掲示板

みんなちがってみんないい

「水泳用マスク」1万3000枚配布

新型コロナプールでも対策日立市、小・中学校に「水泳用マスク」1万3000枚配布

 2021/6/19【毎日新聞】

2年ぶり授業に笑顔
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら泳ぎを学ばせようと、日立市でマスクを着用しての水泳の授業が始まった。同市は市立小・中学校の全児童生徒、教職員に「水泳レッスンマスク」を計約1万3000枚配布。子どもらは2年ぶりのプール授業に笑顔を見せた。【田内隆弘】

マスクは表面がシリコン素材、肌面はポリエステルとポリウレタンでできていて、洗って繰り返し使用できる。教室からの行き来やプールサイドなどで着用し、泳ぐときは首に掛けるという。ひもは伸縮可能で、安全のため約4キロの負荷がかかると外れる仕組みだ。

市立坂本小学校(鈴木孝裕校長、児童363人)では18日、5年生を対象に初めてマスクを着けての水泳の授業が行われた。授業の冒頭、教員が「大声は出さない」などと注意。昨年はコロナ禍で水泳の授業がなかったこともあり、児童は歓声を抑えながらも、笑顔で、水に潜っていた。

5年1組の滝夏帆さん(10)は「プールでマスクをすると聞いてびっくりしたけれど、2年ぶりの水泳の授業はうれしい」、吉成脩羽斗(しゅうと)さん(10)は「授業が楽しみだった。普通のマスクより息苦しい気がするけれど、水泳用としては十分だと思う」と喜んでいた。

鈴木校長は「今までにない発想を取り入れることで、感染対策につながれば」と話した。

-------------------------
プールマスクの存在を初めて知りました。水に落ちた時にマスクがはりついて呼吸ができずパニックを起こして事故につながるので、水辺では原則マスクはつけないと言うのがプール安全指導で教えられてきたことですが、このマスクは簡単に外れるそうで、安全に脱着できるという事です。

プール水は塩素で殺菌されているので接触感染の心配はありません。水泳中の呼吸は最も遠くに飛沫が飛ぶ勢いがありますが、マスクをつけているから飛沫は大丈夫です。マスクに飛沫が付着してもプールの塩素水がマスクを洗い流します。そもそも、プール内のマスクは塩素水飛沫が広範囲を殺菌するので、本当は必要のないものですが、ここではあれこれ言ってはいけません。子どもたちのために何とか水泳授業を実現しようとしている日立市とその学校の前向きな努力に、心から敬意を表したいと思います。

低学年に性の第一歩を教えています 小学校のプール授業

低学年に性の第一歩を教えています小学校のプール授業の奥深さ
斎藤秀俊 | 一社法人水難学会会長、国大法人長岡技術科学大学大学院教授

6/21(月) 【Yahoo!ニュース】

2年ぶりの学校プールの季節。先日、小学校勤務33年のベテランから「2年生、心配だわ」と心配の声を聞きました。低学年に着替えの機会を使って性の第一歩を教えているのですが、今年の2年生はどうしようかと。

2年生、1から着替え指導すべきか
2年ぶりの学校プールの季節がきました。昨年はコロナ禍でほとんどの学校プールがお休みとなりました。特に小学1年生は大きなプールでのびのびと泳ぎを勉強するはずだったのがかなわず、泳ぎが1年遅れになってしまいました。

先日、小学校勤務33年のベテランから「2年生、心配だわ」と心配の声を聞きました。「1年生って学校では勉強ばかりでなくて、すべてのこと何でも1から教えるのよね。例えば体育の授業の前に、体操着に着替える練習をするのよ。もちろん、体操着から普段着に着替える練習も。」「プール授業の着替えは普段の体育と違って水着でしょう?教えることが一杯あるのよね。」「去年はプール授業が無かったでしょう?だから2年生に最初のプール授業で1から着替え方を教えなくちゃ。そうすると、2年生の授業を半分そこにあてがうことになるかな。」

彼女の学校では2校時をくっつけてプール授業としています。2年生に着替え指導をきちんとやるとなると、水着への着替え方に20分、普段着への着替え方に20分、合計40分で初回のプール授業90分の半分近くを使うことになります。2年生なりの水泳授業も待ち受けている中で、この時間は痛いそうです。でも、「丁寧に教えなければならないことが着替えにはある」と言います。

