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中学校での発達障害支援

中学校に入学するとき、特別支援学級にするか普通学級にするか小学校とは異なって、子どもの意思が大切になってきます。知的な遅れがないか、あっても気にならないごく軽い程度のものであれば、ちょっと変わっている子という印象を持たれがちですが、集団生活を余儀なくさせられるわけですから、コミュニケーション能力や行動の適応が難しいような時は、特別支援学級を使うことを検討してみる余地は十分にあります。特にLDの問題は進学や就職の進路に関して、避けて通れず、読み書き障害の有無が小学校卒業時ではっきりしないなら入学時に信頼のおける機関で検査を受けてはっきりさせておくべきです。LDなのか軽度知的障害なのかその両方なのかによって、学習支援は変わって来るからです。また、この違いを重視している担任ならかなり信頼ができると言えます。

中学生の子どもに見られる発達障害の特徴は様々ですが、小さなころから家庭や学校で注意を受けているような時は自己評価が低くなりやすい傾向にあります。また、その場の空気を読みにくいため誤解やいじめを受けやすいのも中学校時代に見られる特徴の一つです。これが不登校になったり引きこもってしまったりする子が中学で増える理由の一つです。

そして、発達障害を持つ本人も自分がほかの人とどこか違うと感じるようになるのもこの時期です。中学生の思春期にさしかかる時でもあり、他者と自分の違いを感じやすく、それを欠点を思ってしまうことも少なくありません。なので、これを個性と認識させ、苦手なことを克服することも大切ですが、得意なことに目を向けさせると、個性がのび、子どもが社会生活や学校生活を送りやすくなります。

グループ行動が苦手なこともありますが、仲間に入れないのには相応の理由が、個々にあるものです。なぜ孤立しているのかがわからないため、どうしたらいいのかもわかりません。さらに、グループ行動がとれないことを悩むこともないので、一人行動が多くなったり友達ができなかったりといったこともこの時期には多く見られます。中学生に始まったことではないのですが、総じて発達障害のある人は集団生活が苦手なものです。ところが中学生は同調することを良しとする年代もあるので、彼らにとっては過ごしにくい場合が少なくないです。

教科ごとに担任が違うと持っていくものを忘れてしまうことが良くあるため、ICTのメモなどでカバーしたり目に見えるところに備忘録を書いておいて、必ずその場で確認させるなど工夫をして予防します。同時に二つのことを行うことができず、一度に指示を出されると頭が混乱してしまうため、指示は一つ一つ出すなどといった工夫が大事です。個人差がかなりあるため、一概には言えませんが、他者との違いや得手不得手の理由を明確にして、自学自習や自己点検の習慣を身につけることを目標にしながら、学校生活になじめるようにしていくことが大切です。