みんなちがってみんないい
各地で相次ぐ学校侵入
各地で相次ぐ学校侵入専門家、風化懸念も大阪・池田小事件から20年
6/8(火) 【時事通信】
大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件後、全国の学校で危機管理マニュアルの作成が義務付けられた。
ただ、侵入事件は各地でたびたび発生。専門家は事件の風化を懸念しており、「学校現場の危機意識を高めることが重要だ」と指摘する。
「新しい先生が来ると、現場に連れて行き話をする」。昨年、池田小に着任した真田巧校長(53)は校内で唯一、事件を直接知る存在だ。当時は6年の担任で、校舎3階からうつぶせに倒れた教員や逃げ惑う子どもが見えた。職員室に急いだが全く状況がつかめず、犯人確保後にようやく不審者侵入を知ったという。
同小では事件後、正門に警備員が常駐し、フェンスには赤外線警報装置を設置。教室や廊下など約300カ所に非常ボタンが取り付けられた。年5回行われる訓練は、不審者役の侵入経路や居場所を教職員に伝えず開始。協力して発見し、さすまたで取り押さえる。真田校長は「情報交換や発信を通じ、他の学校でも学校安全を考える機会をつくる存在でありたい」と話す。
現在は各学校での安全計画や危機管理マニュアルの作成が義務化されたが、池田小の事件後も学校侵入自体は食い止められずにいる。2003年には京都府宇治市の小学校で男が1年の児童2人を負傷させ、14年にも金沢市の小学校で、運動会の最中に刃物を持った男が侵入した。19年にはお茶の水女子大付属中学校で、秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま(14)の机に刃物が置かれる事件も起きた。
池田小を視察し、事件翌年に公表された文部科学省の危機管理マニュアル作成に携わった学校安全教育研究所の矢崎良明代表(68)は「事件後、門や玄関の施錠が広まったが、まだ十分実施されていない地域や学校もある」と指摘。事件を知らない若手教員が増えており「休み時間でも教室を子どもだけにしないといった課題を忘れず、研修を通じて現場の危機意識を高めていくことが重要だ」と話している。
-------------------------------------
毎日学校までお迎えに行く放デイ職員にとっては、校門の管理が厳格なのは面倒ですが、子どもの命を守るためには協力しようと思います。しかし、筆者が知る限り下校時にインターホンで顔確認して施錠を遠隔操作する設備のある学校は2校だけでした。テレビカメラは宇治の事件があってからは全校に設置されたようですが、まだまだ不審者にとっては入り放題というべきです。
学校には表門と裏門の二つがありますが、裏門はひっそりしている分カメラでも不審者は捉えやすいですが表門は保護者や業者、放デイの職員と見分けがつきません。学校開放の参観日や行事の時が最も不法侵入の可能性が高くなると思います。ガードマンが置けないならせめてICカードを関係者には与えて入校チェックを管理する等、防犯にはもうあと一工夫が求められていると思います。世知辛い世の中になったものですが、命にはかえられません。
最近は学校荒らしも増えていて、ICT機器が教室から盗まれるケースが相次いでいます。防犯をしようと思えば、タブレット充電器付き金庫となるわけですが、1台30万円近くする割には盗難を考えた構造ではないので簡単に開錠できてしまい保管した40台(時価200万円)すべて持って行かれるケースなどが後を絶ちません。自宅に持って帰らせれば教員の防犯配慮の負担も減らせるし児童のコンピュータリテラシーも高めることができます。