性の第一歩を教える機会
これまでの担任の多くが低学年。ベテラン先生は若いときから着替え指導にこだわりを持ってきました。

「1年生に何も教えずに着替えをさせたら、真っ裸になる児童はいるでしょうね。そうでなくても、大切なところが見えているのに自分では気が付かずにいることもあるのよ。」

人間の尊厳、性に関わる大切な一歩。コロナ禍でプール授業ができず1年間そのままになっていました。陸上の体育と違って、プール授業では着替えの時に下着をとる瞬間があります。1年生の時に「大切なところを人に見せないように気を配って着替える」ことを実践で教えるのですが、それが昨年はできなかったのです。

「家庭ではお風呂に入るときには特に気にしないじゃないですか。その雰囲気を学校に持ち込んでは困るんです。中には人前で裸になることに抵抗のない子供もいるの。」

学校は公共の場。家庭とは違ったルールがあります。公共の場ではいろいろなトラブルから自分を守らなければならないし、そしてそこに集まるお互いを尊重しあわなければなりません。特に性の第一歩は人間の尊厳を考える第一歩ですから、まだ性への自覚に乏しい低学年から行動で覚えさせたいとのことでした。

「着替え中に友達の腰タオルをわざと下げる子、いるのよね。」

同性間でも、友達の羞恥心をあおるようないたずらをする子がいます。それがいけないことだということを低学年からしっかりと教えないと、単なるいたずらという認識のまま成長する恐れがあります。だからこそプール授業時の着替えは「してはいけないこと」を身体で覚えることができる、低学年にとっては良い時間だということでした。

性の第一歩を教えていきつつ、ひいては人間の尊厳を守る心を育みたいとベテラン教員は意気込んでいました。

下着がポイしてあることも
ベテラン教員の学校では、いわゆるラップタオル、つまり大きいサイズのバスタオルにゴムを縫いつけ、両端にはスナップを取り付けて留められるように作られたスカート状のタオルを家庭に準備してもらっています。

女の子はそれを肩から下げて、男の子は肩か腰から下げて着替えをします。着替えの指導のイロハはここから始まるのです。

「最も多いのは、スナップの留め忘れだね。肩から下げているタオルで身体を隠してるつもりなのに、スナップを留め忘れた隙間から大切なところが見えてしまうの。だから、スナップの留め忘れがないかしっかりチェックしてから、着替えに入るようにしているよ。」

「男の子の場合は、わざとだらしなくタオルを巻くような児童がいるのよね。どこか、家庭のお風呂を引きずってる感があるかな。だからしっかり、しつこく指導しますよ。きちんとタオルを巻く指導から始めます。」

水着に着替えて、それでおしまいではありません。水を漏らさぬ指導が続きます。脱いだ下着をどうするかの指導です。

「脱いだ下着を机の上とか、椅子の上とかにそのまま脱ぎ捨てる児童がいるのよ。女の子でもいるかな。脱いだ下着は人に見せてはいけない。だから、すぐに袋の中にしまうように徹底指導します!」

なるほど、たしかに公衆浴場の脱衣所を思い出すと、下着が丸見え状態で脱ぎ捨てられているカゴとバスタオルをかけて中が見えないようにしてあるカゴがあります。これまでどういう教育を受けてきたかが、大人になってから行動で明確になるものだと納得してしまいます。

一つ一つ丁寧に着替えを指導するのはたいへんよいことですが、プール授業前後ともなると教室はあたかも戦場の様相です。特にプールから上がって水着から普段着に着替える時がたいへんです。子供たちがびしょびしょの状態で、しかも教員もびしょびしょ。床を濡らさないようにする工夫をしながら子供たちを教室に誘導して、それからさらに床を濡らさないようにして、指導を緩めることなく着替えさせなければなりません。

