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性教育

障害のある子にも性教育をこれまでの「人と離れて」ではダメ思春期の心身の変化に寄り添い、伝える

佐橋大2020年11月20日【東京新聞】

知的障害や発達障害の特性により、人との距離感をうまくつかめない子どもがいる。特に不安定な思春期は、悪気がなくても、人に近づきすぎたり、体に触れたりすると、大きな問題になりかねない。障害のある子どもたちにも、心身の変化や人への気持ちの伝え方などを学ぶ「性教育」が求められている。

無防備に近づくことで被害に遭うことも
「知的障害のある子どもは学校や施設などでよく『(広げた)腕1本分、人と離れなさい』と教えられる。でも、それでいいのでしょうか」。障害者の支援に詳しい日本福祉大教授の木全(きまた)和巳さん(59)は、思春期に行われがちな指導に疑問を投げ掛ける。

知的障害者の多くは相手の気持ちを考えたり、自分の気持ちをうまく表現したりすることが苦手。知らない相手に無防備に近づいていく人もいるため、性的な被害に遭ったり、逆に、不審者だと誤解されたりすることがある。そうしたトラブルを回避するために、常に人との距離を取るように指導されてきた。

嫌なときは嫌だとはっきり言えるように
しかし、木全さんは「距離を取ることにとらわれすぎて、人と離れにくい電車やバスに乗ることが極端に苦手になった人もいる」と指摘。前もって「離れる」と教え込むのではなく、実際に障害者が近づきすぎたら、周りの人が「離れて」と教えるのがいいという。「嫌なときは嫌だとはっきり言う大切さを実体験から学べる。障害者が性的被害や嫌がらせに遭ったとき、声を上げる意識付けにもつながる」と話す。

周囲の人は障害の特性を知り、接し方を学ぶ。障害のある人は支援者らと関わる中で、感情や考えの伝え方を学ぶ-。それが、木全さんの思い描く、思春期の障害者支援の在り方だ。

こうした考えを伝える保護者や支援者向けのオンライン研修「障がいのある子ども・若者の性と生の理解と支援」が今月から開かれている。放課後デイサービスの支援者らが、利用者の子どもたちに性の正しい知識などを教えている実践例を紹介。参加者に自分ならどうするかを考えてもらう。

体の変化教える模型や動画などを活用
主催する名古屋市のNPO法人「子ども&まちネット」の田中弘美副理事長によると、障害者への性教育は「障害者には恋愛も結婚も関係ない」といった偏見もあり、あまり積極的に取り組まれてこなかった。そのため、障害のある子どもたちは思春期の体や心の変化に関する知識が不足しがち。自分の変化に戸惑い、自己肯定感が低下してしまうこともある。

「子どもたちが自分の体と心を好きになれるように寄り添おう」と、同NPOは2012年から研修を開始。体の変化を教える人体模型や動画など、独自に開発した教材も活用して毎年続けている。人を好きになる心の変化を伝え、その気持ちを相手にどう伝えるかを本人と一緒に考えたり、命の学習として妊娠の仕組みや避妊の仕方を教えたりもする。

今回の研修は11月22日と12月6、20日の全3回。名古屋市内の産婦人科医が医療現場から見た、性を巡る問題も伝える。すでに参加の申し込みは締め切り済みだが、子ども&まちネットは終了後に研修の動画を編集し、販売することを検討している。問い合わせをメール(step.komachi@gmail.com)で受け付けている。

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昔、支援学校での性教育がけしからんと県議会で学校を糾弾した議員たちがいました。そんなに古い話ではなく平成の話です。障害者の恋愛や結婚が受け止められないというのがこの人たちの意識にはあると言われています。そして、それを積極的に取り上げていたのが教職員組合の教育研究会だからという決めつけもあったのでしょう。LGBTQの権利が注目される今日なら、かの議員さんたちの言動はどうなったでしょう。ただ、ダイバーシティ社会での個性尊重はコストもかかります。必要な教育支援・行政支援そしてそれを担保する法律です。