暗黙の了解
P君に、「公園に行くから、みんなのおやつとお茶をリュックに入れて用意してね」と職員がお願いをしました。素直なP君は「わかったー!」といそいそと、準備を始めました。職員は、「低学年なのに言いつけたお手伝いができて偉いなー」と公園で褒めようと車に乗り込んだそうです。
公園に着いて、「P君、用意したリュックは?」と聞くと「え?事業所にに置いてきたよ」と平然と答えたというのです。「いやいや、おやつとお茶はどこで飲むと思ったの?」と職員が聞いてみると、P君は「????」と言う感じだったっと職員から報告されました。
つまり、P君にしてみれば確かにおやつはリュックに詰めろとは言われたけど、そのリュックを公園に持っていけとは指示されなかったと言うわけです。職員一同「あるある」と大笑いでした。暗黙の了解がわからないので字句通りに行動してしまいやすいのがASDの特性です。P君が悪いわけではないので、今度からは「リュックを用意して、そのリュックを車まで持ってきてね」と付け加えればいいのです。
大人でも、「その子を見ておいてね」と指示を出すと、子どもが色々不適切なことをしていても「見ておけ」と言われたから見ているだけにしたと平気で言われる方もいます。でも、その人だけが悪いと言うわけではないでしょう。ユニバーサルな指示は、「見ていて危険な行動をしたら、その行動を防ぐか応援を呼んでください」と言うべきなのです。と言っても、またその行動の防ぎ方でトンでも支援がありそうですが・・・。