「33年繰り返しているので、ワンオペの達人になったけど、赴任したある小学校ではボランティアで学校に来てくれるおうちの方々が低学年の着替えを手伝ってくれました。」

教員も着替える時間を作ることができるし、おうちの方々にも公の場で着替えに注意する大切さが分かって、大変良いシステムだと思ったそうです。

家庭にお願いしたいこと
「特に1年生なら、プールが始まる前に、家庭で着替えの練習をしてもらえるとうれしいです」とベテラン教員の心からのお願い。

最も訓練してほしいことがラップタオルの取扱い方法。タオルによっては4つも5つもスナップがついていて全部留めるのがおっくうになり、2つ、3つ留めればいいかと妥協してしまいます。加えて、身体の水分を拭きながら下着を着ける練習。お風呂から上がった直後に、これもラップタオルを肩や腰から下げながら家庭で確認してほしいそうです。

下着も洗濯かごに直接ポイするのではなく、プール袋に入れてしまう練習をプール授業が始まる前とか、最中とか、お風呂の脱衣室で行ってほしいそうです。

参考 生命(いのち)の安全教育
令和2年6月に政府の「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」において、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」が決定されました。

この方針を踏まえ、子供たちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、全国の学校において「生命(いのち)の安全教育」が推進されています。

これに併せて、教材・指導の手引きが公開されています。例えば、生命の安全教育教材(小学校(低・中学年))では、次の項目について子供向けに図1のようなスライドを使って説明できるように編集されています。

・「水着で隠れる部分」は自分だけの大切なところ
・相手の大切なところを、見たり、触ったりしない
・いやな触られ方をした場合の対応

参考スイミングスクールでは
水難学会の新西道浩理事によれば、スイミングスクールでは小中学生の会員を受け入れる際にプライベートゾーンに関する指導をしているそうです。会員向け広報誌での周知やロッカー巡回という指導を定期的に行っていて、かなり早い時期から生命の安全教育を意識してるとのことでした。
---------------------------------
水着の着替えなど昭和の小学校出身の大人は当時教えられた経験はありません。あの頃はただタオルを腰に巻いて着替えていたので面倒だなぁと思っていた事と、塩素臭とコンクリートの匂いの混ざった薄暗い更衣室の記憶があります。時々、素っ裸で着替える友人もいて、「勇気あるなぁ」くらいにしか思いませんでした。そう言えば昔は、「このパンツ誰のですか」と帰りの会で先生が聞いていましたが、子ども心には「てことは、本人はすっぽんぽんでズボンはいてるのか」と妄想していましたが、友人に聞くと「水着の上からに決まってるやんけ」と笑われた思い出があります。

プールの低学年の授業が性教育の第一歩とは気が付きませんでした。ベテランの先生が「ワンオペ」で指導しているとのことなので、多くの先生が具体的な実践を見ていないかも知れません。学校は教科だけを教えているのではなく、学校生活全般で様々な事を教えています。発達障害の子にとっては、教科外の不定形な集団指導場面が苦しい場合もあります。けれども、みんながいないと「恥ずかしい」の意味も教えにくいです。でも、学校はいろんなこと教えているなぁと教員OBながら感心します。

 図1 生命の安全教育教材(小学校(低・中学年))のスライドの一部抜粋(筆者抜粋)

障害児通所支援の機能見直しへ 厚労省検討会が初会合

障害児通所支援の機能見直しへ 厚労省検討会が初会合

2021年6月21日【教育新聞】

障害のある子供が放課後や学校の長期休校中に通う「放課後等デイサービス」など、障害児通所支援の在り方について、厚労省は有識者による検討会を立ち上げ、このほどオンラインで初会合を行った。こうした障害児通所支援は利用者数が顕著に増加している一方で、実態として補習塾的機能や預かりが中心となっている事業所もあるとし、役割や機能の見直しに着手する。

障害児通所支援についての議論を始めた厚労省検討会(YouTubeで取材)
厚労省によると、障害児通所支援のサービス利用児童数は2014~19年度の間に2.3倍に増加。その一方で、補習塾的な機能や預かり中心の事業所があることや、障害児の保護者の就労を支える側面もあること、現状の放課後等デイサービスでは、専修学校や各種学校が対象となっていないなどの課題が出ている。

また、これらのサービスが充実したことで、発達障害をはじめとする、これまで障害と認識されずに育てづらさや生きづらさを抱えていた子供の支援につながった一方で、こうした子供たちが適切な支援を受けながら保育所や学童保育などを利用しにくくなっているなど、インクルージョンの観点からの課題も指摘されている。

