実行機能
R君に回るコマのペーパクラフトを提案すると、「えーめんどくさい」と返事が帰ってきます。仕方がないのいでスタッフが一緒に手伝い、パーツの切り出しだけを指示すると、できるのです。彼は別に不器用だから、嫌がっていたのではないのです。もちろん、自分勝手というわけでもありません。モノを作る見通しができないので暗闇の中を歩いているような感じなので「めんどくさい」のです。
簡単に言うと作業の段取りや順番がたてられないのです。段取りをイメージしたり計画を心の中でシミュレーションする認知過程を実行機能と言います。よく、お喋りは流暢で、あれこれの構想を口では言うのですが、実際に行動させるとうまく動けない人や、口では大きなことを言うけど見通しがないので周囲に迷惑をかけてしまう人は実行機能が弱いと言えます。原因はワーキングメモリーと深い関係があると言うのが仮説です。
たかがコマづくりの、単純なペーパークラフトですが、特定の物を作り上げるとなると苦手意識が強い人が多いです。こういう人には、構造化支援して最後まで見通せるようにしてワークシステムを作ってあげるか、そもそも終わりのない自由作品をアートする楽しさを味わってもらうなどの支援が必要です。