日本初!音声認識による読み書き障害(ディスレクシア)トレーニングゲーム発売。実証実験で20%以上読みの時間が短縮!
プレスリリース発表元企業:株式会社サムシンググッド
ディスレクシア、読みの困難さを抱える子どもは5%とも10%ともいわれています。EdTech企業の株式会社サムシンググッド(東京都港区、代表取締役 脇坂龍治)はNintendo Switch(TM)用ゲームアプリとして「机に座らない学習」をコンセプトに、(1)発達障害分野の第一人者、「医学博士 平岩幹男先生」と企画から研究、実証実験まで共同で開発。(2)4週間×10人超の児童による実証実験を2回実施。(3)「67%の子どもが20%以上読みの時間が短縮」し、「2度読みも減少」。2020年2月には本件の論文も発表。確かな効果が期待できるソリューションとして7月上旬より発売開始します。
EdTech企業の株式会社サムシンググッド(東京都港区、代表取締役 脇坂龍治)は、2020年7月上旬にNintendo Switchでゲーム形式でトレーニングできる「読むトレGO!」を発売いたします。
詳細はhttps://www.yomutore.net/をご覧ください。
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読むトレGO!プロジェクトは、医学博士の平岩幹男先生とサムシンググッド開発陣の共同プロジェクトです。2018年の企画段階から初期の研究用ソフト開発、そして実証実験を経ての商業用ソフト開発と、全ての工程を共同で研究開発致しました。
多くの子どもたちや保護者の方からも様々な意見を頂き、当社のエンジニアが一つ一つ丁寧に形にしていきました。読みのトレーニング・ゲーム要素だけでなく、保護者向けに分かりやすいような、トレーニングの記録と評価機能等もご用意しました。
平岩先生はこう仰います。「ディスレクシアの障がいや読みの苦手さを持つ子どもたちに必要なことは、読みの学び直しの機会であり、何歳からでも遅くない」と。私共も、この言葉を実現できるよう開発に邁進してまいりました。
開発・発売元:サムシンググッドとは
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サムシンググッドは2015年、役員3名で始動いたしました。当初はソフトバンク様等からプログラム開発やWEBサービス運営を受託するビジネスが中心でした。2017年にNTTドコモ様向けに知育アプリ(プリキュアかずあそび)提供を開始したのを機に、プログラミングやCGデザインチームを大幅に拡充。知育、英語学習、ソーシャルゲームなどを開発していきました。2018年より発達障がい児童向けの教育ソフト開発の研究を開始。その一環で児童福祉施設を中野と新宿に開所(Uooh!療育ラボ)、現在200人以上の児童が通所しています。2020年7月に「読むトレGO!」を発売予定。2020年6月現在、IT×発達性協調運動障がいトレーニングシステムの研究開発中です。
読むトレGO!の特徴
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①ゲーム機のNintendo Switch用 であること。
2018年の企画初期、平岩先生から「教科書や教材を見ただけで泣き出す子もいるんだよ」とのお言葉が。できるだけお勉強感を無くす為にゲーム機用アプリにしました。ジョイコンで刀を振ったり金魚をすくったり、マイクを使ったりと「机に座らない」読みの学習をコンセプトにしました。
②日本初!音声認識システムでのディスレクシア・トレーニングソフト
ディスレクシアの子どもたちは、読みが苦手だから、書きはなおさら。ですので、日本の国語の授業の「読むと書くを同時に習う」学習法は、とても難しい事となります。我々が重要視したのは「文字を見て」「声で答える」こと。とにかく「読むことが出来る事」を目的にしました。
③全6ゲーム227ステージ!