こうした状況を踏まえ、検討会では関係団体へのヒアリングを実施するなどし、障害児通所支援の役割や機能の在り方を整理。9月をめどに報告書を取りまとめる。

初会合で座長に選出された柏女霊峰(かしわめ・れいほう)淑徳大学教授は「保育教育施設での(障害児の)インクルーシブな受け入れは伸びていないのではないか。詳細を分析しなければいけない。その上で、本当に障害児通所支援が、その機能として何をすべきなのかというマクロ的な議論をしなければいけない」と強調した。

------------------------------
サービスは使いやすければ利用が増えるもので、普通はそこに利用者のニーズがあると考えます。放デイの利用が伸びているのは利用者にとって使いやすいからです。また、保育所や学童保育に障害児が増えないのは使いにくいからで、放デイの利用が伸びている事は結果であり原因ではありません。つまり、放デイの責任でも放デイ利用を認めた障害福祉行政の落ち度でもありません。障害のある子もない子も利用しやすい保育所や学童保育サービスを怠ってきた側に責任があります。

だから、柏女座長が放デイの中身をどうこう言う前に、学校や保育所が障害のある児童に使いやすい配慮や工夫がされているのかどうかを調査することが先だと言っているのです。以前、学習障害は教育が支援を担うもので、放デイはサービス提供はしないと公言する関係者がいるらしいと書きました(学習障害抱える児童、タブレット支えに無事卒:04/03)が、その理由は、教育の学習障害支援の足らずを福祉が肩代わりする必要はないという論理です。しかし、学校の学習障害児への支援と、放デイの学習障害児への支援は法的にも行政的にもお互いに独立しているもので、どちらかで代替できるものではありません。

その法的根拠としては、放デイなどの学習障害児支援の責務が法令に明記されていることです。厚労省の支給決定事務等の事務処理要領の「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等についてR3年4月」には、「2 対象となる障害児(法第4条第2項) 児童福祉法における障害児とは、身体に障害のある児童、知的障害のある児童、精神に障害のある児童(発達障害者支援法第2条第2項に規定する発達障害児を含む。)以下略」とあります。

発達障害者支援法の条文は「第二条  この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害・・以下略」と学習障害が明記されています。つまり、放デイ支援で学習障害児は支援の対象なのです。もちろん教育と福祉と家庭が相互に連携しあい協力をすることは大事です。しかし、自分はやらないから、他の分野で責任を持てなどと言える道理は無いのです。

保護者や一般市民が細かな法令を知らないのは仕方がないにしても、もしも、関係者が公言しているとなると、これは明らかに違法行為であり障害者差別だと言えます。さすがに府県レベルや厚労省で学習障害児を放デイでサービスをしないと言う人はいませんが、地域でこんな暴言を関係者が言っているなら行政処分の対象です。今回の厚労省検討会の議論の行方が、保育所や学童保育でインクルージョンが進まない原因が、放デイの利用数が伸びた事等と、原因と結果が入れ替わったりしないように見守りたいと思います。

 

学校集団接種「推奨しない」文科省

学校集団接種「推奨しない」文科省、同調圧力を懸念

2021年6月22日【朝日新聞】

文部科学省は22日、新型コロナウイルスワクチンを12歳以上の中学高校などの生徒に学校で集団接種することについて、「現時点で推奨しない」とする通知を各都道府県などに出した。個別接種が難しいなどの理由で学校集団接種の実施が必要な場合は、接種の有無によるいじめや差別が起きないよう相談窓口を設けることや、接種を行事参加の条件にしないことなどを求めている。

通知は、学校集団接種を推奨しない理由として、保護者への説明機会が乏しくなる▽個々人の意向が必ずしも尊重されず同調圧力を生みがち▽接種後の体調不良に対するきめ細かな対応が難しい――を挙げた。萩生田光一文科相は22日の閣議後会見で「学校での集団接種は受ける人と受けない人の差別化につながり、いじめにつながることも心配される。希望する子どもは親の同意のもとで、個別接種を進めていく」と述べた。

一方で通知は、個別接種の体制確保が難しい場合などに、市町村の判断で学校集団接種をすることを条件付きで認めた。その際、生徒や保護者に接種が強制でないことなどを丁寧に情報提供することや、授業中ではなく放課後や休日、長期休業中に実施するなどの工夫を求めている。

