今日の活動
デジタル教科書
ICTの利用は、特別支援教育(障害を抱える子どもの教育)において非常に有用だと考えられています。目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりといったさまざまな不便さを、デバイスやソフトが補ってくれるからです。ICTを活用した教育ならば、その子の能力・特性に応じて適切な学習方法が選択できます。
発達障害がある子の学習支援にも、ICTの導入は効果的です。文部科学省の調査によると、アスペルガー症候群・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)などを含む発達障害を抱え、通常学級において教育支援を必要としている子は各学級に少なくとも2~3人いると推定されます。ICTを利用すれば、彼らの困難さを取り除きやすくなるのです。たとえば、授業中に集中しづらい子がいる場合、大型ディスプレイを用いて、子どもたちの視線が自然と前のほうに向かうほか、それぞれの表情が教員からよく見えるようになるので、集中していない子どもに教員が気づきやすくなります。これは今日訪問した小学校でも当たり前のように利用されています。
また、集中が困難だったり聴覚過敏だったりして、教員の指示を聞きもらしがちな子もいます。そのような場面では、タブレットやICレコーダーで教員の話を録音することにより、重要な連絡事項をあとから確認できます。わざわざ苦手な文字を書かなくてよいのです。また、ノイズキャンセリングヘッドフォンを装着すれば、人間の声以外の雑音を軽減することが可能なので、空調設備や自動車の音などに煩わされにくくなるのです。
しかし、デジタル教科書を教室で自由に利用している子は、いまだに見たことがありません。個人用のタブレットでアクセスできるようにすることで教科書に何が書いてあるのか学習ができる最も本命の支援機器なのに、公平と平等の違いが日本にはまだまだ浸透しないなぁと感じます。