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水泳授業中止でも子供の水難事故防げ 体育館で指導

水泳授業中止でも子供の水難事故防げ 体育館で指導

2021/7/20 【産経新聞】

新型コロナウイルスの感染拡大で、感染リスクの軽減のため、学校の水泳授業を中止する自治体が増えている。一方で、児童生徒が水に触れる機会が減ることで水難事故防止という側面が見過ごされることを懸念する声も。コロナ禍でプールでの指導ができない中で、専門家が工夫を凝らしながら事故を防ぐ取り組みを続けている。

「浮いて待てー」。今月15日、大阪府富田林市の市立喜志(きし)小学校の体育館で、あおむけに横たわる児童に別の児童が大きな声で呼びかけ、浮輪の代わりになる空のペットボトルを放り投げた。

水難救助の専門家らでつくる「水難学会」(新潟県長岡市)による「ういてまて教室」の一場面だ。本来は、溺れた際の対処法をプールで教えるが、同小は昨年に続いて水泳の授業を中止したため、体育館へと場所を移しての実施となった。

教室では、水難学会の斎藤秀俊会長(長岡技術科学大大学院教授)が子供だけで水辺に近づかないよう注意しつつ、もし溺れたときには、力を抜いてあおむけに浮いた姿勢で救助を待つよう指導。「体いっぱいに空気を吸えば浮かぶ。『助けて』と声を上げると息が抜けて沈んでしまう」などと説明した。同小の徳富豊教諭は「学校の近くにも川があるので事故が心配だった。実体験として学ぶいい機会になった」と意義を強調する。

教室は例年、全国で開催されていたが、昨年はコロナ禍でほぼ中止に。今年は同小のように水泳の授業がなくなったことで、体育館で教室を行う学校も増えているという。

水泳の授業について、スポーツ庁と文部科学省は地域の感染状況を踏まえ、対策を講じた上で実施を検討するよう求めている。しかし、十分な対策を取れないことを理由に授業を見合わせた学校は少なくない。

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先日利用者の4年生の子が「俺泳げないねん」と残念そうに言っていました。水泳指導があれば4年生で泳げない子は、ほぼいなくなります。前には進めなくても水に浮くスキルは最低身についています。昨年は子どもへの感染の実態が把握しきれなかったのでプール指導中止は仕方がないにしても、今年は状況が違います。

ほとんどの子どもは無症状、発症しても頭痛と鼻水程度であることが分かっています。しかも、プールサイドは殺菌用の塩素水の飛沫で満たされており、屋外で換気も最高の状態ですから感染可能性はゼロに近いです。更衣の段階で接触感染があると言いますが、それなら体操服に着替える体育の更衣は問題がなく水着更衣に問題があるという事になり筋が通りません。

学校が恐れているのは心無い保護者を含めた大人からの感染したら責任取れのバッシングです。もしも、自校から感染クラスターが出たら水泳を認めた校長以下の教員が叩かれるという恐怖感がプール指導を中止している本音でしょう。それでも子どものためにといくつもの心ある自治体と学校がこの夏からプールを再開をしています。

科学的な根拠もないことで叩かれることを恐れるより、子どもたちの教育を進めたいという、学校の意気込みに頭が下がります。そして、水難事故防止教育は、実際に着衣して靴も履いて水に浮かんだ感覚こそが子どもには重要です。子どもには百の言葉より一つの体験が理解を進めます。浮くトレーニングは年齢が早ければ早いほど定着しやすいです。2年間プール指導がないのは先の子どもの例のように泳げない子どもを固定化してしまう恐れがあります。

熱中症の危険がある時期に、戸外でマスクを外す指示をせず子どもに「選択させた」と言う指導者も、今年も感染「予防」のためプール指導を中止する学校も、他者の目ばかりを気にして、子どもの利益を考えているとは思えないです。しかし、個人の責任にしても同調圧力に弱い人には解決はできません。昨日の高校野球試合復活に動いた萩生田文科相のように、トップが動かない限り決めたことを変えることができないのです。萩生田文科相、プール復活とプールでの水難事故防止授業実現にも一肌脱いでくれませんか。