り離すことではない方法を大事にしたいです。わかる活動を共有して共に過ごす時間が作れるなら、それが他害を減らしていく事もあるからです。誰とでもというのは無理ですが、あの人となら一緒に楽しんで過ごせるという経験をどう広げ作っていくのかが課題だと考えています。そして、最も重要なことは他害の殆どが表出コミュニケーションスキルが弱い人に生じ、コミュニケーションスキルを獲得した人の多くは他害がなくなったことです。機能的コミュニケーションこそ行動問題を解決する鍵だと考えています。