事業所によって子どもの様子が違うのは何故?
Rちゃんは二つの事業所を利用しています。すてっぷでは最近めきめきと成長が感じられるRちゃんで、他の子どもたちと仲良く遊べたり、予告と褒める事を繰り返す事によって不適切な行動はほとんど見られなくなりました。ところが、別の事業所では職員が困るくらい不適切行動が多いと言うのです。
子どもが、場所によって違う姿を見せるのはよくあることで、その原因のほとんどは対人関係を含めた環境の違いです。見通しのある環境では安心して過ごせるので、少々のイレギュラーな事態も乗り越えてしまいますが、見通しや自分の要求が他者に伝わらずイライラして不安が多い場合は、ちょっとしたことでも爆発してしまうのです。
つまり、同じようなハードルであっても、本人の安心感の度合いによって反応は全く変わってくるという事です。今回は、別の事業所の方からRちゃんの様子について事業所職員が相談を受けて工夫していることを伝えましたが、そもそもの対応が違えば小手先の工夫は効果がないし、すてっぷでも1年かかっての今の様子なので、総合的に比較してもらって療育方法を考えてもらうしかないと思います。これは、すてっぷだけで不適適切行動を起こして、他の事業所や学校ではうまく過ごせている例でも同じことが言えます。
他の事業所や研究会に行って、同じようにやってみたけどうまくいかないので、学んだメソッドは効果がなかったという支援ビギナーの意見を耳にすることがあります。見た目同じことをしても、先述したように本人のメンタルが安定するような環境や対応の蓄積がなければ、同じ反応が得られるはずがありません。もしも、相談を受けるなら、百聞は一見に如かずで数回見学に来てもらい、総合的に検討してもらう事が大事ですねと話し合いました。