また、特に思春期の子どもに接種前後の不安をきっかけに起きやすいという「予防接種ストレス関連反応」についても説明。「周囲の生徒の様子などの影響を受けてその場の生徒に連鎖して生じることもあり、落ち着いた雰囲気で、万一に備えた体制を整えておくことが必要」と示している。

16歳未満の接種は原則、保護者の同意が必要。小学生については保護者同伴が必要となる。(伊藤和行)

文部科学省通知の主な内容
●中学高校などの生徒に対する新型コロナウイルスワクチンの学校集団接種は、現時点で推奨しない

●学校集団接種が必要な場合の留意点
・効果や副反応など丁寧な情報提供
・差別やいじめが起きないよう、学校は接種が強制ではないことを指導し、市町村は相談窓口を設置
・授業中ではなく、放課後や休日、長期休業中に実施
・業務は教職員に求めない
・「予防接種ストレス関連反応」が生じないように環境を整備

--------------------------------
抗議殺到で個別接種に切り替え 12~15歳にワクチン接種開始の京都・伊根町

2021年6月8日【京都新聞】

京都府伊根町は8日、12~15歳の新型コロナウイルスワクチンの接種を始めたことに対し町外から抗議が殺到したことを受け、中学生を対象に検討していた集団接種を個別接種に切り替える方針を明らかにした。町は「強制的に打つという誤解を解きたい」といい、本人や保護者の同意の下で接種する手続きをより明確にして、これ以上の抗議を避ける狙い。接種時期は未定。

12~15歳の接種については、厚生労働省の専門部会が米ファイザー製ワクチンの対象年齢として了承しており、国は保護者の同意手続きが必要としている。町は当初、学校のテスト期間に配慮して6月下旬に1回目の接種を検討。保護者の同意を文書で確認する方法をとる予定だった。

同町では6日、小学生と高校生に接種した。7日朝から、町役場に「子どもへの接種はリスクがある」「殺すぞ」などと職員を問い詰める電話が相次ぎ、コールセンターを停止。抗議電話は8日までに170件あった。脅迫を思わせる内容もあり、町は京都府警宮津署に被害届を出すことも検討している。
--------------------------------
マスクをしていないと携帯電話中の女子学生の顔を殴る役人(北海道)がいるかと思えば、子どもへのワクチンが危険だと役所に脅迫や威力業務妨害をする市民がいます。どちらも科学的な根拠を持たずに感情的に他者を傷つけたり脅迫している違法行為です。

確かに学校の集団接種は、同調圧力が強くかかり受けない自由を行使しようとするには勇気が必要です。そして、1000人に7人程度が陽性者でその6割が無症状で、子どもに重篤な症状が一例も報告されていない武漢風邪に、リスクの高い大人に接種が済んでいるなら、集団免疫を広げると言うだけで子どもの接種を急ぐ根拠にはなりません。

急ぐべきは高齢者やそれに続く成人の接種であることは間違いありません。伊根町にはきっとたくさんワクチンが送られ、高齢者も高リスク患者も成人も皆終了したから次は子どもにとなったのかもしれません。乙訓では65歳以上の接種が進み、60歳までの高齢者は7月中に1回目が接種されるようです。

都市部では人口の少ない自治体ほどは接種が進みません。行政サービスは田舎の方が早く行き届くが、都市は便利さを享受しているのでおあいこだと言われます。しかし、命にかかわる有事に公平に対応できないのは問題です。抗議電話は町以外からのものも多く、いつまで待っても接種券が送られてこない都市部の市民の苛立ちが、田舎の役場にぶつけられたような気もします。

この苛立ちに加担しているのが恐怖の煽り報道です。女子学生がマスクを外して電話をしているだけで、役人の立場を忘れるほど苛立つのです。最近、アクリル板は飛沫を滞留させるという研究が電通大から発表されました。テレビで連日見かけるアクリル板は感染を広めたかもしれません。メディアが必ず正しいわけではない証拠です。もちろんこの報道は地上波ではほとんど扱われませんでした。

