すてっぷ・じゃんぷ日記

カームダウン

「T君、さっきはなんであんなに暴れて怒っていたのかな?」スタッフが聞くときっかけは覚えていないと言います。何しろ今まで皆が自分をディスって来たストレスが一気に爆発したのだといいます。でも、みんなはT君に声がうるさいとか近寄りすぎてボディータッチしないでとは言いますが、彼をのけ者にしたり馬鹿にしたりしたことは一度もありません。

T君はとても興奮しやすい子どもで、盛り上がってくると声が大きくなり、必要以上に友達に近づいてボディータッチが増えます。そもそもパーソナルエリアを侵されるのが嫌いな子が多いので、寄らないでということは何度も言われたかもしれません。それをT君は自分が避けられていると誤解しているのです。

怒りで興奮しそうな時に使う技を教えたけど覚えているかと聞くと、深呼吸という言葉は覚えていましたが使えていないようです。今度は、怒りで爆発するのをレベル5だとすれば、噴火前のレベル4では制御不能みたいだから、レベル3で深呼吸してみよう提案しました。そして、その結果を職員に必ず教えてほしいと伝えています。伝えてもらうことで、上手く行ったときにほめるきっかけが作れるからです。

ASDの子どもたちの場合、対人への誤解はかなり多いです。自分は嫌われている、遊んでもらえないと勝手に誤解しているのです。確かに相手との距離感がつかめないとか、一方的なところがあるのでトラブルが多く、叱られることが重なって自己イメージを悪くしやすいという課題はあります。しかし、大人が上手に介入すれば当事者も周囲の子どもも上手に学んでいきます。T君だけではありませんが、上手くサポートしたいと思います。