遺族「子どもを取り巻く環境は変わっていない」大津・男子生徒いじめ自殺から10年
10/11(月) 【MBSニュース】
滋賀県大津市で、中学2年の男子生徒がいじめを受けて自殺してから10月11日で10年になります。男子生徒の自殺をきっかけに新たな法律もできましたが、遺族は、子どもを取り巻く環境は変わっていないと話します。
10月11日午前8時半ごろ、大津市役所では教育長や職員らが黙とうをささげました。
10年前の2011年10月11日に大津市の当時中学2年の男子生徒が自宅マンションから飛び降りて自殺しました。当初、市教委は『いじめと自殺の因果関係』を認めていませんでしたが、第三者委員会が「いじめが自殺の直接的な原因」と認定しました。
また、遺族が加害生徒らに損害賠償を求めた裁判は最高裁まで争われて、2021年1月にいじめと自殺の因果関係を認めた判決が確定しました。
亡くなった男子生徒の父親は10月11日の午後に会見を開き、父親は子どもを取り巻く環境は当時から変わっていないと話しました。
(亡くなった男子生徒の父親)
「とても10年前より子どもをとりまく環境が良くなっているとは考えられません」
生徒の自殺をきっかけにいじめの早期発見を学校に義務付ける「いじめ防止対策推進法」が成立しましたが、いじめは今も後を絶たないとして、父親は法律の実効性に疑問符を投げかけます。
(亡くなった男子生徒の父親)
「全ての学校、全ての教育委員会がそうだとは申しませんが、新しい法律ができても変われない学校、それを所管する変われない教育委員会があることは間違いありません」
一方、教育現場では新しい取り組みも始まっています。大津市教委は2020年からAI(人工知能)による数値化を始めました。市内の小中学校から報告される「いじめ事案報告書」について、いじめかどうかの判断が難しい事例をAIに分析させると、約5200件の過去のデータをもとに『深刻ないじめに発展する可能性が何%あるのか』を教えてくれます。
(大津市教育委員会児童生徒支援課古蒔順一朗指導主事)
「このAIを使った深刻度を学校にも提示することで、客観的な根拠を持って学校に指導助言しやすくなった。全ての子どもたちの笑顔を守っていくためのいじめ対策を進めていきたいと思っています」
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前向きにやろうとしていることに水はさしたくないのですが、このブログで一貫して主張していることは、市長がまずやるべきことは責任者の更迭です。一罰百戒で全てが解決するものではありませんが、管轄下で事故が起きたときは、責任者の職を解き降格するなどの懲戒を最高責任者が行うべきです。子ども同士の事件に公務員の業務の瑕疵を問えるのかという意見もあるでしょうが、管轄内で業務と因果関係のある事故が生じたなら、まずは綱紀粛正のために責任者降格は民間会社ならあたりまえです。
けれども市長は校長や学校責任者、役人の降格すらできていません。市長が腹をくくれないからです。第3者委員会では関係者を切る権限はないのですから、この委員会はどこまで行っても市民の不満のガス抜きでしかありません。市長は人事の一新で改革を訴えることもできません。そして、機械に任せたら公平に判断するだろうという、方向性がまるで違う答えを出してきます。大津事件や様々ないじめ死亡事件の怒りは、いじめた子どもへの怒り以上に、学校組織や教育委員会をはじめとした行政が真摯な対応しないという事への怒りです。
例え、校長や教育長が更迭されても遺族の怒りは収まらないとは思います。しかし、いじめの対応の瑕疵は明々白々なのですから、行政はAI導入などと小賢しいことをしてお茶を濁すのではなく、リアルに組織が組織としてけじめをつける事を断行すべきです。そうした上で予防策を講じない限り、その予防策ですらまともに動くことはありません。人が人にできることはそう多くはないです。詫びて人事で責任を取るのは最高責任者の最低限の仕事です。