すてっぷ・じゃんぷ日記

時間の見通し

 支援学校高等部のDくんはこれまでの療育で、スケジュールやiPecsを使えるようになっています。学校の行事や放課後等デイサービスの利用日で休みたい日があると、前日にお母さんに上手に伝えられます。すてっぷでもスケジュールに楽しみがないと、「すてっぷ、おやすみ、ください」と利用前日にお母さんに伝えることがありました。そこで、その日のスケジュールに楽しみにできることを入れようと相談し、本人が大好きなおやつ作りの活動を入れることになりました。また夏休みに入り、生活リズムが変わった中、本人が見通しを持てるようにスケジュールをある程度固定化しました。基本のスケジュールは【自立課題⇒作業(設定遊び)⇒買い物学習(昼食をコンビニへ階に行く)ご飯⇒休憩⇒自立課題⇒作業⇒おやつ作り⇒休憩⇒帰る用意⇒帰宅】にしました。

 夏休みも中盤に入り、毎日の過ごしに慣れてくると、自立課題や作業への切り替えもOK、おやつ作りへの切り替えもOKと、スムーズに切り替えることができるようになってきました。新しく入った職員は「スケジュールに楽しみなことを入れることが大切と研修で習ったけれど本当ですね。改めて学びました」と話してくれました。

 ただおやつ作りをスケジュールに入れると、昼食後の休憩をいつもより短くして、作業もすぐに終わらせて「おやつ作り 下さい」と要求するようになりました。時計を見ると1時過ぎです。スケジュール通りの順番でてきぱきとこなしているのですが、彼のスケジュールには時間が入っていませんでしたので、楽しみにできることを早くしたいとスケジュールを進めるのはあって当たり前です。そこで、「デジタル時計をつかってみたらどうか」と試してみることにしました。

 デジタル時計とリマインダーで、「2:00作業、2:20おやつ作り」と提示するようにすると、時間通りに切り替えできるようになってきたDくん。おやつ作りだけの切り替えが良くなったのではなく、作業の準備などほかの活動でも、時間の見通しが持てて自立的に始める姿も見られます。スケジュールに楽しみなことを入れ始めてからは休みなく通ってきてくれていて、安定して活動を積み上げられています。