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人権を守る方法
「おかねのけいさんできません」男性自殺 障害の記載「自治会が強要」
【毎日新聞】7/31(金) 10:37配信
知的・精神障害がある男性(当時36歳)が自治会の役員らに障害者であることを記した書面を書くよう強要され、自殺したとして、男性の両親が自治会と役員らに計2500万円の賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。両親によると、男性は「おかねのけいさんはできません」などと障害の影響についても詳しく書かされ、他の住民にも見せると告げられた翌日に自殺していた。31日に第1回口頭弁論があり、役員らは争う姿勢を示した。
◇遺族が提訴、自治会役員らは争う姿勢
訴状などによると、男性が1人暮らしをしていた大阪市内の市営住宅では2019年11月、自治会の班長を住民同士がくじ引きで選ぶことになった。男性は障害を理由に選考から外してもらうよう役員らに求めたが、「特別扱いできない」と聞き入れられなかった。
役員らは集会所で男性と対応を話し合った際、障害があることや日常生活への影響を記すよう要求。男性が書面を作成すると、役員らは他の住民にも書面を見せて男性のことを紹介すると説明したという。翌日の11月25日、男性は自宅で命を絶った。
書面は便箋2枚に手書きでつづられ、「しょうがいか(が)あります」という言葉で始まる。「おかねのけいさんはできません」「ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります」「ごみのぶんべつができません」などと苦手なことを列挙し、文頭に×印を付けた。「となりにかいらんをまわすことはできます」などと、可能なことには○印を付けたとみられる。
◇両親「障害有無は個人情報」
両親は「障害の有無などは他人に知られたくない個人情報。必要性がないのに本人の意思に反して書面作成を強要した」として、プライバシーや人格権の侵害を主張。他の住民に見せると伝えて心理的な負担をかけており、役員らは自殺を予見できたと訴えている。
一方、役員は「どうすれば他の住人の理解を得ながら、男性を班長選出から外せるか模索した」として、強要を否定。書面の作成については「嫌がっているそぶりはなかった。ストレスのない方法を選択して適切だった」と主張している。
近くに住む兄(41)によると、亡くなる前夜、男性は「言いたくないことまで根掘り葉掘り書かされた。さらし者にされる」とため息交じりに話し、落ち込んでいたという。兄は「弟は真面目でおとなしく、障害もあって他人に指示されると抵抗できなかった。自殺に追い込んだのは許せない」と話す。【伊藤遥】
◇自殺した男性が書かされたとされる書面(一部)
しょうがいか(が)あります
○2500えんは ふうとうにいれれます
×おかねのけいさんはできません
○1たい1ではおはなしできます
×ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります
○となりにかいらんをまわすことはできます
○ひととあったらあたまをさげることはできます
×いぬとかねこはにがてです
×ごみのぶんべつができません
○自てんしゃにはのれます
○せんたくはできます ほすこともできます
○どこでもすーぱーこんびにはかいものできます
○くやくしょびょういんにはいけます
×かんじやかたかなはにがてです
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PTAや保護者会、町内会の役員決めはお互いの交流が薄ければ薄いほど、えげつない決め方をしていることを耳にします。そして、人権が尊重されない場所では、いつも弱い人にしわ寄せが行きます。お年寄りの場合も一人暮らしであれば役員が回ってきます。役員を回避するために「生年月日」や「一人暮らし」の証明が求められている地域もあります。
逆に、「役員は嫌だから町内会費も払わないPTA会費も払わない」ことで組織に所属する意思のないことを表明して関係を一方的に断つ人もいます。地域社会が崩れてきた結果、周囲が「異質者」を晒し者にするか、自ら無関係を晒すかという両極端の現象です。いつか自分も社会的弱者になるという想像力の欠如でもあります。
どうして「手伝いますよ、一緒にやりましょう」の一声がかけられないのでしょう?人はみんな違うのですから、それを認めてお互いに手を差し出し手をつなぐこと以外に人権や健全な社会を守る方法はありません。