こうした方がうまく伝わるよ
スタッフ会議の「あるある」は、子どもの不適切な行動はあれこれ報告し合うのですか、その行動を子どもが起こした後スタッフは何をしたのかという事はあまり報告されません。実際にはここが重要です。「I君がビデオが見たかったので大声を出して壁を蹴りました。」「J君がこの遊びは嫌だと頭を叩きました。」この次が重要なのです。「それで、スタッフのあなたはどうしたのですか?」と聞くと「へ?」という顔をされることが少なくありません。
その後を聞くと「ビデオが見たいの?と聞いたら頷くのでビデオを見せました。」とか、「外に行きたいのだろうと外に連れ出すと頭叩きがなくなりました。」と不適切行動へのNG行動がとられていることが少なくないのです。「I君はビデオをつけてもいいかと大人に聞きたいのですが、適切なコミュニケーション手段がわからないので、皆が気付くように壁を蹴ったらスタッフが振り向いてくれてビデオが見たいことに気づいてもらえてビデオが見られました。」という文脈になります。とすれば次もI君は壁を蹴ってスタッフに気付きを促すだろうと容易に想像がつきます。J君も頭を叩けば嫌な事から逃げられると理解します。次はもっと強く頭を叩けば早く要求が実現すると考えるかもしれません。
この場合にスタッフがとるべき行動は、分化強化を促す(本日のコラム=みんなちがってみんないいに掲載)ことです。確かに不適切行動は、その人にとっては必要な行動ですからそう簡単に代替できるのものではないかもしれません。放デイのわずかな時間で代替行動が定着するほど甘いものではないかもしれません。それでも、あきらめないで、こうした方がうまく伝わるよと教える中で、適切な行動のきっかけを作るのが私たちの役割でだと思うのです。