様々な角度からトレーニングをアプローチする合計6コンテンツ、54レベル、227ステージをご用意しました。
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医学博士 平岩幹男 先生について
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平岩幹男: 医学博士。Editorial board: Austin Journal of Autism and Related Disorder。
1976年東京大学医学部医学科卒業。三井記念病院小児科、東京大学医学部研究生を経て帝京大学医学部小児科助手?講師。1992年戸田市立健康管理センター母子保健課長?参事・健康推進室長。2009年Rabbit Developmental Research開設(代表)。2012年-2019年国立成育医療研究センター理事。
専門領域:発達障害(自閉症)、乳幼児健診、思春期医学など。著作多数。
実証実験について
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平岩先生が主導し、「読むトレGO!」プロジェクトでは、ディスレクシアの診断(DSM-5thに基づく)を受けた児童10名程度を対象にした実証実験を2回(2019年9月、2020年1月)実施しました。第1回目は8/30~9/28のピッタリ4週間、初日に平岩医師の問診とテスト、4週の間は実験用ソフトを家に持って帰りトレーニング、最終日に平岩医師の問診とテスト、という内容です。この結果はとても素晴らしく、全ての児童の読みのスピードが向上、2/3の児童は何と20%以上向上の数値がでました(論文は小児科診療2月号:診断と診療社刊に掲載)。しかし、、、子どもたちの反応は散々でした。。。とにかく音声認識の認識率が悪く、せっかくキチンと読めても正解にならず、「ブブー」と×にされる。泣き出しそうになりながら「嫌だった」と話す子どもが出る始末、当社開発メンバーは意気消沈でした。もう開発期間が延びる(=お金がかかる)のはやむを得ず、ということで、音声認識エンジンを差し換え開発再開。当初予定より半年間も開発期間が延長しましたが、子どもたちにも「まぁまぁだな!」と言っていただけるソフトに仕上がったと思います。本当に実証実験にご参加いただき、様々な意見をくださった子どもたち、保護者の方々に感謝しております。
発達性読み書き障害児童はクラスに1人の可能性。
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■ディスレクシアとは
dyslexia。発達性読み書き障がい。dysはギリシャ語の「困難」「欠如」という意味、lexiaは「読む」という意味。一番の特徴は、コミュニケーションのうち「話す言葉」「聞く言葉」といういわゆる音声言語には障害がないのに「読む」「書く」という文字言語に障害があること。よって、小学校に入る前には診断が付きにくい。
世界には色々な言語があるが、日本語にはひらがな、カナカナ、漢字と文字の種類がおおっく、おそらく1クラスに1人くらいは存在すると言われている。
世界的に見て、ディスレクシアの特徴は二つ。
①文字を音に変える障がい(デコーディング)
「あ」「ゆ」が読みにくい。時間をかければ読める。なので、「あ」「ゆ」で悩んでいると「あゆつり(鮎釣り)」という単語を見たときにすっと読めない。
②音のまとまりとして単語を読むことが難しい障がい(チャンキング)
「い」「ぬ」と読めても「いぬ(犬)」という音のまとまりとして読めない。よって語彙理解が難しくなる。
【注意】
読みの苦手さ=ディスレクシアだけでない。
認知機能が遅れている知的な問題、紙に書いてある文字がチラつく。すぐに気が散って集中できない、など他の問題も考えられる。
■子どもたちの問題
わが国の学校教育は、ディスレクシアの子どもにとても苦痛を強いる指導法となっている。
①読みの苦手な子に、他の子どもに2回読ませるところを4回、5回と読ませる。
②「読む」と「書く」を同時に指導する。「読み」が苦手な子どもたちは大なり小なり書くのも苦手であり、同時に行うことはとても難しい。
■知的障がいではないが「しんどさ」を抱える子どもたち
知的障がいではないが、しんどさを抱える子どもたちは存在し、読みの困難さを抱えていることもしばしばある。
IQで測ると70以上だが、記憶する力や認識する力が少し弱い子どもたちは、実は人口の7%~11%くらい存在すると言われている。この子たちは知的障がいとしてのいわゆる障がい者手帳は取れないし、障がい者枠で将来就労することもなかなか難しい。しかし適切にサポートをすることで世の中で生きていけるようになる可能性がかなり高いグループというふうに、考えてもいいのではないか?と平岩先生は考えている。
※知的障がい定義はIQであれば70以下。
例えば、小学校に入り、友達とも元気に遊んだり話したり、色々な事ができる。しかし、小学校2年生くらいになると「どうも国語の力が弱いな?」「読むのが苦手だな?」「内容の理解が今一つだな」と感じられるようになる。そのちょっとした苦手さを抱えながら学年が上がっていき、授業もドンドン進んでいく。そして小学校4年生くらいになり、その躓きがどうにもならなくなる、ということはよくある。うまく国語がついていけない。そうすると通常の学級いわゆる普通のクラスは無理だから、「では特別支援学級に移ったらどうですか?」と言われることが多い。しかし、通常学級では国語の授業は週4時間。これが特別支援学級になると週2時間、特別支援学校になると週に1時間になっていしまう。これで、どのように追いつくことが出来るのだろうか?わが国の教育制度はこのようなことに対処する「学び直し」という概念が乏しい、と言わざるを得ない。学び直しをする事で、その方たちの「人生を変えていくこと」に繋がることはとても良いことだと感じる。(平岩先生談)
【出典】本ページ記載の内容は、2020年4月にサムシンググッドが平岩先生にインタビューした内容の抜粋である。
日本のディスレクシア人口のデータ
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わが国では文部科学省も厚生労働省も本件に関する大規模な疫学調査を行っていない。よってディスレクシアの人口がどの程度存在するのか?はわからない。その中、参考になるデータは下記のとおりである。
学習面で著しい困難を示す児童生徒の割合は6.1%
・文部科学省調査
・調査時期:平成24年2月~3月
・調査対象:通常の学級に在籍する児童生徒53,882人(1,200校)
※担任教員が記入し、特別支援教育コーディネーター又は教頭による確認を経て提出した回答に基づくもので、発達障がいの専門家チームによる診断や、医師による診断によるものではない。従って、本調査の結果は、発達障害のある児童生徒の割合を示すものではなく、発達障がいの可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合を示すことに留意。