また、今回のワクチンとは違いますが、子宮頸がんワクチン(HPV)の副反応の恐怖を大々的に煽った結果、日本ではワクチン接種率が極めて低いのです。ワクチンを打てば76人に1人の子宮頸がん発症の確率は216人に1人と3分の1に減ります。しかし、こうした効果は宣伝されずにひどい副反応を起こした人たちの裁判を報道することで日本はワクチン接種を推進している他国より2倍以上の女子が命を落とす危険にさらされています。恐怖や鬱屈した感情をメディアが煽ることによって、社会が歪んでいく危険性も私達は熟知しておく必要があります。

「学校の防災訓練は非現実的」 学校安全部会で専門家指摘

「学校の防災訓練は非現実的」 学校安全部会で専門家指摘

2021年6月23日【教育新聞】

第3次学校安全推進計画の策定に向けた検討を行っている中教審初等中等教育分科会学校安全部会は6月23日、第2回会合をオンラインで開き、防災教育をテーマに議論を行った。同部会委員で、内閣府の「防災・減災、国土強靭(きょうじん)化ワーキンググループ(WG)」でも委員を務めていた大木聖子・慶應義塾大学環境情報学部准教授は、発表の中で現状の学校の防災訓練が非現実的であると指摘。第3次計画で、幼児教育・保育における防災教育の必要性や、実効性のある防災訓練を学校現場に浸透させることを提案した。

この日の会合では、内閣府から5月末に同WGが取りまとめた「防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言」についての報告があり、それに続いて大木准教授からの発表が行われた。

内閣府の提言では、東日本大震災の発生から10年を踏まえ、防災・減災、国土強靭化の新時代に向けて、防災教育を第3次学校安全推進計画の柱として位置付け、全ての子供が災害から自らの生命を守れる能力を身に付けられるようにする方針を掲げた。学校で行われている現状の避難訓練は、実施率は高いものの内容は形骸化しているとして、全ての小中学校で、地域の災害リスクや「自分は大丈夫だ」と思い込んでしまう正常性バイアスなどの知識を教えることや、教職課程に防災教育の指導法を組み込んだり、地域と学校が連携して防災教育を支援する「防災教育コーディネーター(仮称)」を育成したりすることを盛り込んだ。

内閣府の防災・減災、国土強靱化新時代に向けた防災教育の提言
続いて発表した大木准教授は、専門の地震学の見地から、「教師の指示に従って、全員が校庭に避難が完了するまでの時間を計測する避難訓練」について、震度6以上の地震では声を発することができないほどの揺れになることから、教師は事実上指示を出せないことや、校舎は一般住宅よりも耐震性が高いにもかかわらず、校庭に避難することに合理的な理由はないことを指摘。

「地震学者の観点から見ると、非現実的な訓練が行われている。最も違和感があるのは、余震を想定している訓練がないことだ。大地震で余震が伴わないものはない」と批判した。

また、幼稚園や保育所などでの、未就学児を対象とした防災教育に力を入れるべきだと提案。第3次計画では、地震の概念が十分にない未就学児の命を守る視点を意識したものとすることや、発達段階に応じた防災教育スタンダードを策定することで、就学前から高校段階までシームレスな防災教育を実践できると強調した。

--------------------------------
地震想定の訓練でグランドに避難するのは、地震から火災が発生したので屋外に避難するというシナリオがあるからです。その理由は、グランドで消防署職員が子どもたちと一堂に交流する機会を持つことで、防災教育の一環としたいという目的があるからです。

その際に、整然と移動できたことを評価しているだけのことで、時間短縮はその結果であり「押さない走らない喋らない戻らない」おはしも訓練に時間短縮目的などありません。また、余震の事にも触れており建物の壁や天井が崩れることも想定して移動するように指導されています。正常性バイアスの問題は防災知識を教えた子どもには起こりにくく、知識のない大人に起こりやすい問題です。大木さんは、学校訓練で教員や子どもの取材をせずに、思い込みで発言しているのではないかなと思います。

すてっぷでも、この5月に地震から近隣住宅に火災が発生した想定で広域避難場所に移動する訓練をしています。子どもたちは、落下物から頭部を守る動作や整然と行動する姿は、毎年学校で2回訓練している効果を感じさせるものでした。問題は、被災後何日間この子たちと安全に過ごせるかどうかの訓練はないので、シミュレーションだけでもしておいた方が良いなと考えています。こちらは何パターンか思い込みでやるしかないのですが・・・。